会社設立費用は頼む相手で変わる|自分でやる・専門家に頼むの分かれ目
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会社設立を自分でやるか、頼むかで迷っている方に向けた記事です。金額と時間の話です。
法定費用は誰がやっても同じです。変わるのは、その外側だけです。

法定費用は、誰がやっても同じ

会社設立の見積書を比べるとき、最初に押さえるべき点があります。
法定費用は、誰が手続きをしても同じ額だということです。
設立の登記の登録免許税は、法令で決まっています。
株式会社なら資本金の0.7パーセントと15万円のうち高いほう、合同会社なら6万円が下限です。
自分で申請しても、司法書士に頼んでも、この額は変わりません。
市区町村の特定創業支援等事業の証明を受けていれば、この税率が軽減されます。
つまり、会社設立費用を下げる最も確実な手は、頼む相手を変えることではなく、証明を取ることです。
ここを知らずに、報酬の数万円だけを比べている方が多くいます。
効き目の大きい順に手を打ってください。
証明を取るには、市区町村の講座を受ける必要があります。数か月かかるので、会社設立の予定を決める前に問い合わせてください。補助金の創業型を狙うときにも、この証明が前提になります。一手で二つ効くということです。
軽減の額は、資本金によって変わります。資本金が大きいほど登録免許税も大きくなるので、半分になったときの差も広がります。会社設立の設計と支援の効き方は、ここでつながっています。
出典:産業競争力強化法、経済産業省関係産業競争力強化法施行規則(中小企業庁/2026-09-03 確認)
自分でやる場合に、何をするか

自分で会社設立をする場合、何をするのかを見ておきます。
定款を作り、公証人の認証を受け、資本金を払い込み、登記の申請書を作って法務局へ出す。
大きくはこの流れです。
法務局は、商業・法人登記の申請書の様式を公開しています。
株式会社の発起設立についても、取締役会を設置する場合としない場合で様式が分かれています。
つまり、型は手に入るということです。
必要な添付書類も、様式のページに整理されています。
会社設立の形が典型的であれば、自分で進められる余地は十分にあります。
時間はかかりますが、報酬はかかりません。
自分で進める場合でも、分からないところだけを窓口で聞くことはできます。商工会議所や商工会でも、会社設立の相談を受け付けています。補助金の申請でいずれ関わる相手なので、この段階で顔を出しておくと後が早くなります。
つまずきやすいのは、定款の内容を自分で決める部分です。事業目的をどう書くか、機関設計をどうするか。様式は手に入っても、中身は自分で考えることになります。ここで悩む時間が長いなら、頼んだほうが早いという判断もあります。
出典:商業・法人登記の申請書様式(法務局/2026-09-03 確認)
紙の定款だと、4万円が乗る

自分でやる場合に、注意すべき点があります。
定款を紙で作ると、印紙税がかかります。
電子定款にすれば、この負担は生じません。
ただし、電子定款を作るには電子署名の環境が要ります。
一度きりの会社設立のために環境を整えると、かえって高くつくことがあります。
専門家に頼むと、電子定款で進めてくれるのが通例です。
つまり、報酬を払っても印紙税の分が浮くので、差が縮まります。
定款は公証人の認証を受けなければ効力を生じないとされています。
認証の手続きそのものは、どちらの形でも必要です。
紙か電子かで動く金額を、先に確かめてください。
合同会社を選ぶと、定款の認証そのものが不要になります。会社設立費用の考え方が変わるので、形を決める段階から比べてください。補助金の対象という点では、株式会社と合同会社で差は付きません。
印紙税は、定款を紙で作って公証役場に持ち込んだときにかかるものです。電子で作れば、この負担そのものが生じません。会社設立費用の中で、判断ひとつで消える数少ない項目です。
出典:定款認証(日本公証人連合会/2026-09-03 確認)
誰に頼めるのかを、整理する

会社設立に関わる専門家は、一つではありません。
登記の申請の代理は、司法書士の業務です。
日本司法書士会連合会があり、各地に会があります。
定款の作成は行政書士も扱います。
税務の届出や決算は税理士です。
社会保険や雇用の手続きは社会保険労務士です。
会社設立を一つの窓口で頼めるように見えるサービスもありますが、実際には資格ごとに分担されています。
どこまでを誰がやるのかを、見積書の段階で確かめてください。
範囲が違えば、金額を比べても意味がありません。
会社設立の後に補助金の支援を受けるつもりなら、税理士との関係は早めに作っておいたほうが有利です。決算をまたぐ補助事業では、処理の判断が要ります。
どこまで頼むかは、会社設立の後の体制にもよります。経理を自分でやるつもりなら税理士は決算だけ、人を雇うなら社会保険労務士も要る、という形で決まってきます。
一括で請け負う形に見えても、実際には提携する事務所へ回っていることがあります。誰が担当するのかを聞いておくと、後の連絡がはっきりします。会社設立の後も付き合う相手なので、そこは確かめてください。
出典:日本司法書士会連合会(日本司法書士会連合会/2026-09-08 確認)
無料をうたうサービスの仕組み

会社設立の代行で、手数料無料をうたうサービスがあります。
これは、その後の顧問契約を前提としている場合があります。
会社設立の時点では安く見えても、月額で回収される形です。
それ自体が悪いわけではありません。
税理士との関係は、どのみち会社設立の後に必要になるからです。
問題は、契約の全体像を見ずに決めてしまうことです。
補助金の分野でも、公募要領には提供するサービスの内容と乖離した高額なアドバイス料金を請求される業者への注意が書かれています。
会社設立の周辺でも、同じ注意が要ります。
何年でいくらになるかを、紙に書いて比べてください。
会社設立の直後は判断が甘くなりがちです。手続きが終わった安心感で、内容を確かめずに契約してしまう。補助金の分野でも同じことが起きています。急がずに読んでください。
会社設立の代行と、その後の顧問を同じ相手に頼むこと自体は合理的です。会社の事情を知っている相手のほうが、決算も補助金の相談も早く進みます。問題は、比べずに決めてしまうことです。
出典:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第19回公募 公募要領(小規模事業者持続化補助金事務局/2026-09-05 確認)
時間を、金額に換算してみる

自分でやるか頼むかは、金額だけでは決まりません。
自分でやれば、その分の時間を使います。
定款を調べ、様式を読み、公証役場と法務局に足を運ぶ。
慣れていなければ、数日から数週間かかることもあります。
その時間を営業や仕入れに使えば、別の成果が出たかもしれません。
会社設立の直後にやることは、ほかにも山ほどあります。
よろず支援拠点では、こうした判断の相談も無料で受けられます。回数の定めは設けられていません。
時間の使い道を、金額と並べて考えてください。
どちらが正解ということはありません。
よろず支援拠点は、補助金の相談でも使える窓口です。会社設立の段階で一度使っておくと、後の支援の相談も持ち込みやすくなります。
会社設立の手続きは、一度やれば覚えられます。二社目を作る予定があるなら、一社目を自分でやる意味も出てきます。そこまで含めて判断してください。
出典:よろず支援拠点(中小機構 よろず支援拠点全国本部/2026-09-05 確認)
頼むと決めたときに、確かめること

専門家に頼むと決めたら、次を確かめてください。
- 報酬に含まれる範囲(定款の作成・認証・登記の申請・その後の届出)
- 法定費用は別建てか、込みか
- 電子定款で進めるか(印紙税4万円の有無)
- 登記事項証明書を何通取ってもらえるか
- 会社設立の後の顧問契約が前提になっていないか
法務局は商業・法人登記についてのよくある質問を公開しています。頼む前に一度目を通すと、質問の精度が上がります。
Q. 自分でやるといくら安くなりますか。
A. 報酬の分だけです。ただし紙の定款だと印紙税が乗るため、差は縮まります。
Q. 登記の代理は誰に頼みますか。
A. 登記の申請の代理は司法書士の業務です。
Q. 手数料無料の代行はお得ですか。
A. 顧問契約が前提の場合があります。何年でいくらになるかを確かめてください。
Q. 法定費用は交渉できますか。
A. できません。法令で決まっています。下げるなら証明による軽減です。
Q. どこに相談すればいいですか。
A. よろず支援拠点は無料で、回数の定めもありません。判断の相談に使えます。
登記事項証明書は、会社設立の後の補助金や融資の申請で何度も求められます。まとめて取っておくと、そのつど法務局へ行く手間が省けます。
見積書に書かれていない費用があとから出ることもあります。証明書の取得実費、郵送料、交通費など、小さな項目です。総額を確かめるときに、あわせて聞いてください。
出典:よくあるご質問等<商業・法人登記関係>(法務局/2026-09-03 確認)
下がった分を、どこに回すか

会社設立費用を抑えることは、目的ではありません。
浮いたお金を、事業のどこに回すかが本題です。
補助金は、会社設立の後の販路開拓や設備の投資に対して出るものが中心です。
小規模事業者持続化補助金の創業型も、販路開拓の取組を支援する制度です。
どちらも後払いなので、いったん自分で払う必要があります。
つまり、会社設立の時点で手元を厚くしておくことに意味があります。
数万円の報酬を削るより、証明を取って登録免許税を半分にするほうが効きます。
優先順位を間違えないでください。
会社設立の支援は、順番で効き方が変わります。
会社設立費用を切り詰めすぎて、必要な備品や広告に回すお金がなくなるのは本末転倒です。補助金は後払いなので、手元の資金が事業の速度を決めます。
会社設立の直後に手元が薄いと、選べる打ち手が減ります。広告を出せない、人を雇えない、在庫を持てない。費用を抑える目的は、そこを避けるためです。
出典:小規模事業者持続化補助金(創業型)について(中小企業庁/2026-09-03 確認)
まとめ|変わらない部分から先に手を打つ

会社設立費用のうち、頼む相手で変わるのは一部です。
この記事の要点
- 1登録免許税や認証の手数料は、誰がやっても同じ額
- 2確実に下げるなら、特定創業支援等事業の証明で登録免許税の軽減を受ける
- 3紙の定款だと印紙税が乗る。専門家に頼むと電子定款で進むのが通例
- 4登記の申請の代理は司法書士の業務。範囲を揃えてから見積書を比べる
- 5無料をうたう代行は、顧問契約が前提の場合がある
会社設立費用は、一度きりの支出です。そこに時間をかけすぎると、事業の立ち上がりが遅れます。決め方の軸を先に持っておいてください。
支援の情報は、J-Net21のようなサイトからも探せます。会社設立の前後で一度見ておいてください。
この記事は2026年9月時点で法務局、日本公証人連合会、中小企業庁の公表内容にあたって確認した内容です。報酬は事務所ごとに異なります。必ず見積書でご確認ください。
出典:J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト(中小機構/2026-09-03 確認)
見積書を三社から取った方へ
会社設立の見積書を並べると、総額の差に目が行きます。ただ、その差の多くは報酬の部分です。法定費用は、どこに頼んでも同じ額が並んでいるはずです。比べるべきは、含まれている範囲です。定款の作成だけか、認証と登記まで含むのか、会社設立の後の届出まで見てくれるのか。範囲を揃えてから、もう一度並べてみてください。
他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください
会社設立の補助金について調べるときに、あわせて見られているサイトです。掲載の順番は、おすすめの度合いや優劣を示すものではありません。内容は各サイトの運営者にご確認ください。
- freee|会社設立の手続きを司法書士へ依頼するには
会社設立で司法書士に委託できる範囲と費用の考え方をまとめたページ。
- マネーフォワード クラウド会社設立|司法書士に依頼する費用の比較
合同会社と株式会社で、設立を司法書士に依頼した場合の費用を比べた記事。
- タケバ会計事務所|合同会社の会社設立ガイド
合同会社の設立手順と必要書類を、費用の内訳とあわせて説明しています。
- いえらぶ|不動産会社設立の流れと必要な費用
不動産会社の設立の流れと費用を、補助金や設立後の要点まで含めて解説しています。
- 司法書士おおざわ事務所|会社設立の費用・税金を半額にする方法
証明書の取得から登記までを、司法書士の立場でまとめています。
- リープアル|人材派遣会社の設立方法|許可の資産要件と費用・期間
許可の資産要件と設立の費用、かかる期間を税理士が解説しています。
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株式会社との違いを、費用と運営の両面から比べています。
- マネーフォワード|東京都で会社設立するには?費用や流れ、助成金
東京での会社設立の費用と流れを、支援制度とあわせて説明しています。
- RSM汐留パートナーズ司法書士法人|株式会社の定款認証に係る公証人手数料の一部改定
定款認証の手数料が改定された点を、司法書士の視点で整理しています。
- 創業手帳|合同会社の設立方法を徹底解説
合同会社の費用・手続き・必要書類を、創業期の目線でまとめています。
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