会社設立時の登録免許税を半分にする|証明書は登記の前に取る
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会社設立時の費用を少しでも軽くしたい方に向けた記事です。補助金ではありませんが、登録免許税が半分になる仕組みがあります。ただし会社設立の登記より前に動かないと間に合いません。手順を順に説明します。
会社設立時にかかる登録免許税は、条件を満たすと半分になります。使うのは市区町村の創業支援です。証明書を受け取る時期が決め手になります。

会社設立時にかかる税は、登録免許税

会社設立の登記をするときに納めるのが登録免許税です。資本金の額に応じて計算し、下限が決められています。
株式会社なら資本金の0.7パーセント、それが15万円に満たなければ15万円。合同会社なら同じく0.7パーセントで、下限は6万円です。多くの会社設立ではこの下限のほうが効いてきます。
補助金の対象にはなりません。事業を伸ばす投資ではなく、会社という器を作るための税だからです。会社設立時の費用として、自前で用意することになります。
ただ、産業競争力強化法にもとづく仕組みを使うと、この税率が半分になります。補助金ではなく税の軽減という形での支援です。
会社設立時に手を打てる数少ない費用対策なので、順に見ていきます。
補助金を探すより先に、この軽減を確かめてください。補助金は採択されるかどうか分かりませんが、こちらは要件を満たせば必ず効きます。会社設立時の費用を確実に減らせる方法です。
出典:産業競争力強化法、経済産業省関係産業競争力強化法施行規則(中小企業庁/2026-09-03 確認)
軽減されると、いくら変わるのか

大阪市は、証明書の交付を受けると株式会社または合同会社の設立時の登録免許税が0.7パーセントから0.35パーセントに軽減されると案内しています。
江東区の案内では、株式会社が15万円から7万5,000円へ、合同会社が6万円から3万円へと具体的な額で示されています。会社設立時に7万5,000円が浮くなら、小さくない差です。
資本金が大きい会社設立では、0.35パーセントで計算した額が下限を上回ります。その場合も税率が半分になるので、軽減の効果はむしろ大きくなります。
補助金のように後から振り込まれるのではなく、納める額そのものが減ります。会社設立時の手元の資金がそのまま残るという意味で、使い勝手のよい支援です。
手続きの費用がかかるわけでもありません。かかるのは、支援を受けるための時間だけです。
補助金の場合は、使ったお金の一部が後から戻ってくる形です。会社設立時のように手元の資金が細い時期には、いま納める額が減るほうが助かります。
出典:特定創業支援等事業について(大阪市が発行する証明書により、登録免許税の軽減等の支援が受けられます)(大阪市/2026-09-03 確認)
仕組みの名前は、特定創業支援等事業

この軽減の入口になるのが、特定創業支援等事業です。産業競争力強化法にもとづき、国の認定を受けた市区町村が創業者を支援する仕組みです。
市区町村が単独でおこなうこともあれば、商工会議所・商工会や民間の支援機関と連携しておこなうこともあります。会社設立を考えている方向けの創業塾やセミナー、個別の相談という形が一般的です。
どの市区町村が認定を受けているかは、中小企業庁が一覧を公表しています。会社設立時の本店をどこに置くかで、使える支援が変わります。
認定を受けていない市区町村もあります。まずは事業所を置く予定の自治体の名前で探してください。
制度としては全国にあるものなので、東京や大阪に限った話ではありません。会社設立時の住所地で確かめるのが基本です。
支援の内容は自治体によって幅があります。会社設立の実務に踏み込んだ講座もあれば、補助金の探し方まで扱うものもあります。窓口で内容を聞いてみてください。
出典:産業競争力強化法に基づく認定を受けた市区町村別の創業支援等事業計画の概要(中小企業庁/2026-09-03 確認)
証明を受ける要件は、回数と期間と内容

証明を受けるには、決められた支援を受ける必要があります。大阪市は、4回以上かつ1か月以上の継続的な支援を受けることとしています。
内容も決まっています。経営、財務、人材育成、販路開拓という4つの分野の知識を身につけることが求められます。会社設立の手続きの説明を1回聞いただけでは足りないということです。
つまり、最低でも1か月はかかります。会社設立の日を先に決めてしまうと、この期間が取れません。
具体的な進め方は市区町村によって異なります。創業塾のような連続講座で要件を満たす形もあれば、個別相談を重ねる形もあります。
江東区のように、創業支援等事業と特定創業支援等事業を分けて案内している自治体もあります。どちらを受けると証明が出るのか、窓口で確かめてください。
回数を重ねる過程で、事業計画が形になっていきます。会社設立時にこの計画があると、後から補助金を申請するときの土台になります。証明書だけが目的ではないということです。
出典:江東区創業支援等事業・特定創業支援等事業について(江東区/2026-09-04 確認)
証明書は、会社設立の登記の前に取る

ここが一番大事な点です。大阪市は、登録免許税の軽減を利用する場合、会社設立前に証明書を取得し、法人登記のときに法務局へ提出する必要があると案内しています。
順序を守らないと優遇措置が適用されません。会社設立の登記が済んでから証明を取っても、納めた登録免許税は戻らないということです。
支援に1か月以上、証明書の交付にも日数がかかります。会社設立時の逆算では、登記の希望日から2か月ほど前には窓口へ相談していたい計算になります。
証明書には有効な期間が定められていることがあります。早すぎても使えない場合があるので、交付の時期は窓口と相談して決めてください。
市区町村によって手続きの流れは異なります。会社設立の予定地の窓口で、申請から交付までの日数を必ず確かめてください。
会社設立を急ぐ事情があるなら、軽減をあきらめる判断もあります。取引先との契約や許認可の都合で登記を先にしたいこともあるからです。どちらを優先するかは、金額と事情を並べて決めてください。
出典:創業支援等事業計画(東大阪市/2026-09-03 確認)
軽減されるのは、税だけではない

証明書の効果は登録免許税にとどまりません。会社設立時の資金の面でも使えます。
大阪市は、無担保・第三者保証人なしの創業関連保証を、事業開始の6か月前から利用することが可能になると案内しています。通常より早い時期から信用保証の枠を使えるということです。
日本政策金融公庫の新規開業資金では、貸付利率の引き下げを受けられる場合があります。会社設立時に融資で資金を用意する方には、こちらのほうが効くかもしれません。
補助金の申請で加点の対象になることもあります。制度によって扱いが違うので、狙う補助金の公募要領で確かめてください。
支援を受ける過程で作った事業計画書は、そのまま融資や補助金の申請に使えます。会社設立時にこれを持っているかどうかで、その後の動きやすさが変わります。
創業関連保証の枠を早く使えるのは、会社設立時の資金繰りでは大きな意味があります。補助金が入るまでの期間を、こうした制度でつなぐという考え方もできます。
出典:START 政策金融公庫の創業支援 Q&A(日本政策金融公庫/2026-09-03 確認)
定款認証の手数料も、会社設立時の負担

会社設立時の費用としてもうひとつ大きいのが、株式会社の定款認証の手数料です。日本公証人連合会が金額を公表しています。
資本金の額等により、100万円未満が3万円、100万円以上300万円未満が4万円、その他が5万円という三段階になっています。
さらに、令和6年12月1日からは、資本金100万円未満で一定の条件を満たす場合の手数料が1万5,000円に下がりました。条件は、発起人の全員が自然人でその数が3人以下であること、発起人が設立時発行株式の全部を引き受ける旨が定款に記載されていること、取締役会を置く旨の記載がないことの3つすべてに該当することです。
小さく始める会社設立なら、この条件に当てはまることが多くあります。会社設立時の資本金や機関設計を決めるときに、あわせて考えてみてください。
合同会社には定款認証が要りません。会社設立時の費用を抑えたいなら、会社の形そのものも選択肢になります。
電子定款にすれば、紙の定款に貼る収入印紙が不要になります。会社設立時の費用を抑えるという意味では、こちらも同じ方向の工夫です。
出典:会社の定款手数料の改定(日本公証人連合会/2026-09-03 確認)
会社設立時の段取りに落とし込む

ここまでを、会社設立時のスケジュールに落とします。登記の日から逆算するのが分かりやすい方法です。
- 本店を置く予定の市区町村が認定を受けているか調べる
- 創業支援の窓口に相談し、支援の日程を決める(1か月以上・4回以上)
- 支援を受けながら、定款と登記の書類を整える
- 支援の修了後、証明書の交付を申請する
- 証明書を添えて、設立の登記を申請する
- 登記の完了後、登記事項証明書を取得して次の手続きへ進む
登記の申請書類の様式は法務局が公開しています。会社設立時にどの様式を使うかは、機関設計によって変わります。
Q. 会社設立の登記の後に証明書を取ったら、税は戻りますか。
A. 戻りません。登記のときに提出する必要があります。
Q. 支援は1回では足りませんか。
A. 大阪市は4回以上かつ1か月以上としています。市区町村により異なります。
Q. 合同会社でも軽減されますか。
A. されます。下限が6万円から3万円になります。
Q. どこの市区町村でも受けられますか。
A. 国の認定を受けた市区町村に限られます。一覧で確かめてください。
Q. 費用はかかりますか。
A. 支援の内容によります。無料の相談で要件を満たせる自治体もあります。
この段取りのなかで動かせないのは、支援に必要な1か月だけです。ほかは並行して進められます。会社設立時にやることは多いので、同時に進む部分を先に見つけておいてください。
出典:商業・法人登記の申請書様式(法務局/2026-09-03 確認)
まとめ|会社設立時にできる、確実な一手

補助金は採択されるかどうか分かりません。それに比べて、この軽減は要件を満たせば確実に効きます。会社設立時にできる数少ない確実な一手です。
この記事の要点
- 1会社設立時の登録免許税は、株式会社が下限15万円、合同会社が6万円
- 2特定創業支援等事業の証明で、税率が0.7%から0.35%へ。下限も半分になる
- 3証明の要件は、4回以上かつ1か月以上の継続的な支援(大阪市の例)
- 4証明書は会社設立の前に取り、登記のときに法務局へ提出する
- 5登録免許税だけでなく、創業関連保証や公庫の融資にも効く
必要なのはお金ではなく時間です。会社設立の日を決める前に、市区町村の窓口へ相談してください。
この記事は執筆時点で中小企業庁や大阪市、江東区、日本公証人連合会、法務局などの公表内容にあたって確認した内容です。要件や金額は改正されることがあります。会社設立を進める前に、必ず最新の情報と窓口でご確認ください。
出典:J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト(中小機構/2026-09-03 確認)
登記の日を決める前に
会社設立の登記は、書類さえ揃えばいつでも出せます。だからこそ、急いで出してしまう前に一度立ち止まってください。市区町村の創業支援を1か月受けるだけで、会社設立時の登録免許税が半分になります。補助金のように審査で落ちることもありません。時間の使い方として、これほど確実なものは多くありません。
他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください
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