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業種で変わる新規会社設立の支援|許認可の要件が資本金と時期を決める

公開 文責 会社設立・設立後の補助金のプロ

この記事を読んでほしい方

新規に会社設立をする方で、自分の業種で気をつけることが分からないという方に向けた記事です。業種によっては許認可が必要で、その要件が資本金の額や会社設立の時期を縛ります。補助金を調べる前に、この縛りがあるかどうかを確かめてください。

会社設立の手続きは業種を問わず同じですが、その前後は業種で大きく変わります。許認可が必要な業種では、財産的な要件や人の要件が課され、それが資本金と時期を決めます。支援の話は、その後です。

業種と許認可の確認の順番
業種と許認可の確認の順番

許認可の有無が、最初の分かれ道

許認可の有無が、最初の分かれ道|会社設立の補助金と支援
許認可の有無が、最初の分かれ道

新規に会社設立をするとき、業種によっては許認可が必要です。届出で済むもの、登録が必要なもの、許可が要るもの。段階はさまざまですが、いずれも満たさなければ事業を始められません。

補助金の情報を集める前に、まずここを確かめてください。許認可の要件が資本金の額を決め、それが会社設立の設計そのものを縛ることがあるからです。

許認可を確かめるときに見ること

  • 1そもそも許認可が必要な事業か
  • 2必要なら、人の要件(資格・経験)はあるか
  • 3財産的な要件はあるか。あればいくらか
  • 4事務所や設備の要件はあるか
  • 5申請から取得まで、どれくらいかかるか

五つ目は日程に直結します。会社設立の登記が終わってから許認可を申請し、取得できるまで営業できないという業種もあります。その期間の運転資金を見込んでおく必要があります。

定款の目的にも関わる

許認可が必要な事業は、定款の目的に適切に書かれている必要があります。会社設立の後に目的を追加すると、変更の登記が要ります。設立の段階で、これからやる可能性のある事業も含めて検討してください。

許認可の種類によって、取得までの期間はかなり違います。届出で済むものなら数日、許可が要るものだと一か月以上かかることもあります。会社設立の日程を組むときは、この期間を必ず入れてください。登記が終わっても営業できない期間が生まれます。

出典建設産業・不動産業:建設業の許可とは(国土交通省/2026-09-04 確認)

建設業は、財産的基礎が問われる

建設業は、財産的基礎が問われる|会社設立の補助金と支援
建設業は、財産的基礎が問われる

建設業で新規に会社設立をする場合、軽微な建設工事のみを請け負う場合を除き、建設業の許可が必要です。国土交通省が許可の要件を公表しています。

要件は複数あります。経営業務の管理をおこなう責任者としての経験、営業所ごとの専任の技術者、そして建設工事を請け負うに足りる財産的基礎です。このうち財産的基礎が、会社設立の資本金をどう設定するかに直接効きます。

許可の区分も確かめてください。二以上の都道府県の区域内に営業所を設けて営業する場合は国土交通大臣が、一の都道府県の区域内のみに営業所を設ける場合は都道府県知事が許可することとされています。

財産的基礎の具体的な金額や、その証明の方法は、許可の区分や状況によって扱いが異なります。国土交通省の公表内容と、申請先の窓口で必ずご確認ください。

会社設立の直後に建設業の許可を取る場合、実績がないことが問題になる場面があります。経営業務の管理をおこなう責任者としての経験は、個人としての経験で満たせることもあります。前職での立場が要件に当てはまるかを、申請先の窓口で確かめてください。

出典建設産業・不動産業:許可の要件(国土交通省/2026-09-04 確認)

労働者派遣事業は、資産の要件が重い

労働者派遣事業は、資産の要件が重い|会社設立の補助金と支援
労働者派遣事業は、資産の要件が重い

人材派遣の事業で新規に会社設立をする場合、労働者派遣事業の許可が必要です。厚生労働省が許可の基準を含む手続マニュアルを公表しています。

この事業の許可基準には、資産に関する要件が含まれています。会社設立の資本金をどう設定するかが、そのまま許可を取れるかどうかに直結する業種です。

補助金でこの資産要件を満たすことはできません。補助金は事業を終えたあとの後払いで、会社設立時の資本金には充てられないからです。自己資金と出資、必要なら融資で組み立てることになります。

要件の詳細と、その確認の方法は厚生労働省の手続マニュアルに示されています。会社設立の計画を立てる前に、必ず原典と都道府県労働局にご確認ください。

この業種では、会社設立の資本金を許可の要件から逆算して決めることになります。補助金の対象になる枠より、許可の要件のほうが優先です。事業ができなければ支援を受ける以前の話だからです。

出典労働者派遣事業(厚生労働省/2026-09-04 確認)

許認可の要件と、補助金の枠がぶつかることがある

許認可の要件と、補助金の枠がぶつかることがある|会社設立の補助金と支援
許認可の要件と、補助金の枠がぶつかることがある

ここが業種別に見るときのいちばんの勘所です。許認可の財産的な要件を満たすために資本金を大きくすると、補助金の対象になる中小企業者の枠から外れることがあります。

国の補助金の多くは、対象を資本金の額、常時使用する従業員の数、業種で区切っています。業種ごとに基準の額が違うため、自分の業種でどう区切られているかを確かめる必要があります。

許認可の要件と補助金の枠は、逆方向に働くことがある|会社設立の補助金
許認可の要件と補助金の枠の関係

どちらを優先するかは明らかです。許認可がなければ事業そのものができません。会社設立の資本金は、まず許認可の要件を満たす額に置き、そのうえで補助金の枠に収まるかを確かめてください。

会社設立の後に資本金を減らすことはできますが、手続きに費用がかかり、対外的な印象も良くありません。最初の設計で、許認可の要件と補助金の枠の両方を見比べておいてください。

出典小規模事業者持続化補助金(中小企業庁/2026-09-03 確認)

許認可のいらない業種は、時期の自由度が高い

許認可のいらない業種は、時期の自由度が高い|会社設立の補助金と支援
許認可のいらない業種は、時期の自由度が高い

許認可が不要な業種なら、会社設立の時期を自分で決められます。この自由度は、支援を取りにいくうえで大きな武器になります。

たとえば創業期を対象にした補助金の枠。中小企業庁の説明によれば、小規模事業者持続化補助金の創業型は、創業後1年以内の小規模事業者等(創業後、事業開始前の事業者も対象)を対象としています。会社設立の日が起点になるので、時期を選べる業種なら狙って合わせられます。

市区町村の特定創業支援等事業の証明も、時期の問題です。会社設立の1〜3か月前から支援を受けて証明を取れば、登録免許税が半額になります。株式会社なら最低15万円が7万5千円、合同会社なら6万円が3万円です。

許認可に縛られない業種では、この二つを両方取りにいけます。会社設立の日程を決めるとき、支援の締切から逆算するという選択肢を持ってください。

時期を選べるということは、準備に時間をかけられるということでもあります。市区町村の証明を取り、事業計画を練り、融資の相談を済ませてから会社設立の登記をする。この順番で進められる業種は、支援を取りこぼしにくくなります。

出典小規模事業者持続化補助金(創業型)について(中小企業庁/2026-09-03 確認)

業種によって、当てはまりやすい制度が変わる

業種によって、当てはまりやすい制度が変わる|会社設立の補助金と支援
業種によって、当てはまりやすい制度が変わる

許認可の話が済んだら、補助金の話に入れます。業種によって、当てはまりやすい制度は変わります。ただし決めているのは業種そのものではなく、何に投資するかです。

投資の中身と、当てはまりやすい制度
やりたいこと 当てはまりやすい制度
店舗や事務所を知ってもらいたい 小規模事業者持続化補助金(販路開拓)
受注や在庫の管理を仕組み化したい デジタル化・AI導入補助金
機械や設備を入れて生産性を上げたい ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
人を雇い、育てたい キャリアアップ助成金・トライアル雇用助成金
その地域で創業する 自治体の創業補助金・創業助成

表のとおり、業種が違っても投資の中身が同じなら、当てはまる制度は同じです。飲食店でも製造業でも、販路を開きたいなら持続化補助金という具合です。

だから業種別の一覧を探すより、自分が何に投資したいかを一文で言えるようにするほうが早く辿り着けます。会社設立の準備の段階で、ここを固めてください。

ただし、業種によって対象外とされる制度もあります。公募要領には対象外の業種が列挙されていることがあるので、会社設立の事業の目的に照らして確かめてください。

出典デジタル化・AI導入補助金(旧 IT導入補助金)のご案内(中小機構/2026-09-03 確認)

設備の要件がある業種は、費用が先に立つ

設備の要件がある業種は、費用が先に立つ|会社設立の補助金と支援
設備の要件がある業種は、費用が先に立つ

飲食店の厨房設備、美容室の内装、宿泊業の施設。業種によっては、事業を始める前に大きな設備投資が必要です。この支出は、補助金の助けを受けにくい場面が多くあります。

理由は時期です。多くの補助金は、交付決定より前の発注・支払いを対象外としています。会社設立の直後にすぐ設備を入れなければ営業できない業種では、補助金の公募と交付決定を待っていられません。

こうした業種では、創業融資が中心になります。日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金は、新たに事業を始める方や事業開始後おおむね7年以内の方が対象で、融資限度額は7,200万円(うち運転資金4,800万円)、返済期間は設備資金が20年以内、元金の据置期間は5年以内に設定できます。

補助金は、開業してからの追加の投資や、販路開拓に向けるという組み立てが現実的です。会社設立の資金計画では、開業前の設備を融資で、開業後の伸ばす投資を補助金で、と役割を分けてください。

開業前の支出を補助金で賄えないぶん、自己資金と融資の比率が重くなります。会社設立の前に金融機関へ相談し、どのくらい借りられそうかの見当をつけてから、設備の規模を決めてください。

出典新規開業・スタートアップ支援資金(日本政策金融公庫/2026-09-03 確認)

業種ごとの相談先を持っておく

業種ごとの相談先を持っておく|会社設立の補助金と支援
業種ごとの相談先を持っておく

許認可の相談先と、支援の相談先は別です。会社設立の準備では、この二系統をそれぞれ確保しておいてください。

Q. 建設業の許可について聞きたい。

A. 営業所を置く都道府県の担当部局、または国土交通省の地方整備局です。行政書士に依頼する方も多くいます。

Q. 労働者派遣事業の許可について聞きたい。

A. 都道府県労働局です。厚生労働省が手続マニュアルを公表しています。

Q. 許認可が必要かどうか分からない。

A. 事業の内容を市区町村の産業振興の担当課や商工会議所で相談すると、当たるべき窓口を教えてもらえます。

Q. 補助金の相談はどこですか。

A. 商工会議所・商工会、市区町村の産業振興の担当課、各制度の事務局です。許認可の窓口とは分かれています。

Q. 許認可の申請費用は補助金の対象になりますか。

A. 対象外とされるのが一般的です。会社設立の法定費用と同じく、事業を始めるための費用と見られます。

最後の点は覚えておいてください。許認可の申請にかかる費用も、会社設立の登記の費用と同じく、補助金では埋まりません。自己資金と融資で見込んでおく必要があります。

出典労働者派遣事業を適正に実施するために-許可・更新等手続マニュアル-(厚生労働省/2026-09-04 確認)

まとめ|許認可を先に、支援は後に

まとめ|許認可を先に、支援は後に|会社設立の補助金と支援
まとめ|許認可を先に、支援は後に

新規に会社設立をするとき、業種によっては許認可という前提があります。この前提が資本金と時期を決め、その結果として使える支援も決まります。順番を守ってください。

この記事の要点

  • 1許認可の有無を、補助金より先に確かめる
  • 2建設業や労働者派遣事業には、財産的な要件がある
  • 3資本金を上げると、補助金の中小企業者の枠から外れることがある
  • 4許認可が不要な業種は、会社設立の時期を支援に合わせられる
  • 5開業前の設備は融資、開業後の投資は補助金と役割を分ける

この記事は執筆時点で国土交通省や厚生労働省などの公表内容にあたって確認した一般的な整理です。許認可の要件は法令の改正で変わり、細かい判断は事案によります。会社設立を進める前に、必ず所管の窓口と原典でご確認ください。

出典産業競争力強化法に基づく認定を受けた市区町村別の創業支援等事業計画の概要(中小企業庁/2026-09-03 確認)

自分の業種を確かめる方へ

許認可が必要かどうかは、事業の内容によって決まります。似た事業でも、やり方が違えば扱いが変わることもあります。思い込みで進めず、窓口に確かめる。会社設立の設計を決める前にこれをやっておけば、後から資本金を変えたり、目的を追加したりする手間が省けます。分からないときは、市区町村の産業振興の担当課か商工会議所に事業の内容を話してみてください。当たるべき窓口を教えてもらえます。

他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください

会社設立の補助金について調べるときに、あわせて見られているサイトです。掲載の順番は、おすすめの度合いや優劣を示すものではありません。内容は各サイトの運営者にご確認ください。

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