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制度が言う「創業」とは|会社設立とどう違うのかを整理する

公開 文責 会社設立・設立後の補助金のプロ

この記事を読んでほしい方

創業向けの補助金を調べていて、自分が「創業者」に当たるのか分からない方に向けた記事です。制度ごとの数え方を整理します。

創業、起業、開業、設立。似た言葉が並びますが、制度の中では意味が違います。

制度ごとの創業の数え方
制度ごとの創業の数え方

創業と会社設立は、同じではない

創業と会社設立は、同じではない|会社設立の補助金と支援
創業と会社設立は、同じではない

補助金を調べていると、創業という言葉が繰り返し出てきます。

会社設立と同じ意味だと思って読み進めると、途中で話が合わなくなります。指しているものが違うからです。

会社設立は、法務局に登記をして法人を作ることです。日付がはっきり決まります。

創業は、事業を新しく始めることです。個人事業で始める場合も含まれます。

中小企業庁は創業・スタートアップ支援の情報を公開しています。制度の全体像はここから見てください。

つまり、会社設立をしていなくても創業者に当たることがあり、会社設立をしていても創業者に当たらないことがあります。

起業や開業という言葉も同じ場面で使われますが、制度の文書では創業という語が中心です。会社設立の支援を探すときは、この語で検索してください。

個人事業で数年やってから会社設立をした方は、特に注意してください。会社としては生まれたばかりでも、制度から見れば創業から何年も経っていることになります。会社設立の登記が新しいから創業者だ、とは限りません。

出典創業・スタートアップ支援(中小企業庁/2026-09-05 確認)

信用保証の世界では、こう定義される

信用保証の世界では、こう定義される|会社設立の補助金と支援
信用保証の世界では、こう定義される

いちばんはっきり定義されているのが、信用保証の制度です。

経済産業省の案内では、一般的な保証制度は事業を営む者を対象としているところ、創業関連保証は事業を営む前であっても利用可能な制度とされています。

保証対象者として、創業予定者(創業計画段階にあり今後創業する者)、創業後5年未満の者、中小企業・小規模事業者(会社)が新たに会社を設立(分社化)する場合、廃業後5年未満の者、法人成りした者であって法人成り前におこなっていた事業の創業後5年未満の者が挙げられています。

注目したいのが最後の区分です。個人事業から会社設立をして法人成りした場合、年数は個人で始めたときから数えます。

会社設立の登記の日からではありません。ここを勘違いすると、対象外だと気づかないまま準備を進めることになります。

関連法は産業競争力強化法とされています。

分社化して会社設立をする場合も対象に含まれています。すでに会社をやっている方が新しい会社を作る形です。

制度の文書は、対象者を細かく分けて書きます。読みにくい書き方ですが、そのぶん自分がどこに当たるかがはっきりします。会社設立の準備で一度読み込んでおくと、他の補助金の要項も読めるようになります。同じ書き方が使われているからです。

出典創業期に利用可能な信用保証制度について(経済産業省/2026-09-08 確認)

100%保証で3,500万円まで

100%保証で3,500万円まで|会社設立の補助金と支援
100%保証で3,500万円まで

創業者と認められると、何が変わるのか。

創業関連保証では、信用保証協会による100パーセント保証で、最大3,500万円の資金調達が可能とされています。

保証割合は100パーセント、担保は無担保、保証料率は各信用保証協会所定とされています。

100パーセント保証というのは、金融機関が貸し倒れの危険を負わないという意味です。実績のない相手にも話が進みやすくなります。

会社設立の直後に借入ができるのは、この仕組みがあるからです。

利用については、まず近くの金融機関または信用保証協会に問い合わせるよう案内されています。

補助金は後払いですが、この保証を使った融資なら会社設立の直後に手元へ入ります。順番としては、まずこちらです。

担保が不要というのも大きい点です。会社設立の直後に差し出せる資産がない方でも、話を進められます。保証料はかかりますが、その分は必要経費だと考えてください。

出典創業期に利用可能な信用保証制度について(経済産業省/2026-09-08 確認)

三つの保証は、合計で3,500万円

三つの保証は、合計で3,500万円|会社設立の補助金と支援
三つの保証は、合計で3,500万円

創業期の保証制度は、ひとつではありません。

全国信用保証協会連合会の案内では、創業関連保証、再挑戦支援保証、スタートアップ創出促進保証制度が並んでいます。

創業関連保証の対象者には、1か月以内に事業開始予定の個人、2か月以内に法人設立予定の個人などが挙げられています。

再挑戦支援保証は、事業の廃止や会社の解散から5年未満の方の再起業を支援する制度です。ただし分社化による創業には利用できないとされています。

これらは併用できますが、併用した場合の合計で3,500万円が保証限度額とされています。

つまり、足し算で増えるわけではありません。会社設立の資金計画では、この上限を前提にしてください。

会社設立の前に保証の枠を確かめておくと、資金の見通しが立ちます。金融機関に相談するときに聞いてみてください。

再挑戦支援保証があるということは、一度事業をやめた方にも道が用意されているということです。会社設立が二度目という方は、この枠を確かめてください。ただし分社化による創業には使えないとされています。

出典創業をお考えの方(一般社団法人 全国信用保証協会連合会/2026-09-08 確認)

補助金の側は、もっと短い

補助金の側は、もっと短い|会社設立の補助金と支援
補助金の側は、もっと短い

補助金の世界では、創業の期間はもっと短く切られます。

小規模事業者持続化補助金の創業型は、創業後1年以内の小規模事業者等が対象とされています。

創業後で事業開始前の事業者も含まれるとされています。会社設立の登記だけ済ませて、まだ営業を始めていない段階でも対象になり得ます。

1年というのは短い期間です。会社設立から気づいたときには過ぎていることがあります。

目的は、生産性向上と持続的発展を図ることとされ、持続的な経営に向けた経営計画にもとづく販路開拓等の取組が支援の対象です。

創業型を逃しても、通常枠には年数の条件がありません。枠を変えれば申し込めます。

会社設立の直後で実績がない状態でも申し込める補助金は限られます。この枠は貴重なので、期間を逃さないでください。

申請にあたっては、地域の商工会議所・商工会への相談と計画書の確認が必須とされています。会社設立の直後に一度顔を出しておいてください。

出典小規模事業者持続化補助金(創業型)について(中小企業庁/2026-09-03 確認)

市区町村が言う「創業者」

市区町村が言う「創業者」|会社設立の補助金と支援
市区町村が言う「創業者」

市区町村の制度でも、創業者という言葉が使われます。

産業競争力強化法にもとづき、市区町村が地域金融機関、NPO法人、商工会議所・商工会等と連携して創業支援等事業計画を作り、国が認定する仕組みがあります。

この計画のなかで、創業者の経営、財務、人材育成、販路開拓等の知識の習得を目的として継続的におこなう支援を、特定創業支援等事業と位置づけています。

この支援を受けた創業者には、登録免許税の軽減措置や、日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金を利用する際の特別利率の適用などが受けられるとされています。

ここでの創業者には、創業予定者と創業後間もない方の両方が含まれます。対象の範囲は市区町村ごとに定められています。

住所地の市区町村の窓口で、自分が当たるかを確かめてください。

会社設立の登記の前に証明を取れば、登録免許税が半分になります。取れるかどうかは市区町村ごとに違います。

認定を受けた計画の数は年々増えています。令和8年6月時点で1,414件、1,580市区町村が認定されているとされています。会社設立の場所として考えている市区町村が入っているか、確かめてみてください。

出典産業競争力強化法に基づく認定を受けた市区町村別の創業支援等事業計画の概要(中小企業庁/2026-09-03 確認)

数え方の起点を、書き出しておく

数え方の起点を、書き出しておく|会社設立の補助金と支援
数え方の起点を、書き出しておく

制度ごとに定義が違う以上、自分の日付を把握しておくことが先です。

会社設立の登記の日は、登記事項証明書で確かめられます。設立の登記の申請は、本店の所在地を管轄する法務局におこないます。

個人事業を先にしていた方は、開業届を出した日も控えておいてください。法人成りの場合、その日が起点になる制度があります。

実際に営業を始めた日も、制度によっては問われます。

この三つを一枚に書いておけば、どの制度に当たるかを毎回調べ直さずに済みます。

会社設立の準備のうちに作っておいてください。

会社設立の日付は変えられません。だからこそ、日付から逆算して制度を選ぶという考え方になります。

法人設立届出書は、設立の日以後2か月以内に税務署へ提出することとされています。会社設立の日付は、こうした期限の起点にもなります。

出典商業・法人登記申請手続(法務局/2026-09-03 確認)

自分が当たるかを確かめる手順

自分が当たるかを確かめる手順|会社設立の補助金と支援
自分が当たるかを確かめる手順

創業向けの支援を探すときは、次の順番で確かめてください。

  1. 会社設立の登記の日、開業届の日、営業を始めた日を書き出す
  2. 狙う制度の募集要項で、創業の定義と起点を読む
  3. 法人成りの場合、個人で始めた日から数えるかを確かめる
  4. 年数が過ぎていたら、通常枠や別の制度に切り替える
  5. 判断に迷うときは、窓口に電話して当てはめてもらう

公募の告知は中小企業庁の補助金公募情報のページに出ます。定義は要領に書かれています。

Q. 会社設立をしていないと創業者ではありませんか。

A. 個人で事業を始める場合も創業に含まれます。制度ごとに範囲が違います。

Q. 法人成りの場合、年数はいつから数えますか。

A. 創業関連保証では、法人成り前の事業の創業から5年未満とされています。

Q. 創業予定でも使えますか。

A. 創業関連保証は事業を営む前でも利用可能とされています。

Q. 保証を三つ使えば1億円ですか。

A. 併用した場合の合計で3,500万円が限度額とされています。

Q. 創業型の1年を過ぎたら。

A. 通常枠には年数の条件がありません。枠を変えてください。

この五つのうち、一番目は今日できます。会社設立の書類を開いて、日付を書き写すだけです。

出典補助金公募情報(中小企業庁/2026-09-05 確認)

まとめ|言葉ではなく、定義で判断する

まとめ|言葉ではなく、定義で判断する|会社設立の補助金と支援
まとめ|言葉ではなく、定義で判断する

創業という言葉は、制度ごとに違う意味で使われています。

この記事の要点

  • 1創業は事業を始めること。会社設立は法人を作ること。同じではない
  • 2創業関連保証は事業を営む前でも利用可能。100%保証で最大3,500万円
  • 3法人成りの場合、年数は法人成り前の創業から数える
  • 4創業関連保証・再挑戦支援保証・スタートアップ創出促進保証は合計3,500万円
  • 5持続化補助金の創業型は創業後1年以内。通常枠に年数の条件はない

制度を横断して探すなら、J-Net21のような支援情報のサイトも使えます。会社設立の準備のうちに一度見ておいてください。

この記事は2026年9月時点で経済産業省、中小企業庁、全国信用保証協会連合会の公表内容にあたって確認した内容です。定義は制度ごとに違います。申し込む前に、必ず募集要項でご確認ください。

出典J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト(中小機構/2026-09-03 確認)

自分は当たるのか、と考えている方へ

創業向けの補助金を見つけて、対象者の欄を読む。そこに「創業後5年未満」とあって、自分はどうなんだろうと止まる。よくある場面です。答えは、その制度が何を起点に数えているかで決まります。会社設立の登記の日なのか、個人で始めた日なのか。要項に書いてあります。分からなければ窓口に電話してください。数分で片づく話です。

他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください

会社設立の補助金について調べるときに、あわせて見られているサイトです。掲載の順番は、おすすめの度合いや優劣を示すものではありません。内容は各サイトの運営者にご確認ください。

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