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2024年に変わった労務と経理のルール|会社設立の後に効いてくるもの

公開 文責 会社設立・設立後の補助金のプロ

この記事を読んでほしい方

会社設立をして、人を雇う予定がある方、帳簿の付け方に不安がある方に向けた記事です。2024年に変わったルールが、今も効いています。

補助金の話ばかりが目に入りますが、2024年に変わったのは制度だけではありません。日々の事務のルールも変わりました。

2024年に変わった労務と経理のルール
2024年に変わった主なルール

雇うときに書く紙が、増えた

雇うときに書く紙が、増えた|会社設立の補助金と支援
雇うときに書く紙が、増えた

会社設立をして人を雇うとき、労働条件を書いた紙を渡します。

厚生労働省は、2024年4月から労働条件明示のルールが変わることを案内しています。書く項目が増えました。

雛形をそのまま使っている方は、古いものになっていないか確かめてください。

補助金や助成金の申請では、労務の書類が確認されることがあります。ここが古いままだと、そこで止まります。

会社設立の直後に雇う一人目こそ、きちんと整えてください。後から直すより楽です。

厚生労働省はモデルの様式も公開しています。それを使うのが確実です。

会社設立の直後に雇う一人目は、たいてい知り合いです。だからこそ紙の扱いが甘くなります。雇用の支援を受けるつもりなら、ここを崩さないでください。

様式そのものは労働局や厚生労働省のページから入手できます。会社設立の直後に一度だけ手間をかければ、その後は使い回せます。

出典2024年4月から労働条件明示のルールが変わります(厚生労働省/2026-09-07 確認)

変更の範囲まで書く

変更の範囲まで書く|会社設立の補助金と支援
変更の範囲まで書く

追加された項目のうち、すべての労働者に関わるのが就業場所・業務の変更の範囲です。

雇い入れ直後の就業場所と業務に加えて、変更の範囲を明示することとされています。労働契約の締結と、有期労働契約の更新のたびに必要です。

変更の範囲とは、将来の配置転換などで変わり得る就業場所や業務の範囲を指します。

有期契約の方には、さらに三つの項目が加わります。更新上限の有無と内容、無期転換を申し込むことができる旨、無期転換後の労働条件です。

会社設立の直後は、事業所が一つで業務も限られています。それでも、将来の広がりをどう書くかは考えておいてください。

書き方に迷ったら、労働局に相談できます。

会社設立の直後に事業所を移す可能性があるなら、その点も含めて書いておくほうが安全です。労働局の支援の窓口で、書き方を確かめてください。

無期転換の申込機会の明示は、有期の契約を繰り返してきた場合に関わります。会社設立から数年が経ち、同じ方と契約を更新し続けているなら、この点を確かめてください。支援の申請の場面でも、契約の履歴は見られます。

在籍型出向を命じることがあり、出向先の就業場所や業務が元の会社の変更の範囲を超える場合は、その旨を明示することとされています。会社設立の直後には縁の薄い話ですが、覚えておいてください。

出典2024年4月から労働条件明示のルールが変わります|有期契約労働者の無期転換サイト(厚生労働省/2026-09-07 確認)

社会保険の入口が、広がった

社会保険の入口が、広がった|会社設立の補助金と支援
社会保険の入口が、広がった

短時間で働く方の社会保険についても、変更がありました。

日本年金機構の案内では、特定適用事業所とは、1年のうち6月間以上、厚生年金保険の被保険者の総数が51人以上となることが見込まれる企業等とされています。

該当する事業所では、短時間労働者も社会保険の加入の対象になります。要件は、週20時間以上の所定労働時間、学生でないこと、月額8.8万円以上の所定内賃金、2か月を超える雇用の見込みです。

会社設立の直後に51人を超えることは、まずありません。すぐには関係のない話です。

ただし、この範囲は段階的に広がることが示されています。令和9年10月から36人以上、令和11年10月から21人以上、令和14年10月から11人以上とされています。

人を増やしていく予定があるなら、この先の数字を頭に入れておいてください。

会社設立から人を増やしていくと、いずれこの線に届きます。雇用の支援を計画するときの前提として押さえておいてください。

規模の要件に満たない事業所でも、従業員の同意にもとづく事業主の申し出で対象になれる仕組みがあります。会社設立の方針として、早めに社会保険を手厚くするという選択もできます。

出典短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大(日本年金機構/2026-09-07 確認)

領収書の保存の仕方が、変わった

領収書の保存の仕方が、変わった|会社設立の補助金と支援
領収書の保存の仕方が、変わった

経理の側でも大きな変更がありました。

国税庁は電子帳簿等保存制度の特設サイトを設けています。令和6年1月からの電子取引データの保存方法について、案内が出ています。

メールで受け取った請求書や、サイトからダウンロードした領収書。これらは電子取引のデータとして保存することとされています。

紙に印刷して保管するだけでは足りません。データそのものを、決められた要件で残す必要があります。

会社設立の直後は取引が少ないので、この時期に仕組みを作っておくのが楽です。

後から数年分をさかのぼって整えるのは、現実的ではありません。

会社設立の直後は取引の件数が少なく、仕組みを試す余裕があります。支援の申請に備える意味でも、この時期が好機です。

対象になるのは、注文書、契約書、送り状、領収書、見積書、請求書といった書類です。ただし、データそのものをやり取りした場合に限られ、紙だけで済ませた取引は含まれません。会社設立の直後にどこまでが対象かを整理しておいてください。

受け取ったデータだけでなく、送ったデータも保存の対象です。会社設立の直後に請求書をメールで送るなら、その控えも残してください。

出典電子帳簿等保存制度特設サイト(国税庁/2026-09-07 確認)

真実性と可視性という考え方

真実性と可視性という考え方|会社設立の補助金と支援
真実性と可視性という考え方

電子取引のデータを保存するときには、二つの要件が求められます。

一つは真実性の確保です。改ざんを防ぐための措置を取る必要があります。事務処理規程を定めて守るという方法も示されています。

もう一つは可視性の確保です。日付・金額・取引先で検索できること、ディスプレイやプリンタ等を備え付けることなどが挙げられています。

会計ソフトを使えば、多くは自動的に満たせます。会社設立の直後にソフトを選ぶとき、この点も見てください。

デジタル化・AI導入補助金は、こうした仕組みを入れるときに使える制度です。会社設立の直後から視野に入れておいてください。

要件の詳しい内容は国税庁のページで確かめてください。

会社設立の直後にソフトを選ぶとき、補助金の対象になっているかどうかも見てください。同じ支出でも、支援を受けられれば負担が変わります。

事務処理規程は、国税庁がひな形を公開しています。会社設立の直後に一枚作っておけば済む話です。

出典電子取引関係|電子帳簿等保存制度特設サイト(国税庁/2026-09-07 確認)

インボイスと合わせて考える

インボイスと合わせて考える|会社設立の補助金と支援
インボイスと合わせて考える

経理の話でもう一つ大きいのが、インボイス制度です。

適格請求書発行事業者の登録を受けるかどうかは、会社設立のときに決める判断の一つです。

登録すると、消費税の申告と納付が必要になります。取引先が事業者中心なら、登録を求められることが多くなります。

インボイスの保存も、電子帳簿保存法の対象になります。二つは切り離せません。

会社設立の直後に経理の仕組みを決めるときは、この二つをまとめて考えてください。

判断に迷うなら、税理士に相談してください。会社設立の初年度は特に、後から変えにくい部分があります。

会社設立の初年度は消費税の扱いも判断が要ります。専門家の支援を受けたほうが確実です。

登録をしないという判断もあります。取引先が消費者中心なら、その選択もあり得ます。会社設立の前に、誰に売るのかを整理してから決めてください。

登録の番号は、国税庁の公表サイトで確認できます。会社設立の後、取引先から番号を聞かれることもあります。

出典D1-64 適格請求書発行事業者の登録申請手続(国内事業者用)(国税庁/2026-09-03 確認)

ルールの変更は、補助金にも関わる

ルールの変更は、補助金にも関わる|会社設立の補助金と支援
ルールの変更は、補助金にも関わる

労務や経理のルールは、補助金や助成金と無関係ではありません。

雇用関係助成金の支給の申請では、賃金台帳や出勤簿、労働者名簿といった記録が確認されます。

補助金の実績の報告では、領収書や契約書の保存が求められます。

つまり、日々の事務が整っていないと、支援そのものが受けられないということです。

会社設立の直後は目の前の仕事に追われますが、ここを飛ばさないでください。

事務が整っていることは、それ自体が支援を受ける資格のようなものです。

会社設立の直後に整えた記録は、後から補助金や助成金の申請で必ず使います。支援を受けるための土台だと考えてください。

事前の計画の届出や認定が要る制度もあります。会社設立の直後に窓口へ行き、何が要るかを聞いておいてください。

出典雇用関係助成金一覧(厚生労働省/2026-09-04 確認)

会社設立の直後に整える順番

会社設立の直後に整える順番|会社設立の補助金と支援
会社設立の直後に整える順番

2024年の変更を踏まえて、会社設立の直後にやることを並べます。

  1. 会計ソフトを選び、電子取引のデータの保存の仕方を決める
  2. インボイスの登録をするかどうかを決める
  3. 人を雇うなら、最新のモデル様式で労働条件通知書を作る
  4. 賃金台帳・出勤簿・労働者名簿を、最初から付ける
  5. 社会保険と労働保険の手続きを、期限内に済ませる

法人設立届出書は、設立の日以後2か月以内に税務署へ提出することとされています。期限のあるものから片づけてください。

Q. 労働条件通知書の様式は変わりましたか。

A. 2024年4月から明示する項目が増えています。最新のモデル様式を使ってください。

Q. 社会保険の適用拡大は会社設立の直後に関係しますか。

A. 51人以上が対象なので、多くの場合すぐには関係しません。人数が増える予定なら先を見てください。

Q. 紙で保管してはいけませんか。

A. 電子で受け取ったデータは、データとして保存することとされています。

Q. 会計ソフトは必要ですか。

A. 要件を満たすうえで現実的な手段です。補助金の対象になることもあります。

Q. いつから整えますか。

A. 取引が少ない会社設立の直後がいちばん楽です。

この五つのうち、いちばん後回しにされるのが四番目です。会社設立の直後に付け始めるのがいちばん楽です。

出典C1-4 内国普通法人等の設立の届出(国税庁/2026-09-03 確認)

まとめ|制度より先に、事務を整える

まとめ|制度より先に、事務を整える|会社設立の補助金と支援
まとめ|制度より先に、事務を整える

2024年に変わったのは、補助金の制度だけではありません。日々の事務のルールが変わりました。

この記事の要点

  • 12024年4月から、就業場所・業務の変更の範囲を明示することになった
  • 2有期契約には、更新上限・無期転換の申込機会・転換後の条件の明示が加わった
  • 32024年10月から、51人以上の事業所で短時間労働者も社会保険の対象に
  • 4令和6年1月から、電子取引のデータはデータとして保存する
  • 5真実性の確保と可視性の確保という二つの要件がある

制度を横断して探すなら、J-Net21のような支援情報のサイトも使えます。会社設立の準備のうちに一度見ておいてください。

この記事は2026年9月時点で厚生労働省や日本年金機構、国税庁の公表内容にあたって確認した内容です。ルールは変わります。手続きの前に、必ず最新の一次情報でご確認ください。

出典J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト(中小機構/2026-09-03 確認)

事務を後回しにしている方へ

会社設立をすると、やることが一気に増えます。補助金を調べる時間はあっても、労務や経理の書式を確かめる時間はなかなか取れません。ただ、ここが崩れていると、補助金の申請そのものが止まります。しかも、後から数年分をさかのぼって整えるのは現実的ではありません。取引も人も少ない今のうちに、型を作っておいてください。将来の自分が助かります。

他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください

会社設立の補助金について調べるときに、あわせて見られているサイトです。掲載の順番は、おすすめの度合いや優劣を示すものではありません。内容は各サイトの運営者にご確認ください。

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