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合同会社を設立した後に狙う補助金|形で不利にならない理由と使いどころ

公開 文責 会社設立・設立後の補助金のプロ

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合同会社での会社設立を終えて、これから補助金を狙う方に向けた記事です。「合同会社だと不利になるのでは」という不安をよく聞きますが、補助金の対象は会社の形では決まりません。何で決まるのかを確かめたうえで、合同会社ならではの使いどころを整理します。

合同会社は入口の費用が軽い形です。その軽さは、補助金の申請でも活きてきます。浮いた費用を立て替えに回せるからです。まずは対象の決まり方から確認します。

補助金の対象を決める要素
補助金の対象を決めているものと決めていないもの

補助金の対象は、資本金と従業員数で決まる

補助金の対象は、資本金と従業員数で決まる|会社設立の補助金と支援
補助金の対象は、資本金と従業員数で決まる

国の補助金の多くは、対象を「中小企業者」や「小規模事業者」と定めています。この線引きに使われるのは、資本金の額、常時使用する従業員の数、そして業種です。

会社設立のときに株式会社を選んだか合同会社を選んだかは、原則として関係ありません。合同会社だから通りにくい、ということは基本的にありません。

ただし、法人であることを条件にする制度はあります。この場合、株式会社でも合同会社でも構いませんが、個人事業のままでは対象外です。会社設立をしたこと自体が、支援の入口を広げていると言えます。

資本金を大きくしすぎると、中小企業者の枠から外れることがあります。合同会社の登録免許税は資本金の0.7%と6万円の高いほうなので、費用の面でも大きくする理由は限られます。

業種によって基準の額は違います。製造業と卸売業、小売業、サービス業では線が別々に引かれています。会社設立のときに定めた事業の目的と、実際にやっている事業のどちらで判断されるかも制度によります。迷ったら事務局に確かめてください。

小規模事業者を対象にする制度では、従業員数のほうが主な基準になります。合同会社で小さく会社設立をした場合、この枠に収まりやすいという利点があります。

出典小規模事業者持続化補助金(中小企業庁/2026-09-03 確認)

申請書での違いは、呼び方だけ

申請書での違いは、呼び方だけ|会社設立の補助金と支援
申請書での違いは、呼び方だけ

実際に補助金を申請するとき、合同会社であることはどこに出てくるのでしょうか。ほとんどは事実の記載としてで、評価には関わりません。

役員の情報を書く欄では、「代表取締役」ではなく「代表社員」と書きます。登記事項証明書のとおりに書き写せばよいだけで、内容の違いではありません。

  • 申請者の基本情報(商号・所在地・法人番号)
  • 添付する登記事項証明書(会社設立の事実の確認に使われます)
  • 決算書(会社設立の直後で決算未了なら、その旨を記載します)
  • 役員の情報(合同会社では代表社員・業務執行社員と表記します)

会社設立から一度も決算を迎えていなければ、決算書は出せません。多くの制度では、決算未了の場合の代替書類が公募要領に書かれています。事業計画書や資金繰り表で代えることが一般的です。

対象外だと早合点せず、公募要領の「提出書類」の項を確かめてください。会社設立の直後という状態は、制度側も想定しています。

法人番号は会社設立の登記後に指定され、国税庁の法人番号公表サイトで確認できます。申請書に記入する場面があるので、登記が済んだ時点で控えておくと直前に慌てずに済みます。

出典Jグランツ ネットで簡単!補助金申請(デジタル庁/2026-09-03 確認)

会社設立の直後に取りかかりやすいのは、販路開拓

会社設立の直後に取りかかりやすいのは、販路開拓|会社設立の補助金と支援
会社設立の直後に取りかかりやすいのは、販路開拓

合同会社の会社設立を終えて最初に狙うなら、小規模事業者持続化補助金が取りかかりやすい制度です。地域の雇用や産業を支える小規模事業者等の生産性向上と持続的発展を図ることを目的とし、自ら策定した経営計画にもとづく販路開拓等の取組を支援するものです。

申請にあたっては、地域の商工会議所・商工会への相談と計画書の確認が必須とされています。手続きが一段増えますが、提出前に第三者に読んでもらえる機会でもあります。一人で会社設立をした方には、特にありがたい仕組みです。

創業まもない時期を対象にした創業型もあります。中小企業庁の説明によれば、創業後1年以内の小規模事業者等(創業後、事業開始前の事業者も対象)を対象としています。会社設立の日が要件そのものになる枠です。

補助上限額と補助率は公募回ごとに定められています。年度や回によって変わるため、狙うと決めたら必ず最新の公募要領で確かめてください。

計画書を書くときは、審査の観点に沿って書くことが何より効きます。公募要領には何を評価するかが書かれているので、そこに並んだ言葉を自分の計画のどこで受けるかを決めてから書き始めてください。会社設立の直後で実績が少なくても、筋道が通っていれば評価されます。

出典小規模事業者持続化補助金について(中小企業庁/2026-09-03 確認)

入口が軽いぶん、立て替えに回せる

入口が軽いぶん、立て替えに回せる|会社設立の補助金と支援
入口が軽いぶん、立て替えに回せる

合同会社の会社設立が株式会社より軽いことは、補助金の場面で意外な形で効いてきます。浮いた費用を、補助金の立て替えに回せるからです。

補助金は後払いです。事業費の全額をいったん自社で払い、実績を報告して確認が済んでから、補助率の分だけ戻ります。会社設立の直後にこの立て替えができるかどうかが、実際の可否を分けます。

合同会社なら、定款の認証が不要で、登録免許税の最低額も6万円です。市区町村の証明を受ければ3万円になります。株式会社との差は法定費用で9万円ほど。この分を立て替えの資金として持っておけます。

立て替えの考え方(補助率3分の2の場合)|会社設立の補助金
立て替える額と後から戻る額の関係

金額としては大きくありませんが、会社設立の直後の手元資金が薄い時期には効きます。無理のない規模で申請するという判断もしやすくなります。

立て替えの資金をどこから出すかも、あらかじめ決めておいてください。自己資金を取り崩すのか、融資の枠を残しておくのか。日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金は、新たに事業を始める方や事業開始後おおむね7年以内の方が対象で、元金の据置期間は5年以内に設定できます。

出典産業競争力強化法、経済産業省関係産業競争力強化法施行規則(中小企業庁/2026-09-03 確認)

設備やシステムへの投資は、規模で選ぶ

設備やシステムへの投資は、規模で選ぶ|会社設立の補助金と支援
設備やシステムへの投資は、規模で選ぶ

事業が動き始めて、設備や業務システムに投資したくなったら、制度の選択肢が広がります。ただ、金額が大きくなるほど立て替えの負担も増えます。

業務の仕組みをシステムに載せるなら、デジタル化・AI導入補助金が当てはまります。旧IT導入補助金の名称で覚えている方も多い制度です。登録されたIT導入支援事業者と申請者が協議を重ね、共同で申請内容を作成して事務局へ提出する形をとります。

技術的な新規性のある製品やサービスの開発、設備投資を伴う事業なら、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金という選択肢もあります。金額の規模が大きいぶん、準備も重くなります。

合同会社で小さく始めた場合、まず金額の小さい制度から入るほうが現実的です。一度採択されて実績報告まで通せば、二本目からは驚くほど早くなります。

どちらの制度も、交付決定より前に発注した経費は対象外になることがあります。会社設立の勢いで先に設備を入れてしまうと、その分は補助されません。順番だけは守ってください。

出典デジタル化・AI導入補助金(旧 IT導入補助金)のご案内(中小機構/2026-09-03 確認)

人を雇うなら、助成金という別の入口

人を雇うなら、助成金という別の入口|会社設立の補助金と支援
人を雇うなら、助成金という別の入口

合同会社の会社設立の後に人を雇う予定があるなら、厚生労働省系の助成金という別の入口があります。会社の形で扱いが変わることはありません。

キャリアアップ助成金は、有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といった非正規雇用の方の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化や処遇の改善に取り組んだ事業主を助成する制度です。各コースの実施日の前日までにキャリアアップ計画を提出することが求められます。

トライアル雇用助成金の一般トライアルコースは、ハローワーク等の紹介を受けて原則3か月のトライアル雇用をおこなう制度で、支給額は対象者1人あたり月額最大4万円(最長3か月)です。自分で採用してから申し込むことはできません。

人を雇うなら、募集をかける前に都道府県労働局やハローワークに相談してください。社会保険は、事業所が適用されることになった場合、事実の発生から5日以内に新規適用届を提出します。

採用の前に整えるものもあります。労働保険と社会保険の加入手続き、就業規則、労働条件通知書の様式。会社設立の直後にこれらが済んでいないと、どのコースにも進めません。

出典キャリアアップ助成金(厚生労働省/2026-09-03 確認)

自治体の制度も、同じ棚に並べる

自治体の制度も、同じ棚に並べる|会社設立の補助金と支援
自治体の制度も、同じ棚に並べる

国の制度だけでなく、自治体にも創業や事業への支援があります。金額は小さめでも、対象が地域内に限られるぶん、会社設立まもない事業者にも順番が回ってきやすい面があります。

市区町村の産業振興の担当課に問い合わせると、その地域で使える制度を一通り教えてもらえます。国の制度と重ねて使える場合もあるので、両方を同じ棚に並べて比べてください。

創業から5年以内といった区切りを設けている制度もあります。会社設立の日が起点になるので、まだ対象の期間かどうかを早めに確かめてください。

ただし、同じ経費に二重に支援を受けることは認められません。重ねる場合は、経費を分けた根拠を残しておいてください。

自治体の制度は募集期間が短いものが少なくありません。年に数回、それも十日ほどという例もあります。会社設立の場所が決まっているなら、その自治体の告知が出る場所を先に押さえておいてください。

出典産業競争力強化法に基づく認定を受けた市区町村別の創業支援等事業計画の概要(中小企業庁/2026-09-03 確認)

合同会社だからこそ気をつける点

合同会社だからこそ気をつける点|会社設立の補助金と支援
合同会社だからこそ気をつける点

補助金の受けやすさで差はつきませんが、実務で気をつける点はあります。合同会社で会社設立をした方が引っかかりやすい場面をまとめます。

Q. 申請書の役職名は何と書きますか。

A. 登記事項証明書のとおり「代表社員」と書きます。「代表取締役」と書くと差し戻されます。

Q. 合同会社だと審査で不利になりますか。

A. 審査の観点に会社の形は含まれないのが一般的です。不利にはなりません。

Q. 決算公告をしていませんが、問題ありますか。

A. 合同会社に決算の公告の義務はありません。決算書そのものは、制度によって提出を求められます。

Q. 社員が複数いる場合、誰が申請しますか。

A. 法人としての申請です。代表社員の名義で進めるのが一般的ですが、社内の合意は取っておいてください。

Q. あとで株式会社に変えたら、支援はどうなりますか。

A. 組織変更の時期と制度によって扱いが変わります。事務局に確かめてください。

最後の点は覚えておいてください。補助金の事業の途中で組織変更をすると、手続きが必要になることがあります。会社設立の後に形を変える予定があるなら、申請の前に事務局へ相談してください。

出典商業・法人登記の申請書様式(法務局/2026-09-03 確認)

まとめ|形では差がつかない。効くのは計画と資金

まとめ|形では差がつかない。効くのは計画と資金|会社設立の補助金と支援
まとめ|形では差がつかない。効くのは計画と資金

合同会社で会社設立をしたことは、補助金の申請において不利にはなりません。対象を決めているのは資本金と従業員数と業種であって、会社の形ではないからです。

この記事の要点

  • 1補助金の対象は資本金・従業員数・業種で決まる。会社の形では決まらない
  • 2申請書での違いは「代表社員」という呼び方だけ
  • 3会社設立の直後は、販路開拓の制度が取りかかりやすい
  • 4入口が軽いぶん、浮いた費用を補助金の立て替えに回せる
  • 5人を雇うなら、募集の前に助成金の要件を確かめる

この記事は執筆時点で中小企業庁などの公表資料にあたって確認した内容です。制度の要件も上限額も、年度ごと、公募回ごとに変わります。会社設立の後に申請を検討する段階では、必ず最新の公募要領と所管の窓口でご確認ください。

出典小規模事業者持続化補助金(創業型)について(中小企業庁/2026-09-03 確認)

次の一手を決める方へ

合同会社での会社設立は、費用を抑えて事業を始めたい方に向いた選択です。その判断は、補助金の場面でも足を引っ張りません。むしろ浮いた費用を立て替えに回せるぶん、動きやすいとも言えます。落ち着いたら、市区町村の産業振興の担当課と地域の商工会議所に一度顔を出してみてください。無料で相談でき、その地域で使える制度を一通り教えてもらえます。

他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください

会社設立の補助金について調べるときに、あわせて見られているサイトです。掲載の順番は、おすすめの度合いや優劣を示すものではありません。内容は各サイトの運営者にご確認ください。

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