東京で会社設立するといくらかかるか|家賃の重さを支援でどう和らげるか
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東京で会社設立を考えていて、費用がどれくらいかかるのかを知りたい方に向けた記事です。会社設立の法定費用は全国どこでも同じですが、東京は家賃が重くのしかかります。この家賃に効く支援があるかどうかで、初期の資金繰りは大きく変わります。
東京で会社設立をするとき、法定費用そのものは他の地域と変わりません。差が出るのは事務所の家賃です。そして家賃には、区によっては補助が用意されています。費用の全体像から見ていきます。

法定費用は、東京でも全国と同じ

まず押さえておきたいのが、会社設立の法定費用に地域差はないという点です。東京だから高い、地方だから安いということはありません。
株式会社の定款認証手数料は、資本金の額等が100万円未満で3万円、100万円以上300万円未満で4万円、300万円以上で5万円です。登録免許税は資本金の0.7%と15万円の高いほう。合同会社なら定款の認証が不要で、登録免許税の最低額は6万円です。
紙の定款には収入印紙4万円が必要ですが、電子定款にすればかかりません。ここも全国共通です。
法定費用を下げる三つ
- 1区市町村の証明を取って登録免許税を半額にする
- 2電子定款にして収入印紙4万円を省く
- 3会社の形を選ぶ(合同会社なら登録免許税の最低額が6万円)
東京で会社設立をするときも、この三つは同じように使えます。差が出るのは、次に見る事務所の費用です。
株式会社の定款認証手数料には、減額される仕組みもあります。発起人の全員が自然人で3人以下、定款に発起人が設立時発行株式の全部を引き受ける旨の記載があること、定款に取締役会を置く旨の記載がないこと。この三つをすべて満たすと1万5,000円になります。会社設立の設計を決める段階で確かめてください。
出典:産業競争力強化法、経済産業省関係産業競争力強化法施行規則(中小企業庁/2026-09-03 確認)
東京で重いのは、事務所にかかるお金

東京で会社設立をするとき、初期費用のなかで最も大きくなりやすいのが事務所の費用です。敷金や礼金、仲介手数料といった契約時の支出に加えて、毎月の家賃が続きます。
会社設立の直後は売上が読めません。そこに毎月の家賃が乗ると、資金繰りはすぐ苦しくなります。法定費用の十数万円より、家賃の負担のほうがずっと重いのが東京の特徴です。
国の補助金は、家賃を対象にしないものが多くあります。販路開拓や設備投資を後押しする設計だからです。だから東京で会社設立をする方にとって、家賃に効く支援があるかどうかは大きな差になります。
国の補助金のうち、小規模事業者持続化補助金は販路開拓等の取組を支援する制度です。ものづくり補助金は設備投資が中心で、デジタル化・AI導入補助金は業務のシステム化が対象です。いずれも家賃そのものを支える設計ではありません。
だからこそ、東京で会社設立をするなら区の制度と都の制度を先に確かめる価値があります。国の補助金だけを見ていると、いちばん重い費目に手が届きません。
出典:融資・助成制度(東京都創業NET/2026-09-03 確認)
区によっては、家賃の補助がある

東京では、区が独自に創業者向けの家賃補助を用意していることがあります。これは国の補助金にはない性格の支援です。
たとえば江東区は、創業支援事務所等賃料補助金を案内しています。公表されている内容によれば、区内に事務所等を有する創業まもない中小企業者が対象で、補助の対象は事務所や店舗の賃料(消費税を含み、共益費や振込手数料等は除く)とされています。
補助率と限度額は、補助開始月から12か月目までが月額賃料の4分の1以内で上限5万円、13か月目から24か月目までが月額賃料の4分の1以内で上限3万円、補助期間は最大24か月間とされています。

一度きりの補助金と違い、毎月効く支援です。会社設立の直後の資金繰りには、この形のほうが助かる場面があります。
事前に経営相談員による事業計画書の審査を受けることが要件とされている点にも注意してください。募集を見てから動くのでは間に合いません。
補助率が月額賃料の4分の1以内ということは、家賃の全額が戻るわけではないという意味です。会社設立の資金計画では、補助を当てにせずに払える家賃かどうかを先に確かめてください。補助は上乗せとして扱うのが安全です。
出典:創業支援事務所等賃料補助金(江東区/2026-09-04 確認)
区の制度は、会社設立の場所選びに直結する

区の支援は住所地で対象が決まります。つまり、会社設立の本店をどの区に置くかで、家賃補助が使えるかどうかが変わります。
あわせて確かめたいのが、特定創業支援等事業の証明です。江東区の案内によれば、支援を受けた場合、区内で創業する際に登録免許税の軽減を受けることが可能とされています。株式会社は最低税額15万円から7万5千円に、合同会社は6万円から3万円に軽減されます。
産業競争力強化法にもとづく創業支援等事業計画の認定を受けた区市町村が対象です。中小企業庁が一覧を公表しているので、本店を置く予定の区が入っているか確かめてください。
家賃が月2万円高い区でも、家賃補助と証明が使えるなら、そちらのほうが総額では有利になることがあります。会社設立の場所を決める前に、候補の区に電話してみてください。
区の制度は募集の期間や予算の枠が決まっていることがあります。年度の途中で受付が終わることもあるので、会社設立の時期が決まっているなら早めに問い合わせてください。
出典:江東区創業支援等事業・特定創業支援等事業について(江東区/2026-09-04 確認)
契約の前に、支援の要件を確かめる

東京で会社設立をするときに、いちばん多い取りこぼしがこれです。事務所を先に契約してしまい、支援の対象から外れるという失敗です。
補助金の多くは、交付決定より前におこなった発注・契約・支払いを対象外としています。家賃補助のような制度でも、契約の時期や事前の審査が要件になっていることがあります。
江東区の賃料補助では、事前に経営相談員による事業計画書の審査を受けることが要件とされ、契約の締結の期限も定められています。会社設立の準備を始めた段階で、区の窓口に相談しておく必要があります。

物件は縁のものなので、良い場所が見つかると急ぎたくなります。それでも、契約の前に一本電話を入れてください。数十万円の差になることがあります。
補助金の世界では、この「先に動くと対象外」という考え方が共通しています。国の補助金でも交付決定より前の発注は対象外になることが多く、雇用の助成金でも取り組みの前に計画の提出が求められます。東京で会社設立をするときも、この原則は同じです。
出典:Jグランツ ネットで簡単!補助金申請(デジタル庁/2026-09-03 確認)
東京都の助成事業も、家賃を見てくれる

区の家賃補助とは別に、東京都にも創業初期の経費を支える制度があります。東京都と東京都中小企業振興公社が実施している創業助成事業です。
助成対象経費として、賃借料、広告費、器具備品購入費、産業財産権出願・導入費、専門家指導費、従業員人件費、委託費(市場調査・分析費)が挙げられています。家賃も対象に含まれる点が特徴です。
対象は都内で創業を予定している方または創業後5年未満の中小企業者等のうち、一定の要件を満たす方とされています。助成限度額は上限400万円・下限100万円、助成率は3分の2以内、助成対象期間は交付決定日から6か月以上2年以下です。
区の制度と都の制度は別立てですが、同じ経費に二重に支援を受けることは認められません。両方を狙うなら、経費を分けた根拠を残しておいてください。
都の創業助成事業には、指定された創業支援の利用が申請の前提とされています。区の家賃補助とあわせて狙うなら、会社設立の準備の早い段階から動く必要があります。募集を見てからでは間に合いません。
出典:創業助成金(東京都中小企業振興公社)(東京都創業NET/2026-09-04 確認)
家賃を抑えるという選択肢も並べる

支援で家賃を和らげる方法を見てきましたが、そもそも家賃を抑えるという選択もあります。会社設立の直後は、身軽であることに価値があります。
ただし、家賃を抑える方法によっては支援の対象から外れます。自宅の一室やバーチャルオフィスでは、事業所の実態を認められないことがあるからです。許認可が必要な業種では、さらに要件が厳しくなります。

会社設立の場所は、事業の中身で決めるのが基本です。支援と家賃は、その判断を補う材料として使ってください。
会社設立の直後は小さく始めて、事業が育ってから広い事務所に移るという進め方もあります。ただし本店を移すと変更の登記が必要ですし、区の支援を受けている場合は対象から外れることもあります。移る前提なら、その時期も含めて窓口に伝えておいてください。
出典:東京都中小企業制度融資『創業』(東京都創業NET/2026-09-04 確認)
足りない分は、融資で埋める

家賃補助も創業助成事業も後払いです。事務所の初期費用や当面の家賃は、いったん自社で払う必要があります。
東京都中小企業制度融資の『創業』は、事業を営んでいない段階から相談できます。融資限度額は3,500万円、返済期間は設備資金10年以内・運転資金7年以内(いずれも据置期間1年以内を含む)とされ、東京信用保証協会に支払う信用保証料の補助もあります。
日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金も選択肢です。融資限度額は7,200万円(うち運転資金4,800万円)、元金の据置期間は5年以内に設定できます。
会社設立の資金計画では、家賃を含む月ごとの支出を並べて六か月ぶんを目安に必要額を出してください。東京は家賃が重いぶん、この金額が大きくなります。
補助金や助成金の立て替え分も、資金計画に入れておいてください。東京は家賃が重いぶん、手元資金が薄くなりやすい地域です。融資の枠を少し残しておくと、支援を狙う余力が残ります。
出典:新規開業・スタートアップ支援資金(日本政策金融公庫/2026-09-03 確認)
まとめ|法定費用は同じ、差が出るのは家賃

東京で会社設立をするとき、法定費用に地域差はありません。差が出るのは事務所の家賃で、そこに効く支援があるかどうかが資金繰りを左右します。
この記事の要点
- 1会社設立の法定費用は全国共通。証明と電子定款で下げられる
- 2東京で重いのは事務所の費用。国の補助金は家賃を対象にしないことが多い
- 3区によっては創業者向けの家賃補助がある。毎月効くので資金繰りに素直
- 4事務所を先に契約すると、支援の対象から外れることがある
- 5東京都の創業助成事業は賃借料も対象。ただし区の制度と二重には受けられない
この記事の金額は、執筆時点で東京都や江東区、中小企業庁などの公表内容にあたって確認したものです。制度の内容は区市町村と年度によって変わります。会社設立を進める前に、必ず窓口でご確認ください。
出典:産業競争力強化法に基づく認定を受けた市区町村別の創業支援等事業計画の概要(中小企業庁/2026-09-03 確認)
事務所を探し始める方へ
東京で会社設立をするとき、いちばん大きな判断は事務所です。家賃は毎月出ていきますし、契約してしまうと簡単には変えられません。物件を決める前に、その区の産業振興の担当課に一本電話を入れてください。家賃補助があるか、証明が取れるか、契約の前にやるべきことがあるか。この三つが分かるだけで、選び方が変わります。
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