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障害者トライアル雇用|会社設立の直後に試して雇うという道

公開 更新 文責 会社設立・設立後の補助金のプロ

この記事を読んでほしい方

会社設立の直後で、採用の判断に自信が持てない方に向けた記事です。試しに雇うという仕組みがあります。障害のある方を迎える場合の枠を整理します。

いきなり本採用は不安、という声はよく聞きます。制度の側にも、まず試すという道が用意されています。

障害者トライアルコースと短時間トライアルコース
障害者トライアルコースと短時間トライアルコース

試してから決めるという仕組み

試してから決めるという仕組み|会社設立の補助金と支援
試してから決めるという仕組み

会社設立の直後は、人を雇う判断が難しい時期です。仕事の量も読めませんし、採用の経験もありません。

厚生労働省は、障害者トライアルコースと障害者短時間トライアルコースという枠を設けています。試行雇用をおこなう事業主を支援する制度です。

事業主と対象となる方との間で有期の雇用契約を結び、一定の期間働いてもらう形です。

その期間のなかで、仕事が合うかどうか、どんな配慮が要るかを互いに確かめられます。

会社設立の直後に採用で失敗すると痛手が大きいので、こうした仕組みで見極められるのは助かります。

制度としても、継続雇用につなげることを想定しています。

補助金と違って公募の期間がありません。会社設立の直後でも、要件を満たせば申請できます。ただし事前の段取りが要ります。

支給は期間の終了後です。会社設立の資金計画には入れず、後から戻るものとして扱ってください。

出典障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース(厚生労働省/2026-09-07 確認)

期間と支給額は、区分で分かれる

期間と支給額は、区分で分かれる|会社設立の補助金と支援
期間と支給額は、区分で分かれる

障害者トライアルコースでは、トライアル雇用の期間が原則として3か月間とされています。

精神障害者の場合は最長6か月間で、3か月と3か月の段階に分けて支給される形です。

支給額は、精神障害者以外が支給対象者1人につき月額最大4万円で最長3か月間。精神障害者は3か月間が月額最大8万円、4か月目以降が月額最大4万円で最長6か月間とされています。

障害者短時間トライアルコースは、期間が3か月から12か月で、支給額は月額最大4万円が最長12か月間とされています。

短時間から始めて、少しずつ時間を延ばしていくという働き方を想定した枠です。

会社設立の直後で仕事量が少ないなら、こちらのほうが合うこともあります。

会社設立の直後は、給与の支払いが毎月やってきます。この支援があっても、賃金の全額が賄えるわけではありません。仕事の量と収入の見通しを先に立ててください。

精神障害者について期間が長く、支給額も手厚く設定されているのは、仕事に慣れるまでに時間がかかることを踏まえた設計です。会社設立の直後は教える側にも余裕がありません。この期間を、互いに慣れるための時間だと考えてください。焦って本採用を決めなくてよいということでもあります。

出典障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース(厚生労働省/2026-09-07 確認)

対象になる方の要件がある

対象になる方の要件がある|会社設立の補助金と支援
対象になる方の要件がある

誰でも対象になるわけではありません。要件が定められています。

障害者トライアルコースでは、継続雇用を希望し制度を理解している障害のある方で、就労経験のない職業に就くことを希望する方、過去2年以内に離職が2回以上ある方、6か月以上の離職期間がある方、または重度身体障害者・知的障害者・精神障害者などが挙げられています。

障害者短時間トライアルコースは、精神障害者または発達障害者で継続雇用を希望する方が対象とされています。

つまり、いま働きにくい状況にある方の就労を後押しする仕組みです。

会社設立の直後に採用を考えるなら、この趣旨を踏まえてください。制度を使うことが目的になってはいけません。

対象になるかどうかは、ハローワークで確かめられます。

会社設立の直後にどんな仕事を任せるかを、具体的に考えておいてください。任せる仕事がはっきりしているほど、紹介も進みやすくなります。

要件に離職の回数や期間が入っているのは、働きたいのに機会に恵まれなかった方を想定しているからです。会社設立をしたばかりの小さな会社でも、そういう方の受け皿になれます。むしろ、人数が少ないぶん一人ひとりに向き合いやすいという面もあります。補助金の額ではなく、そこに意味を見出せるかどうかで判断してください。

出典障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース(厚生労働省/2026-09-07 確認)

ハローワーク等の紹介が前提

ハローワーク等の紹介が前提|会社設立の補助金と支援
ハローワーク等の紹介が前提

この制度でいちばん見落としやすいのが、紹介の要件です。

ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により雇い入れることが必要条件とされています。

つまり、知人の紹介や自社の募集で見つけた方を、後から当てはめることはできません。

一般のトライアル雇用助成金にも一般トライアルコースがあり、こちらも紹介によることが前提とされています。

会社設立をして初めて人を雇うなら、まずハローワークに求人を出すところから始めてください。相談の窓口にもなります。

求人の書き方も相談できます。どんな配慮ができるかを書いておくと、応募が来やすくなります。

会社設立の直後は求人の出し方も分かりません。ハローワークの担当者に相談しながら進めてください。補助金の相談とは別の窓口です。

求人票には、どんな仕事をどれくらいの時間でお願いしたいかを具体的に書いてください。会社設立の直後は業務が固まっていないことも多いのですが、曖昧なままだと紹介する側も判断できません。書きながら整理するつもりで取りかかってください。

出典トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)(厚生労働省/2026-09-03 確認)

保険の手続きが、前提になる

保険の手続きが、前提になる|会社設立の補助金と支援
保険の手続きが、前提になる

どの助成金も、保険の手続きが前提です。

労働者を1人でも雇用したら労働保険の適用事業となり、保険関係が成立した日の翌日から10日以内に保険関係成立届を提出することとされています。

あわせて、労働保険料の申告と納付も必要になります。年度ごとの手続きです。

賃金台帳、出勤簿、労働者名簿。支給の申請では、これらの記録が確認されます。会社設立の直後から形を作ってください。

手続きが済んでいないと、要件を満たしていても支給されません。

社会保険労務士に相談すると、助成金を見据えた整え方を教えてもらえます。

補助金の申請でも、従業員数を示す資料として保険の加入状況が求められることがあります。会社設立の直後に済ませておけば両方に効きます。

出典労働保険の成立手続(厚生労働省/2026-09-04 確認)

試した後、続けて雇う場合

試した後、続けて雇う場合|会社設立の補助金と支援
試した後、続けて雇う場合

トライアルの期間が終わったら、続けて雇うかどうかを判断することになります。

合わなかったと分かるのも、ひとつの結果です。無理に続けるより、互いにとってよい場合もあります。

続けて雇う場合は、別の制度に移ります。厚生労働省は、障害者を雇い入れた場合などの助成についてまとめたページを設けています。

雇入れに関するもの、雇用の継続や環境の整備に関するもの。目的ごとに分かれています。

どの制度に進むかは、雇用の形や期間によって変わります。労働局で確かめてください。

会社設立の直後に一度相談しておけば、この移り変わりも見通せます。

会社設立から時間が経つほど、使える制度も変わっていきます。年に一度は労働局で確かめてください。

期間の途中で状況が変わることもあります。体調のこと、仕事の量のこと。困ったときに相談できる先を持っておいてください。ハローワークや地域の就労支援の機関が間に入ってくれます。会社設立の直後に一人で抱えないでください。

補助金は後払いです。立て替えの資金を見込んでおいてください。

出典障害者を雇い入れた場合などの助成(厚生労働省/2026-09-07 確認)

働く環境を整える支援もある

働く環境を整える支援もある|会社設立の補助金と支援
働く環境を整える支援もある

雇うことへの助成とは別に、働く環境を整えることへの助成があります。

独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が、障害者雇用納付金関係助成金を扱っています。

公表されている内容では、施設・設備の整備等や適切な雇用管理を図るための特別な措置をおこなわなければ、障害者の新規雇入れや雇用の継続が困難であると認められる場合に、予算の範囲内で助成金を支給するとされています。

トライアルの期間中に、どんな設備や配慮が必要かが見えてくることがあります。そのときにこの系統を思い出してください。

会社設立の直後で大きな投資はできなくても、小さな工夫から始められます。

何が必要かは、働く本人と話しながら決めてください。

補助金の側でも、業務の仕組みへの投資が支援の対象になります。会社設立の直後に働きやすい形を作るなら、そちらも確かめてください。

設備の整備は、補助金とは別の系統で支援されます。会社設立の直後に事務所を借りるなら、レイアウトの段階から相談しておくと後の工事が減ります。

補助金の公募の暦は年度で動きます。会社設立の後、年に一度は確かめてください。

出典助成金(障害者雇用納付金関係助成金)(独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構/2026-09-07 確認)

試して雇うまでの順番

試して雇うまでの順番|会社設立の補助金と支援
試して雇うまでの順番

ここまでを、会社設立から試行雇用までの順番としてまとめます。

  1. 会社設立の登記と、社会保険の手続きを済ませる
  2. 就業規則や賃金の規程を整える
  3. 労働局とハローワークで、使える制度を確かめる
  4. ハローワークに求人を出す(紹介が前提)
  5. 有期の雇用契約を結び、トライアル雇用を始める
  6. 雇い入れたら労働保険の手続きをし、期間の終了後に支給申請する

厚生労働省は雇用関係助成金の一覧を公開しています。障害者向けの棚と一般の棚の両方を見てください。

Q. トライアルの期間はどれくらいですか。

A. 原則3か月、精神障害者は最長6か月、短時間コースは3〜12か月とされています。

Q. 支給額はいくらですか。

A. 月額最大4万円、精神障害者は3か月まで月額最大8万円とされています。

Q. 知人を雇っても対象になりますか。

A. ハローワーク等の紹介によることが必要条件とされています。

Q. 期間の後に必ず雇わないといけませんか。

A. 継続雇用を前提とした制度ですが、判断は状況によります。労働局で確かめてください。

Q. どこに相談すればよいですか。

A. 管轄の労働局とハローワークです。

補助金の申請でも、この整理は材料になります。会社設立の後に支援を狙うなら、先に書き出しておいてください。

出典雇用関係助成金一覧(厚生労働省/2026-09-04 確認)

まとめ|見極める時間が制度になっている

まとめ|見極める時間が制度になっている|会社設立の補助金と支援
まとめ|見極める時間が制度になっている

会社設立の直後に人を雇うのは勇気が要ります。試してから決められる仕組みがあることを、知っておいてください。

この記事の要点

  • 1障害者トライアルコースは原則3か月、精神障害者は最長6か月
  • 2支給額は月額最大4万円、精神障害者は3か月まで月額最大8万円
  • 3短時間トライアルコースは3〜12か月、月額最大4万円
  • 4ハローワークまたは職業紹介事業者等の紹介が必要条件
  • 5労働保険の手続きが前提。雇った翌日から10日以内

制度を横断して探すなら、J-Net21のような支援情報のサイトも使えます。会社設立の直後に一度見ておいてください。

この記事は2026年9月時点で厚生労働省やJEEDの公表内容にあたって確認した内容です。期間や支給額は年度で変わります。求人を出す前に、必ず管轄の労働局でご確認ください。

出典J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト(中小機構/2026-09-03 確認)

最初の一人を迎える方へ

会社設立の直後に人を雇うかどうかは、大きな判断です。仕事が続くかも分からない、教える余裕もない。そんな時期に、まず試すという選択肢があるのは心強いはずです。ただ、ハローワークの紹介が前提なので、自分で見つけてからでは間に合いません。求人を出す前に、一度だけ窓口へ足を運んでください。

他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください

会社設立の補助金について調べるときに、あわせて見られているサイトです。掲載の順番は、おすすめの度合いや優劣を示すものではありません。内容は各サイトの運営者にご確認ください。

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