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会社設立時に補助金は使えるのか|そのときに間に合う支援と間に合わないもの

公開 文責 会社設立・設立後の補助金のプロ

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これから会社設立の登記をする方で、そのときに補助金が使えるのかを知りたい方に向けた記事です。会社設立時という一点に絞ると、間に合うものと間に合わないものがはっきり分かれます。その線引きを整理します。

会社設立時に補助金でお金がもらえるのか。答えは、そのままの意味では「使えない」です。ただし、その瞬間にしかできないことがあります。順に見ていきます。

会社設立の登記を境にした支援の分かれ方
会社設立の登記を境にした支援の分かれ方

会社設立時にお金が振り込まれる補助金はない

会社設立時にお金が振り込まれる補助金はない|会社設立の補助金と支援
会社設立時にお金が振り込まれる補助金はない

まず押さえておきたいのが、補助金は後払いだということです。申請して、採択されて、交付決定を受けて、事業をおこない、実績を報告して、そこでようやく振り込まれます。

会社設立時にお金が要るからといって、そのタイミングで補助金が入ることはありません。小規模事業者持続化補助金のように創業期に届く制度でも、この流れは変わりません。

しかも、多くの補助金は交付決定より前の発注や支払いを対象外としています。会社設立と同時に何かを買う予定があるなら、その支出は自前で用意する前提になります。

では会社設立時に補助金の話は無意味かというと、そうではありません。この時期の判断が、後で申し込める制度の範囲を決めるからです。順番を間違えると取り返しがつかないものもあります。

会社設立時に見積書を集めておくのは無駄ではありません。公募が始まってから相見積もりを取り直すと、締切に間に合わないことがあります。買う予定のものが決まっているなら、書類だけ先に揃えておいてください。

「補助金がもらえるから会社設立できる」という組み立ては危険です。資金は自己資金と融資で用意し、補助金は後から戻ってくるものとして扱ってください。

出典小規模事業者持続化補助金(中小企業庁/2026-09-03 確認)

会社設立の法定費用そのものは、補助金の対象外

会社設立の法定費用そのものは、補助金の対象外|会社設立の補助金と支援
会社設立の法定費用そのものは、補助金の対象外

会社設立時にかかる費用のうち、登録免許税や定款の認証にかかる手数料は、補助金の対象になりません。事業を伸ばす投資ではなく、会社という器を作るための費用だからです。

登記の手続き自体は、法務局が案内しているとおりに進めます。設立の登記の申請は、本店の所在地を管轄する法務局におこないます。

この費用に補助金は届きませんが、軽減の仕組みはあります。自治体の特定創業支援等事業の証明を受けると、登録免許税が軽くなります。補助金ではなく税の軽減という形です。

つまり、会社設立時の費用については「補助金で埋める」のではなく「軽減できるものを軽減する」という発想に切り替えたほうが、実際に効きます。

専門家に依頼する報酬も、会社設立時の費用としては同じ扱いです。制度の対象になるかは公募要領で確かめてください。

なお、資本金の額によって登録免許税は変わります。会社設立時に資本金を厚くすると、その分だけ納める税も増えます。信用の面と負担の面を並べて決めてください。

出典商業・法人登記申請手続(法務局/2026-09-03 確認)

登記より前にしか取れない証明がある

登記より前にしか取れない証明がある|会社設立の補助金と支援
登記より前にしか取れない証明がある

会社設立時に関わる支援のなかで、いちばん取り返しがつかないのが特定創業支援等事業の証明です。産業競争力強化法にもとづき、国の認定を受けた市区町村が創業者を支援する仕組みです。

この証明を受けると、会社設立時の登録免許税が軽減されます。ただし、証明書は会社設立の前に取得し、法人登記のときに法務局へ提出する必要があります。大阪市はこの順序を守らないと優遇措置が適用されないと案内しています。

登記が済んでから証明を取っても、納めた登録免許税は戻りません。会社設立時のスケジュールを組むときに、ここだけは先に入れておいてください。

どの市区町村が認定を受けているかは、中小企業庁が一覧を公表しています。事業所を置く予定の市区町村を確かめてください。

支援そのものにも期間がかかります。会社設立の日を決める前に、窓口へ相談するのが順序です。

出典産業競争力強化法に基づく認定を受けた市区町村別の創業支援等事業計画の概要(中小企業庁/2026-09-03 確認)

登記が済まないと出せない書類がある

登記が済まないと出せない書類がある|会社設立の補助金と支援
登記が済まないと出せない書類がある

逆に、会社設立の登記が済まないと動かせないものもあります。補助金の申請では、法人の実在を示す書類を求められることが多くあります。

登記事項証明書や印鑑証明書は、登記が完了してから取得できます。申請の受付に間に合わせるには、登記の完了までの日数を見込んでおく必要があります。

法人番号も、登記の後に指定されます。電子申請の登録で法人番号を求められる場面があるので、ここでも登記の完了が前提になります。

会社設立時に補助金の公募が出ていても、書類が揃わなければ出せません。公募の締切と登記の完了予定日を、同じ表に並べて見てください。

急ぐなら、設立の登記の申請書類を先に整えておくことです。補正が入ると完了が延びます。

登記が完了する日は、法務局の混み具合でも動きます。会社設立時のスケジュールには、数日の余裕を持たせておいたほうが安全です。

出典登記-商業・法人登記-(法務省/2026-09-03 確認)

会社設立時に本当に間に合うのは、融資

会社設立時に本当に間に合うのは、融資|会社設立の補助金と支援
会社設立時に本当に間に合うのは、融資

会社設立時に資金が必要なら、現実的な手段は融資です。補助金と違い、事業を始める前の段階から相談ができます。

日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金は、新たに事業を始める方や事業開始後おおむね7年以内の方を対象とする制度です。会社設立の前から話を進められます。

特定創業支援等事業の証明を受けていると、公庫の新規開業資金で貸付利率の引き下げを受けられる場合があります。無担保・第三者保証人なしの創業関連保証を、事業開始の6か月前から利用できるという特例もあります。

会社設立時の資金計画では、まず融資で必要額を確保し、補助金は入ったら返済を早められる程度に見ておく。この順番なら、公募の結果に事業が左右されません。

融資の相談には事業計画書が要ります。この書類は、後で補助金を申請するときにもそのまま土台として使えます。

出典新規開業・スタートアップ支援資金(日本政策金融公庫/2026-09-03 確認)

自治体の創業支援は、設立の前後どちらでも動く

自治体の創業支援は、設立の前後どちらでも動く|会社設立の補助金と支援
自治体の創業支援は、設立の前後どちらでも動く

国の補助金とは別に、都道府県や市区町村の創業支援があります。こちらは会社設立の前から対象になるものもあり、時期の幅が広いのが特徴です。

東京都の創業助成事業は、都内での創業を予定している方や創業して間もない中小企業者等を対象としています。会社設立の前でも要件を満たせば申し込めるということです。

ただし、こうした制度には指定された創業支援の利用を前提とするものがあります。会社設立時に思い立って申し込めるとは限りません。

募集の期間が短いことも多くあります。会社設立の準備を始めた段階で、住所地の自治体のページを一度見ておいてください。

区市町村の家賃補助のように、登記の後でないと申し込めない制度もあります。時期の条件は制度ごとに違います。

国と都道府県と市区町村では、担当する窓口が別々です。会社設立時にすべてを一度に調べるのは大変なので、まず市区町村から当たるのが近道です。

出典令和8年度「創業助成事業」募集(東京都/2026-09-03 確認)

人を雇う予定があるなら、会社設立時に整えておく

人を雇う予定があるなら、会社設立時に整えておく|会社設立の補助金と支援
人を雇う予定があるなら、会社設立時に整えておく

会社設立時に人を雇う予定があるなら、保険の手続きを先に押さえてください。厚生労働省の雇用関係助成金は、労働保険の適用事業所であることを前提にするものが多くあります。

労働者を1人でも雇用したら労働保険の適用事業となり、保険関係が成立した日の翌日から10日以内に保険関係成立届を提出することとされています。

社会保険も同じです。法人の事業所は、常時従業員を使用する場合に健康保険と厚生年金保険の適用事業所となります。会社設立時に新規適用の手続きが要ります。

助成金は、雇い入れの後から遡って整えることができません。会社設立時にここを飛ばすと、後で使える制度が減ります。

就業規則や賃金の規程も同じです。会社設立の直後に形を作っておくと、後の申請で慌てずに済みます。

役員だけで人を雇わない会社設立なら、労働保険の手続きは要りません。ただし社会保険は別です。会社設立時の体制に合わせて、必要な届出を確かめてください。

出典労働保険の成立手続(厚生労働省/2026-09-04 確認)

会社設立時にやることを、順番に並べる

会社設立時にやることを、順番に並べる|会社設立の補助金と支援
会社設立時にやることを、順番に並べる

ここまでを、会社設立時の段取りとして並べ直します。先にやらないと取り返しがつかないものから順に置くのが基本です。

  1. 市区町村の創業支援の窓口に相談し、特定創業支援等事業の証明の見込みを立てる
  2. 定款と登記の書類を整えつつ、証明書を受け取る
  3. 設立の登記を申請する(証明書は登記のときに提出)
  4. 登記の完了後、登記事項証明書と印鑑証明書を取得する
  5. 法人設立届出書などの税務の届出を出す
  6. 人を雇うなら労働保険と社会保険の手続きをする
  7. 補助金の公募を確かめ、申請の準備に入る

税務の届出については、内国普通法人等を設立した場合に法人設立届出書を提出することとされています。会社設立時の手続きのなかでは、比較的期限に余裕がありません。

Q. 会社設立時にもらえる補助金はありますか。

A. 設立そのものに対して振り込まれる補助金はありません。後払いの制度です。

Q. 登記の費用に使える支援はありますか。

A. 補助金ではありませんが、特定創業支援等事業の証明で登録免許税が軽くなります。

Q. 証明書は登記の後でも取れますか。

A. 取れても、納めた登録免許税は戻りません。登記の前に取ってください。

Q. 会社設立時に融資と補助金を両方申し込めますか。

A. できます。ただし同じ経費に二重には使えません。

Q. どこに相談すればよいですか。

A. 事業所を置く市区町村の創業支援の窓口と、商工会議所・商工会が入口になります。

出典C1-4 内国普通法人等の設立の届出(国税庁/2026-09-03 確認)

まとめ|会社設立時は、後で使えるものを潰さないこと

まとめ|会社設立時は、後で使えるものを潰さないこと|会社設立の補助金と支援
まとめ|会社設立時は、後で使えるものを潰さないこと

会社設立時に補助金でお金が入ることはありません。この時期にできるのは、後で使える支援を潰さないように順番を整えることです。

この記事の要点

  • 1補助金は後払い。会社設立時に振り込まれる制度はない
  • 2登記の費用は補助金の対象外。軽減できるものを軽減する
  • 3特定創業支援等事業の証明は、登記の前に取らないと間に合わない
  • 4登記事項証明書が要る申請は、登記の完了を待つ
  • 5会社設立時の資金は融資で組み、補助金は後から戻るものとして扱う

国の補助金の申請は、Jグランツという電子申請システムを使うものが増えています。gBizIDプライムの取得には日数がかかるので、会社設立の登記が済んだら早めに動いてください。

この記事は執筆時点で法務省や中小企業庁、日本政策金融公庫、厚生労働省、国税庁、大阪市などの公表内容にあたって確認した内容です。制度は年度ごとに変わります。会社設立を進める前に、必ず最新の情報と窓口でご確認ください。

出典Jグランツ ネットで簡単!補助金申請(デジタル庁/2026-09-03 確認)

会社設立の日取りを決める前に

会社設立時にできることは、思っているより限られています。けれども、この時期にしかできないことは確かにあります。登記の日を決める前に、市区町村の創業支援の窓口へ一度足を運んでください。証明書ひとつで、会社設立時の負担が変わります。急いで登記してしまってから知ると、もう戻せません。

他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください

会社設立の補助金について調べるときに、あわせて見られているサイトです。掲載の順番は、おすすめの度合いや優劣を示すものではありません。内容は各サイトの運営者にご確認ください。

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