神奈川の三つの政令市で比べる|会社設立の場所で融資の条件が変わる
この記事を読んでほしい方
神奈川で会社設立をする方に向けた記事です。横浜市・川崎市・相模原市では、市ごとに融資の条件が違います。
同じ神奈川でも、市が違えば利率も保証料も変わります。並べて比べてください。

市の層で、条件がはっきり分かれる

神奈川で会社設立をするとき、県の制度と市の制度は別に用意されています。
とくに横浜市、川崎市、相模原市の三つの政令市には、それぞれ独自の中小企業融資制度があります。
横浜市の場合、中小企業者が事業に必要な運転資金や設備資金を円滑に調達できるよう、市が横浜市信用保証協会および取扱金融機関と連携しておこなう制度とされています。
仕組みは似ていますが、条件は市ごとに違います。
利率も、信用保証料の扱いも、対象になる期間も揃っていません。
つまり、会社設立の場所を市の単位で選べるなら、条件を比べる価値があるということです。
事業所の住所で、使える制度が決まります。
三つの市はいずれも人口が多く、事業所も集まっています。
どこに置いても商圏としては成立する地域です。
会社設立の補助金を探すときも、県だけでなく市の層を開いてください。金額は小さくても、通りやすい制度があります。
出典:横浜市中小企業融資のご案内(横浜市/2026-09-08 確認)
横浜市は、二つのタイプから選ぶ

横浜市の創業向けの枠が、創業おうえん資金です。
経営者保証有タイプと、経営者保証不要特別タイプの二つが用意されています。
経営者保証有タイプの対象は、これから創業する場合で、1か月以内に市内で個人事業を開始する、または2か月以内に市内で会社を設立して事業を開始する方とされています。
すでに創業している場合は、個人事業または会社設立から5年未満であることが必要です。
経営者保証不要特別タイプは、2か月以内に会社を設立する個人、または会社設立から5年未満の事業者が対象です。
融資限度額はどちらも3,500万円以内、融資期間は運転・設備とも10年以内で、据置12か月以内を含むとされています。
融資利率は固定金利で2.3パーセント以内です。
信用保証料は、経営者保証有が助成後0.3パーセント、経営者保証不要特別が助成後0.5パーセントで、いずれも横浜市が0.1パーセントを助成するとされています。
担保・保証人は、経営者保証有が原則として不要、経営者保証不要特別は担保も連帯保証人も不要です。
会社設立の直後に補助金を狙うなら、その立て替えにこの融資が使えます。補助金は後払いだからです。
出典:創業おうえん資金(横浜市/2026-09-08 確認)
川崎市は、保証料が0%になる枠がある

川崎市の創業向けの枠が、アーリーステージ対応資金です。
新規開業予定者または開業後5年未満の中小企業者が対象とされています。NPO法人は除かれます。
1か月以内に事業開始予定の個人も対象で、認定支援事業を利用した場合は6か月以内に延びるとされています。
融資限度額は申込資格1から3で3,500万円、申込資格4で1,000万円です。
融資期間は運転資金が7年以内、設備資金が10年以内で、いずれも据置期間は1年以内とされています。
融資利率は年2.2パーセント以内が基本ですが、自己資金比率が3分の1以上なら年2.1パーセント以内、2分の1以上なら年2.0パーセント以内と優遇されます。
いちばん目を引くのが信用保証料です。申込資格1から3では年0.000パーセントとされ、市が全額を補助する形になっています。
保証料の負担がゼロになるというのは、他の市にはない強みです。
会社設立の資金を借りるなら、この点は必ず比べてください。
会社設立の資金を借りるとき、利率だけでなく保証料まで含めた総額で比べてください。補助金の額より確実に効きます。
出典:アーリーステージ対応資金(川崎市/2026-09-08 確認)
川崎市には、保証を外す枠もある

川崎市には、もう一つ創業向けの枠があります。
スタートアップ創出促進資金は、経営者保証が不要で、会社のみを対象とする制度とされています。
対象は、事業を営んでいない個人であって2か月以内に新たに会社を設立する者、または開業後5年未満の会社です。医療法人とNPO法人は除かれます。
融資限度額は3,500万円、融資期間は運転・設備とも10年以内で、据置期間は1年以内とされています。プロパー融資と併用する場合は据置が3年以内に延びます。
融資利率は年2.2パーセント以内が基本で、自己資金比率により2.1パーセント以内、2.0パーセント以内と下がります。
信用保証料は年0.500パーセントとされています。アーリーステージ対応資金の0.000パーセントとは扱いが違います。
また、税務申告1期未終了の創業者にあっては、創業資金総額の10分の1以上の自己資金が必要とされています。
経営者保証を外すか、保証料をゼロにするか。川崎市ではこの二つを選ぶ形になります。
会社設立の事情に合わせて、窓口で相談してください。
会社設立の形が会社であることが前提です。個人事業のままではこの枠は使えません。
出典:スタートアップ創出促進資金(経営者保証不要・会社のみ対象)(川崎市/2026-09-08 確認)
相模原市は、市が利率を負担する

相模原市の創業支援融資制度も、条件が公開されています。
対象は、これから創業する個人、または創業して5年未満の中小企業者で、税の完納や必要な許認可の取得といった要件を満たす方とされています。
貸付の利率が2.2パーセントで、市の補助率が1.5パーセント、利用者の負担利率は0.7パーセント以内とされています。
認定特定創業支援等事業による支援を受けた場合は、市の補助率が1.7パーセントになり、利用者の負担利率は0.5パーセント以内になります。
つまり、市が利子の大半を負担する形です。
認定特定創業支援等事業による支援を受けた場合は、6か月以内に開業予定であれば対象になるとされています。
利用にあたっては、神奈川県信用保証協会の創業関連保証またはスタートアップ創出促進保証を得ることが必要とされています。
問い合わせは、産業支援課の雇用対策担当です。
詳しい条件は、市の融資制度の案内で確かめてください。
会社設立の準備で証明を取っておけば、この差がさらに広がります。補助金の創業型にもつながります。
出典:相模原市創業支援融資制度について(相模原市/2026-09-08 確認)
証明の効き方も、市で違う

どの市でも共通して効くのが、特定創業支援等事業の証明です。
川崎市の案内では、対象はこれから創業する方、個人事業主としての開業後5年未満の方、営利法人の設立後5年未満の方、非営利法人の設立後5年未満の方とされています。2社目以降の創業や事業承継は対象外です。
原則として4回以上かつ1か月以上の継続的な支援を受けることが必要とされています。
証明で受けられる優遇として、会社設立時の登録免許税が0.7パーセントから0.35パーセントに軽減されること、創業支援資金の申込みの要件が1か月から2か月前から6か月前に緩和されること、日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金の貸付利率が引き下げられること、小規模事業者持続化補助金の創業型が適用されることが挙げられています。
相模原市でも、証明を提出すると市内で会社を設立する際の登録免許税が資本金の0.7パーセントから0.35パーセントに軽減されるとされています。
さらに、相模原市では利用者の負担利率が0.5パーセント以内に下がります。
同じ証明でも、効き方は市によって少しずつ違うということです。
会社設立の場所を決める前に、その市の証明の効果を確かめてください。
申請の方法も、オンラインと窓口・郵送から選べる市があります。
会社設立の登録免許税が半分になるうえ、補助金の枠にもつながります。取らない理由がありません。
出典:特定創業支援等事業について(川崎市/2026-09-08 確認)
補助金も、市によってある

融資だけでなく、補助金を持つ市もあります。
相模原市は、ベンチャー・スタートアップ企業進出補助金を実施しています。
事業所の設置に係る賃料や、事業の実施に係る外注加工費等の補助をおこなうとされています。
会社設立の直後にいちばん重いのが賃料です。そこを見てくれる制度は貴重です。
横浜市にも、創業向けとは別にスタートアップおうえん資金という枠があります。
市の補助金は年度ごとに新設されたり終了したりします。募集の期間も短めです。
会社設立の場所が決まっているなら、その市の公式ページを直接見てください。
まとめ記事に載っていた制度が、今は存在しないということも起こります。
年度の初めに確かめる習慣をつけてください。
補助金は後払いで、しかも通るとは限りません。会社設立の資金計画の前提にはしないでください。
出典:相模原市ベンチャー・スタートアップ企業進出補助金について(相模原市/2026-09-08 確認)
三つを比べる手順

神奈川の政令市で会社設立の場所を選べるなら、次の順番で比べてください。
- 必要な額を、設備と運転に分けて出す
- 各市の融資の限度額・期間・据置を並べる
- 利率と信用保証料を、実際の負担額で計算する
- 経営者保証を外したいかどうかを決める
- 証明を取った場合の優遇まで含めて、最後に比べる
横浜市は中小企業融資のご案内のページで、制度の全体像が確かめられます。市ごとに同じようなページがあります。
Q. 市が違うと条件も違いますか。
A. 利率も信用保証料も市ごとに違います。並べて比べてください。
Q. 保証料がゼロになる市はありますか。
A. 川崎市のアーリーステージ対応資金は、申込資格1から3で年0.000%とされています。
Q. 経営者保証を外せますか。
A. 横浜市には経営者保証不要特別タイプ、川崎市にはスタートアップ創出促進資金があります。
Q. 証明の効果は同じですか。
A. 登録免許税の軽減は共通ですが、市の融資への効き方は違います。
Q. 会社設立の前でも申し込めますか。
A. 1か月以内や2か月以内に開業・会社設立する計画があれば対象になる制度があります。
出典:横浜市中小企業融資のご案内(横浜市/2026-09-08 確認)
まとめ|市を選べるなら、比べる価値がある

神奈川の三つの政令市は、創業向けの融資の条件がそれぞれ違います。
この記事の要点
- 1横浜市の創業おうえん資金は限度額3,500万円以内、固定2.3%以内、保証料は助成後0.3%または0.5%
- 2川崎市のアーリーステージ対応資金は、申込資格1〜3で信用保証料が年0.000%
- 3川崎市のスタートアップ創出促進資金は経営者保証不要。会社のみが対象
- 4相模原市は市が利子を補助し、利用者の負担利率は0.7%以内(証明ありは0.5%以内)
- 5証明の効き方も市によって違う。会社設立の場所を決める前に確かめる
制度を横断して探すなら、J-Net21のような支援情報のサイトも使えます。会社設立の準備のうちに一度見ておいてください。
この記事は2026年9月時点で横浜市、川崎市、相模原市の公表内容にあたって確認した内容です。条件は改定されます。借りる前に、必ず各市と取扱の金融機関でご確認ください。
出典:J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト(中小機構/2026-09-03 確認)
どの市に置くか迷っている方へ
神奈川で会社設立をすると決めて、次に悩むのが場所です。横浜か、川崎か、相模原か。通勤や商圏で選ぶのが普通ですが、融資の条件も市によって違います。保証料がゼロになる市もあれば、市が利子の大半を負担する市もあります。数百万円を借りるなら、その差は無視できません。事業所の住所を決める前に、三つを並べてみてください。
他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください
会社設立の補助金について調べるときに、あわせて見られているサイトです。掲載の順番は、おすすめの度合いや優劣を示すものではありません。内容は各サイトの運営者にご確認ください。
- スマート補助金|箱根町新規創業促進補助金
箱根町の会社設立向け補助金の概要をまとめています。
- いえらぶ|不動産会社設立の流れと必要な費用
不動産会社の設立の流れと費用を、補助金や設立後の要点まで含めて解説しています。
- 税理士法人FLAGS|会社設立の補助金・助成金ガイド
名古屋の税理士による解説で、創業資金の不安に沿って申請条件と種類を整理しています。
- HTM税理士法人|会社設立でお得な助成金・補助金一覧
税理士事務所の視点で、会社設立に使える補助金を申請方法まで含めて並べています。
- 起業コンパス|川崎市の創業融資と支援
川崎市の創業融資と助成金・補助金を紹介しています。
- マネーフォワード クラウド会社設立|千葉県で受けられる創業支援は?
千葉県の補助金・融資・相談窓口を会社設立の視点で整理しています。
- マネーフォワード クラウド会社設立|三重県で受けられる創業支援は?
三重県の補助金・融資・相談窓口を会社設立の視点で整理しています。
- ベンチャーサポート|創業補助金はどんな制度?
創業補助金という呼び名でくくられる支援の中身を、会社設立の場面に沿って解説しています。
- V-Spirits|横浜市の創業融資制度と申請手順
横浜市の融資・補助金制度と申請の手順を説明しています。
- マネーフォワード クラウド会社設立|創業時に活用できる補助金は?
創業期の補助金と申請の流れ、採択のポイントを解説しています。
この記事は、会社設立の補助金を調べるうえで役に立ちましたか。
押した数はこの端末にも記録され、同じ記事では一度だけ数えます。




