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新しく会社を作る人の補助金の探し方|ゼロから始めるときの地図

公開 文責 会社設立・設立後の補助金のプロ

この記事を読んでほしい方

これから新しく会社を作る方で、まだ何も決まっていない段階の方に向けた記事です。業種も、場所も、いつ設立するかも固まっていない。その状態から補助金を調べ始めると、情報の海で迷います。何を先に決めれば支援の話が動き出すのか、順番を示します。

新しく会社設立をするとき、補助金の情報を集める前に決めておくと後が楽になることがあります。何をする事業か、どこでやるか、いつ始めるか。この三つが決まると、見るべき制度は驚くほど絞られます。

新会社設立で決める順番
新しく会社を作るときに決める順番

補助金から事業を決めない

補助金から事業を決めない|会社設立の補助金と支援
補助金から事業を決めない

新しく会社設立をするとき、「どんな補助金があるか」から入る方が多くいます。使える支援を知っておくのは良いことですが、そこから事業の中身を決めてしまうと、後で苦しくなります。

補助金は、その事業を後押しするための支援です。事業のほうが先にあって、それを加速させる道具として補助金がある。この順番が逆になると、制度の要件に合わせて事業計画をゆがめることになります。採択されても、事業として続かなければ意味がありません。

補助金より先に決めること

  • 1誰の、どんな困りごとを解く事業か
  • 2その事業で、どうやってお金を受け取るのか
  • 3最初のお客さんは、どこから来るのか

この三つが言えるようになると、補助金の探し方が変わります。「使えそうな制度」ではなく「この計画を前に進める制度」を探せるようになるからです。会社設立の準備で忙しい時期ですが、ここは飛ばさないでください。

一文で言えるかどうかが目安

事業の中身が固まっているかどうかは、一文で言えるかで分かります。「◯◯に困っている△△の人に、□□を提供する」。この形に収まらないうちは、まだ絞りきれていません。補助金の事業計画書でも、最初に問われるのはここです。

会社設立の前にこれを固めておくと、市区町村の窓口でも商工会議所でも、話が早く進みます。相談相手が何を助けられるかを判断できるようになるからです。

もうひとつ、補助金を軸に考えると、公募の締切に事業の立ち上げが振り回されます。締切に合わせて準備が甘いまま出すことになり、結果として通らない。会社設立の準備という本来やるべきことも後ろにずれる。この二重の損は避けたいところです。

出典J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト(中小機構/2026-09-03 確認)

事業所の場所で、使える支援が決まる

事業所の場所で、使える支援が決まる|会社設立の補助金と支援
事業所の場所で、使える支援が決まる

次に決めるのが場所です。国の補助金は全国どこでも対象になりますが、自治体の支援は住所地で対象が決まります。新しく会社設立をするなら、場所を決める前に候補地の支援を比べる価値があります。

見るべきは二つです。その市区町村が産業競争力強化法にもとづく創業支援等事業計画の認定を受けているか。そして、市区町村独自の創業補助金があるか。前者は中小企業庁が市区町村別に一覧を公表しています。

認定を受けた市区町村では、特定創業支援等事業の証明を受けられることがあります。この証明があると、会社設立の登記にかかる登録免許税が半額になります。株式会社なら最低15万円が7万5千円、合同会社なら6万円が3万円です。

事業所の場所を決める前に確かめること|会社設立の補助金
事業所の場所を決める前のチェックリスト

もちろん、支援だけで場所は決められません。顧客との距離、家賃、通勤のしやすさ。それらと並べて、支援も判断材料の一つに入れてください。会社設立の場所は一度決めると変えにくいので、比べる手間をかける価値はあります。

家賃補助のような制度は、金額だけ見ると小さく感じるかもしれません。ただ、毎月効いてくる支援は、一度きりの補助金より資金繰りへの影響が大きいことがあります。会社設立の直後は売上が読みにくい時期ですから、固定費を下げる支援は素直に効きます。

出典産業競争力強化法に基づく認定を受けた市区町村別の創業支援等事業計画の概要(中小企業庁/2026-09-03 確認)

会社設立の時期は、締切から逆算できる

会社設立の時期は、締切から逆算できる|会社設立の補助金と支援
会社設立の時期は、締切から逆算できる

三つ目が時期です。新しく会社設立をするなら、いつ登記するかを自分で選べます。この自由度は、すでに事業を動かしている人にはないものです。

時期が効いてくる場面は二つあります。ひとつは、会社設立の前にしか取れない支援。市区町村の証明は、創業を予定している段階から受講や相談を積み重ねて取るもので、登記が済んでからでは間に合いません。

もうひとつが、創業期を対象にした補助金の枠です。小規模事業者持続化補助金の創業型は、中小企業庁の説明によれば、創業後1年以内の小規模事業者等(創業後、事業開始前の事業者も対象)を対象とし、自ら策定した経営計画にもとづく販路開拓等の取組を支援するものです。会社設立の日が、そのまま資格の起点になります。

会社設立の時期から逆算する|会社設立の補助金
会社設立の時期から逆算した段取り
急いで会社設立をする理由があるなら、時期にこだわる必要はありません。取引の都合や許認可の関係で日程が決まっているなら、それを優先してください。

時期を考えるときは、決算期をどこに置くかも一緒に決めてください。会社設立の日から一年以内で自由に設定できます。繁忙期と決算作業が重ならないようにしておくと、二年目からの負担が変わります。補助金の実績報告と重なる時期も、あわせて避けられると理想的です。

出典小規模事業者持続化補助金(創業型)について(中小企業庁/2026-09-03 確認)

資金の出どころを、補助金以外で先に決める

資金の出どころを、補助金以外で先に決める|会社設立の補助金と支援
資金の出どころを、補助金以外で先に決める

四つ目が資金です。ここで大事なのは、補助金を資金計画の柱にしないことです。補助金は原則として後払いで、事業を終えて実績を報告してから入金されます。会社設立の直後に手元を厚くする性格のものではありません。

柱になるのは自己資金と融資です。日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金は、新たに事業を始める方や事業開始後おおむね7年以内の方が対象で、融資限度額は7,200万円(うち運転資金4,800万円)、返済期間は設備資金が20年以内、運転資金が10年以内、元金の据置期間は5年以内に設定できます。

新しく会社設立をする段階なら、まだ実績がありません。融資の審査では、事業計画と自己資金の準備状況が見られます。自己資金をどう貯めてきたかは、その人の計画性を示す材料として重く見られます。

資金の組み立て方の例(会社設立の初期)|会社設立の補助金
会社設立の初期の資金の組み立て方の例

図のように、補助金は一番外側に置いてください。入れば助かる。入らなくても回る。この形にしておけば、採否に振り回されません。

融資の相談は、会社設立の登記が済んでいなくても始められます。事業計画と自己資金の状況が見える形になっていれば話は進みます。会社設立の前に一度相談しておくと、どのくらい借りられそうかの見当がつき、事業の規模も決めやすくなります。

出典新規開業・スタートアップ支援資金(日本政策金融公庫/2026-09-03 確認)

ここまで決まって、はじめて補助金を探す

ここまで決まって、はじめて補助金を探す|会社設立の補助金と支援
ここまで決まって、はじめて補助金を探す

事業、場所、時期、資金。この四つが決まっていれば、補助金を探す作業は短時間で終わります。当てはまる制度が数本に絞られるからです。

決めたことから、見る制度を絞る
決めたこと 絞られる制度
販路を開きたい 小規模事業者持続化補助金(創業型・一般型)
設備を入れたい ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
業務をシステムに載せたい デジタル化・AI導入補助金
人を雇う キャリアアップ助成金、トライアル雇用助成金
その地域で創業する 市区町村・都道府県の創業補助金
会社設立の費用を下げたい 特定創業支援等事業の証明(登録免許税の軽減)

表の右側は、どれも制度の名前です。名前を覚える必要はありません。左側が決まっていれば、商工会議所の窓口で「こういうことをしたい」と言うだけで、担当者が右側を教えてくれます。

探す場所を決めておく

情報を追い始めると際限がないので、見る場所を決めておくと楽です。中小企業庁の公募情報、各補助金の事務局サイト、Jグランツ、市区町村の産業振興の担当課、商工会議所。この五つを月に一度回れば、公募の波は追えます。

補助金の名前を覚える必要はないと書きましたが、ひとつだけ例外があります。自分が狙うと決めた制度の正式名称です。年度によって名称が変わることがあるため、検索するときは年度と正式名称の両方を使ってください。旧IT導入補助金がデジタル化・AI導入補助金という名称で運用されているのが、その例です。

出典小規模事業者持続化補助金(中小企業庁/2026-09-03 確認)

最初の相談相手を、会社設立の前に作る

最初の相談相手を、会社設立の前に作る|会社設立の補助金と支援
最初の相談相手を、会社設立の前に作る

新しく会社設立をする方の多くが、一人で調べています。ただ、公的な相談窓口は無料で使えます。会社設立の前から使い始めるほうが、得られるものは大きくなります。

市区町村の産業振興の担当課は、その地域で使える支援を一通り教えてくれます。商工会議所・商工会は、小規模事業者持続化補助金の相談と計画書の確認を担っており、この制度では相談が申請の前提になっています。

  • 市区町村の産業振興の担当課 → その地域の支援と、証明の取得
  • 商工会議所・商工会 → 補助金の相談、計画書の確認、地域のつながり
  • 日本政策金融公庫 → 創業融資、資金計画の立て方
  • 都道府県の中小企業支援センター → 県の制度、経営革新計画
  • 税理士・司法書士 → 会社設立の手続き、税務

相談に行くときは、何をする事業か、会社設立の予定日はいつか、いくらぐらい使う見込みか。この三つを紙にまとめて持っていくと、話が早く進みます。曖昧なままだと、一般的な案内で終わってしまいます。

会社設立の前から顔を出しておくと、公募が始まったときに相談しやすくなります。締切前は窓口が混むので、早めにつながりを作っておく意味は小さくありません。

出典小規模事業者持続化補助金について(中小企業庁/2026-09-03 確認)

よくある回り道と、その避け方

よくある回り道と、その避け方|会社設立の補助金と支援
よくある回り道と、その避け方

新しく会社設立をする方が陥りやすい回り道を挙げておきます。どれも先に知っていれば避けられるものです。

Q. 補助金を調べるうちに、事業の中身が変わってしまいました。

A. 順番が逆になっています。事業を先に決め、それを進める制度を探してください。制度に合わせた計画は、採択されても続きません。

Q. 会社設立の登記を済ませてから、証明が必要だと知りました。

A. 特定創業支援等事業の証明は創業前に取るものです。今からは取れませんが、設立後に使える制度は残っています。市区町村の窓口に相談してください。

Q. 使えそうな補助金が多すぎて選べません。

A. 事業・場所・時期・資金の四つを決めてから探し直してください。決まっていれば数本に絞られます。

Q. 補助金が採択される前提で設備を発注してしまいました。

A. 多くの制度で、交付決定より前の支出は対象外です。事務局に相談し、対象になる範囲を確かめてください。

Q. 申請の準備に時間を取られて、本業が進みません。

A. 支援は事業を助けるためのものです。本業を圧迫するなら、見送る判断も正しい判断です。

最後の一つは特に大事です。会社設立の直後にいちばん貴重なのは時間です。補助金の準備に何十時間もかけるより、営業に使ったほうが結果が出る場面もあります。

出典Jグランツ ネットで簡単!補助金申請(デジタル庁/2026-09-03 確認)

まとめ|四つを決めれば、支援の話は動き出す

まとめ|四つを決めれば、支援の話は動き出す|会社設立の補助金と支援
まとめ|四つを決めれば、支援の話は動き出す

新しく会社設立をする段階では、決まっていないことが多すぎて、補助金の情報が頭に入ってきません。それは当然です。事業、場所、時期、資金。この四つを決めてから探し始めれば、支援の話は一気に具体的になります。

この記事の要点

  • 1補助金から事業を決めない。事業が先、支援は後
  • 2事業所の場所で、自治体の支援の対象が決まる
  • 3会社設立の時期は選べる。証明も創業期の枠も時期で決まる
  • 4資金の柱は自己資金と融資。補助金は後払いなので外側に置く
  • 5相談相手は会社設立の前から作る。公的な窓口は無料

この記事の金額と要件は、執筆時点で一次情報にあたって確認したものです。補助金の制度は年度ごと、公募回ごとに変わります。会社設立を具体的に進める段階になったら、必ず所管の窓口と最新の公募要領で裏を取ってください。

出典産業競争力強化法、経済産業省関係産業競争力強化法施行規則(中小企業庁/2026-09-03 確認)

これから始める方へ

新しく会社を作るというのは、決めることが多すぎて、どこから手をつければいいのか分からなくなるものです。補助金の情報を追いかけていると、何かを進めている気になりますが、実際には事業の中身を一文で言えるようにするほうが先です。そこさえ決まれば、あとの判断は自然と定まります。決めきれないうちは、市区町村の窓口や商工会議所で話してみてください。人に説明しようとすると、自分の考えが整理されます。

他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください

会社設立の補助金について調べるときに、あわせて見られているサイトです。掲載の順番は、おすすめの度合いや優劣を示すものではありません。内容は各サイトの運営者にご確認ください。

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