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受けた後の違い|補助金の義務と、助成金の不正受給の扱い

公開 文責 会社設立・設立後の補助金のプロ

この記事を読んでほしい方

補助金や助成金を受けた後に何が求められるかを知りたい方に向けた記事です。もらって終わりではありません。

受け取った後にも決まりがあります。二つで、その形が違います。

受けた後の違い
受けた後の違い

01補助金には、根拠になる法律がある

補助金には、根拠になる法律がある|会社設立の補助金と支援
補助金には、根拠になる法律がある

補助金を受けた後の決まりは、法律に根拠があります。

補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律です。

この法律では、交付の目的に従って誠実に事業を行う義務などが定められています。

もらって終わりの制度ではないということです。

国や自治体のお金を預かって、決められた目的のために使う。そういう位置づけです。

会社設立の直後に補助金を受けるなら、この前提を頭に入れてください。

事業の中身を勝手に変えることもできません。

変更が必要になったら、事前に届け出る形になります。

公募要領には、こうした手続きも書かれています。

会社設立の直後に支援を受けるなら、この責任も一緒に引き受けることになります。額の大きさだけで判断しないでください。

事業を目的どおりに進めるという義務は、当たり前のようでいて重いものです。会社設立の直後は状況が変わりやすく、当初の計画のとおりに進まないこともあります。変更が必要になったら、勝手に進めず先に届け出てください。支援を受けている以上、説明する責任があります。

出典補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(e-Gov法令検索/2026-09-05 確認)

02買ったものを、勝手に処分できない

買ったものを、勝手に処分できない|会社設立の補助金と支援
買ったものを、勝手に処分できない

補助金で買った財産にも、決まりがあります。

補助金で取得した財産は、勝手に処分できないとされています。

つまり、一定の期間そのまま使い続けることが前提だということです。

売る、貸す、廃棄する。こうしたことをするには、手続きが要ります。

会社設立の直後に設備を入れると、その後の身動きが取りにくくなる面があります。

事業の方向を変える可能性があるなら、この縛りも考えてください。

補助金の額と、動きにくさを天秤にかける場面です。

申請の前に、期間と条件を確かめておいてください。

公募要領に書かれています。

会社設立の一年目は方向が変わりやすい時期です。支援で入れた設備が足かせになることもあります。

処分の制限は、財産の種類と金額によって期間が変わることがあります。会社設立の直後に入れる設備なら、何年使い続けることになるかを先に確かめてください。事業の見通しと合わないなら、支援を使わずに買うという選択もあります。

出典補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(e-Gov法令検索/2026-09-05 確認)

03違反すると、返還を求められる

違反すると、返還を求められる|会社設立の補助金と支援
違反すると、返還を求められる

決まりを守らなかった場合の扱いも定められています。

補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律では、交付決定の取消しや、補助金等の返還について定められています。

返還には、加算金や延滞金が付くことがあります。

つまり、受け取った額よりも多く返すことになる場合があるということです。

会社設立の直後にこの事態になると、資金繰りが一気に苦しくなります。

だからこそ、対象になる経費かどうかを申請の前に確かめてください。

分からないまま進めるのが、いちばん危険です。

迷ったら、事務局や窓口に聞いてください。

聞くこと自体は、何も減りません。

会社設立の直後に返還を求められると、資金繰りが崩れます。支援を受ける前に要件を読み込んでください。

返還の話は、悪意がなくても起こり得ます。対象外の経費を入れてしまった、報告の書類が揃わなかった。そうした理由で一部の返還を求められることがあります。会社設立の直後に慌てないよう、経費の線引きは申請の前に確かめてください。

出典補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(e-Gov法令検索/2026-09-05 確認)

04助成金には、共通要領がある

助成金には、共通要領がある|会社設立の補助金と支援
助成金には、共通要領がある

助成金の側は、要領で決まりが定められています。

厚生労働省は、雇用関係助成金を受給するためには共通要領に規定する要件等を満たす必要があるとしています。

共通の要件には、支給または不支給の決定のための審査に必要な書類等を整備・保管していることが含まれます。

あわせて、管轄の労働局等から提出を求められた場合に応じることも必要とされています。

つまり、受け取った後も書類を残しておく義務があるということです。

賃金台帳、出勤簿、労働者名簿。これらは支給の後も保管してください。

会社設立の直後から整えておけば、この段階で慌てません。

雇用関係助成金の支給要領は公開されています。

各助成金の個別の要領もあわせて確かめてください。

会社設立の直後から記録を残しておけば、支援の報告で困りません。後から作った書類は通りません。

書類の保管の期間も定められています。会社設立の直後に電子で受け取った請求書や領収書は、電子帳簿保存法の要件にも沿って残す必要があります。支援の報告と税の両方で使う記録なので、まとめて仕組みを作ってください。

出典雇用関係助成金の申請にあたって(厚生労働省/2026-09-09 確認)

05不正受給は、3年間の重い扱い

不正受給は、3年間の重い扱い|会社設立の補助金と支援
不正受給は、3年間の重い扱い

助成金には、不正受給についての定めがあります。

不正受給とは、偽りその他不正の行為により、本来受けることのできない助成金の支給を受けることを指すとされています。

不正受給があった場合、支給前なら不支給となり、支給後に発覚した場合は返還が必要になります。

さらに、支給前でも支給後でも、不正受給の処分決定日から起算して3年間は、その事業所に対して雇用関係助成金が支給されないとされています。

つまり、一度の不正で三年間すべての助成金が使えなくなるということです。

会社設立の直後にこれをやると、その後の支援の道がふさがります。

また、不正受給をしてから3年以内に支給申請をした事業主は支給されないとされています。

意図的でなくても、事実と違う書類を出せば同じ扱いになり得ます。

分からないことは、必ず窓口で確かめてください。

会社設立の直後にこの処分を受けると、三年間は雇用の支援が使えません。影響が長く残ります。

三年間という期間は、会社設立からの数年とほぼ重なります。創業期にいちばん支援が要る時期に、その道がふさがるということです。書類を作るときは、事実のとおりに書いてください。分からない点は書く前に聞いてください。

出典雇用関係助成金の申請にあたって(厚生労働省/2026-09-09 確認)

06支給されない条件も、決まっている

支給されない条件も、決まっている|会社設立の補助金と支援
支給されない条件も、決まっている

助成金には、そもそも支給されない条件も定められています。

支給申請日の属する年度の前年度より前のいずれかの保険年度の労働保険料を納入していない事業主は、支給されないとされています。

また、支給申請日の前日から起算して1年前の日から支給申請日の前日までの間に労働関係法令の違反があった場合も、支給されないとされています。

つまり、日々の事務や労務が支給の前提になっているということです。

会社設立の直後は、労働保険の納付を忘れがちです。

労働者を1人でも雇用したら労働保険の適用事業となり、保険関係が成立した日の翌日から10日以内に保険関係成立届を提出することとされています。

あわせて、労働保険料の申告と納付も必要です。

ここを飛ばすと、後で助成金が使えなくなります。

事務は、支援を受けるための土台です。

会社設立の後の事務は、支援を受けるための土台です。省かないでください。

労働関係法令の違反という項目には、労働時間や賃金の未払いなども含まれ得ます。会社設立の直後に人を雇うなら、就業規則と賃金の規程を整えてからにしてください。支援の可否に直結します。

出典雇用関係助成金の申請にあたって(厚生労働省/2026-09-09 確認)

07税の扱いも、確かめておく

税の扱いも、確かめておく|会社設立の補助金と支援
税の扱いも、確かめておく

受け取った後の話として、税の扱いもあります。

補助金や助成金は、原則として法人の収益に計上することになります。

つまり、その分だけ利益が増え、法人税等の対象になり得るということです。

返さなくてよいお金だからといって、まるごと手元に残るわけではありません。

会社設立の資金計画では、この点も見込んでください。

圧縮記帳など、税の負担を調整する仕組みが使える場合もあります。

扱いは制度と内容によって変わるので、税理士に確かめてください。

法人設立届出書は、設立の日以後2か月以内に税務署へ提出することとされています。

会社設立の直後から、税の相談先を持っておくと安心です。

会社設立の初年度の決算では、支援の扱いも含めて税理士に見てもらってください。

補助金を受けた年度は、思ったより利益が出ることがあります。会社設立の初年度に納税の資金を用意していないと、翌年に困ります。支援を受けたら、その分の税も見込んでください。

出典C1-4 内国普通法人等の設立の届出(国税庁/2026-09-03 確認)

08受ける前に確かめること

受ける前に確かめること|会社設立の補助金と支援
受ける前に確かめること

補助金や助成金を受ける前に、次を確かめてください。

  1. 事業の内容を変えられなくなる範囲を、要領で確かめる
  2. 補助金で買う財産の処分の制限と、その期間を見る
  3. 実績の報告で求められる書類を、先にリストにする
  4. 労働保険料の納付と、労働関係法令の順守の状況を確かめる
  5. 受け取った額の税の扱いを、税理士に相談する

厚生労働省は雇用関係助成金の支給要領を公開しています。助成金を使うなら、共通要領から読んでください。

Q. もらったら終わりですか。

A. どちらも受けた後に義務があります。書類の保管や報告が求められます。

Q. 買ったものは売れますか。

A. 補助金で取得した財産は勝手に処分できないとされています。

Q. 返還を求められることはありますか。

A. あります。加算金や延滞金が付くこともあります。

Q. 不正受給の扱いは。

A. 処分決定日から3年間、雇用関係助成金が支給されないとされています。

Q. 税金はかかりますか。

A. 原則として収益に計上します。扱いは税理士に確かめてください。

この五つのうち、三番目を先にやってください。会社設立の直後に必要な書類が分かれば、日々の記録の付け方も決まります。

出典雇用関係助成金支給要領(厚生労働省/2026-09-09 確認)

09まとめ|受けた後も、続く

まとめ|受けた後も、続く|会社設立の補助金と支援
まとめ|受けた後も、続く

補助金も助成金も、受け取った後に決まりが残ります。

この記事の要点

  • 1補助金には適正化法という根拠があり、交付の目的に従って誠実に事業を行う義務がある
  • 2補助金で取得した財産は、勝手に処分できない
  • 3違反すると交付決定の取消しや返還となり、加算金や延滞金が付くことがある
  • 4助成金は共通要領で、審査に必要な書類の整備・保管が求められる
  • 5不正受給は処分決定日から3年間、雇用関係助成金が支給されなくなる

制度を横断して探すなら、J-Net21のような支援情報のサイトも使えます。会社設立の準備のうちに一度見ておいてください。

この記事は2026年9月時点で厚生労働省と国税庁の公表内容、および補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律の内容にあたって確認したものです。要件は変わります。申し込む前に、必ず所管の要領でご確認ください。

出典J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト(中小機構/2026-09-03 確認)

申請書を出す前の方へ

補助金や助成金の申請書を書いていると、通ることばかりを考えます。ですが、受け取った後にも義務が続きます。書類を残すこと、買ったものを勝手に処分しないこと、事業を目的どおりに進めること。守れなければ、返還を求められることもあります。会社設立の直後にその事態は避けたいはずです。申請の前に、受けた後のことも読んでおいてください。

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