外国人の会社設立を支える窓口の使い分け|どこに何を聞けば早いか
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外国籍の方の会社設立で、誰に何を聞けばいいのか分からず調べ疲れている方に向けた記事です。日本では、在留資格・登記・税務・補助金がそれぞれ別の役所と団体に分かれています。一つの窓口で全部が解決することはありません。担当の分かれ方を先に知っておくと、たらい回しが減ります。
会社設立の相談先は、日本人にとっても分かりにくいものです。外国籍の方はそこに言語の壁が重なります。ただ、担当の分かれ方には法則があります。この記事では、聞きたいことごとに行き先を整理します。

在留資格のことは、出入国在留管理庁が担当

在留資格に関する判断は、出入国在留管理庁の所管です。会社設立の相談で税理士や司法書士に会っても、在留資格の可否について確定的な答えは返ってきません。ここは分けて考えてください。
出入国在留管理庁が運営する外国人在留支援センターでは、在留資格の変更や更新について相談できる窓口が設けられています。8つの相談窓口が一つのフロアに集まっており、関係する機関が在留資格の変更・更新や法的なトラブルの相談に応じる形になっています。
受付には日本語・英語・中国語を話せる職員がおり、タブレットを使って多言語で案内する仕組みも用意されています。会社設立の計画を持って相談に行くときは、事業の内容、資本金の見込み、事業所の場所をまとめた紙を用意しておくと話が早く進みます。
相談に行くときは、時系列を紙に書いて持っていくと話が早く進みます。いつ来日したか、いまの在留資格と期限はいつまでか、会社設立をいつ予定しているか。この三つが分かれば、担当者は次に確かめるべきことを絞れます。口頭だけで説明すると、双方の理解がずれやすくなります。
予約が必要な窓口もあります。会社設立の予定日が迫ってから連絡すると、相談の枠が取れないことがあります。少なくとも一か月前には一度目の連絡を入れておいてください。
出典:外国人在留支援センター(FRESC/フレスク)(出入国在留管理庁/2026-09-03 確認)
拠点設立の全体像は、ジェトロで確かめる

日本での拠点の設け方そのものを知りたいときは、ジェトロの対日投資の情報が使えます。会社設立の手続きに関する資料が公開されており、登記の流れや必要な書類が整理されています。
ジェトロは、外国・外資系企業への支援サービスとして、東京・横浜・名古屋・大阪・神戸・福岡に対日投資の相談拠点を設けています。専門の担当者や専門家が、対日投資に関する情報提供と個別の相談に応じる体制です。
ここで確かめられるのは、あくまで拠点設立の一般的な手続きです。個別の在留資格の可否や、特定の補助金の採否については、それぞれの所管に聞くことになります。担当の範囲を理解して使うと、有効な相談ができます。
- 会社設立の手続きの流れを、公的な資料で確認したいとき
- 支店と子会社など、拠点の形の違いを知りたいとき
- 日本での事業展開について、対日投資の観点から相談したいとき
- 多言語の資料が必要なとき
会社設立の形を決めるときにも、この情報は役立ちます。日本で事業をおこなう形には、株式会社や合同会社のほかに支店という選択肢もあります。それぞれ手続きと費用が違い、在留資格との関係も変わります。公的な資料で全体像を押さえてから、自社に合う形を選んでください。
出典:日本での拠点設立方法(対日投資)(日本貿易振興機構(ジェトロ)/2026-09-03 確認)
登記のことは、法務局と司法書士

会社設立の登記は法務局が窓口です。申請書の様式や添付書類は法務局が公表しており、記載例も用意されています。自分で申請することもできますが、書式が細かく決まっているため、不備で差し戻されることがあります。
外国籍の方の場合、印鑑証明書に代わるサイン証明の扱いや、本国の書類の訳文など、確認すべき点が増えます。管轄の法務局に事前に相談するか、司法書士に依頼するほうが確実です。
費用の面では、株式会社の登録免許税が最低15万円、合同会社が最低6万円です。市区町村の特定創業支援等事業の証明を受けていれば、それぞれ7万5千円と3万円に下がります。この証明は会社設立の前に取るものなので、登記の相談と並行して市区町村にも当たってください。

会社設立の登記が完了すると、登記事項証明書を取得できるようになります。この書類は、法人名義の口座の開設、在留資格の申請、補助金の申請など、あらゆる場面で求められます。登記が終わったら、まず複数通取得しておくと手戻りが減ります。
なお、株式会社の場合は定款の認証も必要です。公証役場が窓口になり、認証手数料は資本金の額等が100万円未満で3万円です。合同会社なら定款の認証は不要なので、この手続き自体がありません。
出典:商業・法人登記申請手続(法務局/2026-09-03 確認)
地域の支援は、市区町村の担当課が入口

自治体の創業支援は、市区町村の産業振興の担当課が窓口です。名称は自治体によって違いますが、電話で「創業支援について聞きたい」と言えばつないでもらえます。
ここで確かめられるのは三つあります。特定創業支援等事業の証明が取れるか、市区町村独自の創業補助金があるか、都道府県の制度と併用できるか。会社設立の場所が決まっているなら、まずここに電話するのがいちばん早い方法です。
創業支援等事業計画の認定を受けている市区町村は、中小企業庁が一覧で公表しています。会社設立の本店を置く予定の市区町村が入っているかを、先に確かめておくと話が早くなります。

外国籍の方向けの対応は自治体によって差があります。多言語の窓口を持つところもあれば、日本語のみのところもあります。事前に電話で確かめてから訪問すると、無駄足になりません。
会社設立の場所をまだ決めていないなら、候補となる市区町村を二つか三つ挙げて、それぞれに問い合わせてみてください。同じ都道府県でも支援の厚みはかなり違います。事業所の家賃と、受けられる支援の額を並べて比べると、判断の材料になります。
出典:産業競争力強化法に基づく認定を受けた市区町村別の創業支援等事業計画の概要(中小企業庁/2026-09-03 確認)
補助金の相談は、商工会議所・商工会と事務局

補助金そのものの相談は、地域の商工会議所・商工会が入口になります。小規模事業者持続化補助金では、商工会議所・商工会への相談と計画書の確認が申請の前提になっているため、避けて通れません。
担当者はその地域で何本もの計画書を見ています。読んで意味が通らないところ、根拠が足りないところを指摘してもらえます。会社設立の直後で、社内に相談相手がいない時期には特にありがたい仕組みです。
制度そのものの細かい要件については、各補助金の事務局が問い合わせ先になります。公募要領に電話番号や問い合わせフォームが記載されています。曖昧なまま申請して減額されるより、先に聞くほうが早く進みます。
- 計画書の中身の相談 → 商工会議所・商工会
- 制度の要件の確認 → 各補助金の事務局
- 電子申請の操作 → Jグランツのヘルプ、事務局
- その地域の制度 → 市区町村の産業振興の担当課
締切の直前は混む
商工会議所の相談は締切前に混み合います。会社設立の直後で日程の自由が利かない時期こそ、締切の1か月前には一度目の相談をしておいてください。確認に時間がかかる前提で動くのが安全です。
会員でなくても相談できる商工会議所は多くありますが、継続的に支援を受けたい場合は入会を検討する価値があります。会費はかかりますが、会社設立の直後に相談相手ができる意味は小さくありません。地域の事業者とのつながりも生まれます。
出典:小規模事業者持続化補助金について(中小企業庁/2026-09-03 確認)
お金のことは、金融機関と公庫

資金の相談は、日本政策金融公庫と地域の金融機関です。補助金は後払いなので、会社設立の直後の資金は融資と自己資金で組み立てることになります。
日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金は、新たに事業を始める方や事業開始後おおむね7年以内の方が対象です。融資限度額は7,200万円(うち運転資金4,800万円)、返済期間は設備資金が20年以内、運転資金が10年以内、元金の据置期間は5年以内に設定できます。
外国籍であることが直接の条件になっているわけではありませんが、日本国内での事業と返済の見通しが問われます。事業計画書と、資金の出どころを説明できる資料を持って相談してください。
また、法人名義の口座の開設も金融機関の話です。会社設立の直後は開設に時間がかかることがあり、補助金の入金先としても必要になります。登記が済んだらすぐ動いてください。
融資の相談には、事業計画書と資金繰り表を持っていきます。この二つは、在留資格の申請でも補助金の申請でも土台になる資料です。会社設立の準備の早い段階で一度作っておけば、あとは場面ごとに整えるだけで済みます。
出典:新規開業・スタートアップ支援資金(日本政策金融公庫/2026-09-03 確認)
窓口ごとの担当を、一枚にまとめる

ここまでの内容を一枚にまとめます。会社設立の準備で迷ったときは、この表に戻ってください。
| 聞きたいこと | 行き先 | 費用 |
|---|---|---|
| 在留資格の変更・更新 | 出入国在留管理庁、外国人在留支援センター | 無料 |
| 日本での拠点設立の方法 | ジェトロの対日投資の窓口 | 無料 |
| 会社設立の登記の手続き | 法務局 | 無料(司法書士に依頼すれば報酬) |
| 地域の創業支援・証明 | 市区町村の産業振興の担当課 | 無料 |
| 補助金の計画書の相談 | 商工会議所・商工会 | 無料(会員制度あり) |
| 補助金の要件の確認 | 各補助金の事務局 | 無料 |
| 創業融資 | 日本政策金融公庫、地域の金融機関 | 無料(相談) |
| 税務の届出 | 税務署、税理士 | 無料(税理士に依頼すれば報酬) |
表を見て分かるとおり、相談そのものは無料の窓口がほとんどです。会社設立の準備で費用がかさむ時期だからこそ、無料で使えるものは使い切ってください。
Q. 一つの窓口で全部聞けませんか。
A. 日本では担当が分かれているため、一つでは完結しません。ただ、どの窓口も適切な行き先を教えてくれます。
Q. 日本語に不安があります。
A. 外国人在留支援センターやジェトロには多言語の対応があります。自治体や商工会議所は日本語が中心なので、同席してもらえる方を探すと確実です。
Q. 専門家に頼むと費用はどれくらいですか。
A. 依頼する内容と地域によって幅があります。まず無料の窓口で全体像をつかんでから、どこを依頼するか決めると無駄がありません。
出典:外国・外資系企業への支援サービス(日本貿易振興機構(ジェトロ)/2026-09-03 確認)
まとめ|担当の分かれ方を知れば、遠回りが減る

外国籍の方の会社設立は、確かめることが多く、しかも担当が分かれています。ただ、分かれ方には法則があります。在留資格、拠点設立、登記、地域の支援、補助金、資金。この順に当たっていけば、答えは出ます。
この記事の要点
- 1在留資格は出入国在留管理庁。他の窓口では確定的な答えは出ない
- 2拠点設立の全体像はジェトロ。多言語の資料と相談拠点がある
- 3登記は法務局。外国籍の場合は司法書士に確認してもらうと確実
- 4地域の支援は市区町村の産業振興の担当課が入口
- 5補助金の計画書は商工会議所・商工会、要件は各事務局へ
この記事は執筆時点で各機関の公表資料にあたって確認した内容です。窓口の名称や相談の体制は変わることがあります。会社設立の準備を始める前に、各機関の最新の案内をご確認ください。
出典:在留資格「経営・管理」(出入国在留管理庁/2026-09-03 確認)
調べ疲れている方へ
日本の制度は担当が細かく分かれていて、外から見ると分かりにくいと思います。ただ、それぞれの窓口は自分の担当については丁寧に答えてくれます。会社設立の準備で行き詰まったら、一人で調べ続けるより、まず電話をかけてみてください。担当が違えば、正しい行き先を教えてくれます。無料で使える窓口が多いのは、日本の支援の仕組みの良いところです。
他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください
会社設立の補助金について調べるときに、あわせて見られているサイトです。掲載の順番は、おすすめの度合いや優劣を示すものではありません。内容は各サイトの運営者にご確認ください。
- 法テラス|外国人在留支援センター(FRESC)での業務について
在留資格や生活の法的なトラブルについて、相談できる窓口を案内しています。
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