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会社設立時に決める資本金と事業目的が、補助金の対象を決める

公開 文責 会社設立・設立後の補助金のプロ

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会社設立の定款をこれから作る方に向けた記事です。会社設立時に決める資本金と事業目的は、後から変えられます。ただし変えるには費用と手間がかかるうえ、その間は補助金の対象から外れることもあります。決める前に見ておきたい点をまとめます。

会社設立時に決めることは多くありますが、補助金に直接関わるのは資本金と事業目的です。どちらも数字や言葉の選び方ひとつで、後の選択肢が変わります。

会社設立時の決定事項と補助金の関係
会社設立時の決定事項と補助金の関係

資本金の額は、補助金の枠に関わる

資本金の額は、補助金の枠に関わる|会社設立の補助金と支援
資本金の額は、補助金の枠に関わる

国の補助金の多くは、対象を中小企業者や小規模事業者と定めています。その線引きに使われるのが、資本金の額と常時使用する従業員の数、そして業種です。

つまり、会社設立時に資本金を大きくしすぎると、補助金の枠から外れることがあります。取引先からの見え方を気にして厚くしたくなる場面ですが、支援の面では逆に働くことがあるということです。

線引きの額は業種によって違います。製造業と卸売業、小売業、サービス業では別々に区切られています。自分の会社設立がどの区分に当たるかは、狙う制度の公募要領で確かめてください。

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金のように金額の大きい制度でも、対象は中小企業者等です。大きな補助金を狙うほど、資本金の額は慎重に決める必要があります。

会社設立時に資本金を小さくしておいて、必要になったら増資する。この順番なら、枠から外れる心配が減ります。

支援の窓口では、資本金の額を聞かれることがよくあります。会社設立時にその数字を決めた理由を言えるようにしておくと、話が早く進みます。

出典ものづくり補助金(中小企業庁/2026-09-03 確認)

資本金1,000万円という境目

資本金1,000万円という境目|会社設立の補助金と支援
資本金1,000万円という境目

補助金とは別に、税の面でも資本金には境目があります。会社設立時にいちばん意識されるのが1,000万円という額です。

国税庁は、その事業年度の基準期間がない法人のうち、その事業年度開始の日における資本金の額または出資の金額が1,000万円以上である法人については、消費税の納税義務は免除されないとしています。

会社設立の1期目と2期目には基準期間がありません。資本金を1,000万円未満にしておけば、原則としてこの期間は納税義務が免除されるということです。

ただし例外があります。1,000万円未満でも、特定新規設立法人に該当する場合は免除されません。親会社や関係者の売上規模による判定なので、会社設立の背景によっては当てはまります。

インボイスの登録をする場合は、また別の考え方が要ります。会社設立時の資本金は、税理士に一度相談してから決めてください。

免除されるかどうかは、事業の規模によっては大きな金額の差になります。会社設立の初年度から売上が立つ見込みなら、支援を探すより先にここを確かめるほうが効きます。

出典No.6503 基準期間がない法人の納税義務の免除の特例(国税庁/2026-09-04 確認)

資本金は、登録免許税にも跳ね返る

資本金は、登録免許税にも跳ね返る|会社設立の補助金と支援
資本金は、登録免許税にも跳ね返る

会社設立時に納める登録免許税は、資本金の額に応じて計算されます。株式会社なら資本金の0.7パーセント、それが15万円に満たなければ15万円です。

資本金が約2,143万円を超えると、0.7パーセントで計算した額が15万円を上回ります。そこから先は、資本金を増やすほど納める税も増えていきます。

特定創業支援等事業の証明を受けていれば、この税率が0.35パーセントに軽減されます。資本金が大きい会社設立ほど、軽減の効果は金額として大きくなります。

会社設立時の資本金は、運転資金として使えるお金でもあります。税の負担と手元の資金、そして補助金の枠。三つを並べて決めるのが現実的です。

許認可が要る業種では、財産的な要件が資本金の下限を決めることがあります。その場合は、そちらが優先です。

出典産業競争力強化法、経済産業省関係産業競争力強化法施行規則(中小企業庁/2026-09-03 確認)

事業目的は、許認可の可否を決める

事業目的は、許認可の可否を決める|会社設立の補助金と支援
事業目的は、許認可の可否を決める

定款の事業目的は、会社が何をおこなうかを示す欄です。ここに書いていない事業は、原則としておこなえません。

影響が大きいのが許認可です。たとえば建設業では、軽微な建設工事のみを請け負う場合を除き、建設業の許可が必要とされています。許可の申請では、定款の事業目的に建設業に関する記載があることが前提になります。

会社設立の登記を済ませてから目的の記載が足りないと分かると、定款を変更して登記をやり直すことになります。費用も日数もかかります。

補助金の面でも、事業目的は無関係ではありません。申請する事業が定款の目的の範囲内かどうかを見られることがあるからです。

会社設立時には、いま始める事業だけでなく、数年のうちにやりそうな事業も入れておくのが一般的です。ただし、脈絡なく並べると信用の面で不利になることもあります。

許認可の窓口は、補助金の窓口とは別です。会社設立時にどちらにも相談しておくと、目的の書き方でつまずきません。

出典建設産業・不動産業:建設業の許可とは(国土交通省/2026-09-04 確認)

事業目的の書き方と、補助金の対象事業

事業目的の書き方と、補助金の対象事業|会社設立の補助金と支援
事業目的の書き方と、補助金の対象事業

補助金の公募要領には、対象となる事業や対象外の業種が書かれていることがあります。会社設立時の事業目的が、そこと噛み合っているかを見ておいてください。

小規模事業者持続化補助金は、自ら策定した経営計画にもとづく販路開拓等の取組を支援する制度です。申請にあたっては、地域の商工会議所・商工会への相談と計画書の確認が必須とされています。

この場合、定款の目的に事業の中身が書かれていれば足りることがほとんどです。問題になるのは、目的に書いていない事業で申請しようとするときです。

会社設立時に事業目的を決めるなら、専門用語ではなく実際の事業に近い言葉を使うほうが説明しやすくなります。登記の実務では抽象的な表現も通りますが、補助金の窓口で伝わるかは別の話です。

迷ったら、司法書士と商工会議所の両方に見てもらってください。登記が通るかと、支援に使えるかは、別の観点です。

補助金の申請書には、事業の内容を自分の言葉で書く欄があります。会社設立時に事業目的をきちんと考えておくと、その欄がそのまま書けます。

出典小規模事業者持続化補助金について(中小企業庁/2026-09-03 確認)

後から変えられるが、費用がかかる

後から変えられるが、費用がかかる|会社設立の補助金と支援
後から変えられるが、費用がかかる

資本金も事業目的も、会社設立の後で変えられます。ただし、どちらも株主総会の決議と登記が必要です。

定款そのものは、会社設立時に公証人の認証を受けます。日本公証人連合会は、株式会社の定款は公証人の認証を受けなければその効力を生じないと案内しています。設立後の変更には認証は要りませんが、登記の費用はかかります。

目的の変更登記にも登録免許税がかかります。会社設立時に少し先まで見て決めておけば、この費用を払わずに済みます。

増資も同じです。資本金を増やすと登録免許税がかかり、額によっては補助金の枠から外れます。会社設立時に小さく始めるほうが、選択肢を残せます。

逆に、資本金を減らす手続きは債権者への手当てが必要で、さらに重くなります。大きくするより戻すほうが大変だということです。

会社設立時に迷ったら、変えにくいほうに寄せて決めてください。増やすのは後からでもできます。

出典定款認証(日本公証人連合会/2026-09-03 確認)

創業型の補助金には、独自の線引きがある

創業型の補助金には、独自の線引きがある|会社設立の補助金と支援
創業型の補助金には、独自の線引きがある

創業期を対象にした補助金には、会社設立の時期そのものを要件にするものがあります。資本金や事業目的とは別の線引きです。

小規模事業者持続化補助金には創業型があり、公募要領が公開されています。対象となる創業の時期や、特定創業支援等事業の支援を受けたことの証明が要件になるかどうかは、回ごとに確かめる必要があります。

会社設立時にこうした制度を狙うつもりなら、証明書の取得を段取りに入れておいてください。後から取っても、要件を満たす時期を過ぎていることがあります。

創業の起点をいつと見るかも制度によって違います。設立の登記の日なのか、事業を開始した日なのか。個人事業からの法人成りでは特に扱いが分かれます。

会社設立の日を選べる立場なら、狙う制度の要件を先に見てから決めるという手もあります。

創業型の支援は、対象となる期間が限られています。会社設立時にどの制度を狙うかを決めておけば、期間を無駄にしません。

出典「小規模事業者持続化補助金<創業型>(第4回)」の公募要領を公開しました(中小企業庁/2026-09-03 確認)

会社設立時に決めることを、ひとつの表に並べる

会社設立時に決めることを、ひとつの表に並べる|会社設立の補助金と支援
会社設立時に決めることを、ひとつの表に並べる

ここまでを、会社設立時の判断としてまとめます。ひとつずつ別々に決めるのではなく、並べて見るのが要点です。

  • 資本金:補助金の枠、消費税、登録免許税、許認可の要件をすべて見て決める
  • 事業目的:いま始める事業と、数年のうちにやりそうな事業を書く
  • 機関設計:取締役会を置くかどうかで、定款認証の手数料が変わることがある
  • 本店:市区町村の創業支援と、家賃補助の有無を見て決める

登記の申請書の様式は、機関設計によって分かれています。法務局は、取締役会を設置しない会社の発起設立と、取締役会設置会社の発起設立とで別の様式を公開しています。

Q. 資本金はいくらにすればよいですか。

A. 一律の正解はありません。運転資金の必要額を下限に、補助金の枠と税の境目を見て決めてください。

Q. 事業目的は多く書いたほうが得ですか。

A. 脈絡のない列挙は信用の面で不利になることがあります。関連する範囲で書いてください。

Q. 目的に書いていない事業で補助金を申請できますか。

A. 難しいことがあります。会社設立時に入れておくか、変更登記が要ります。

Q. 資本金を後から増やせますか。

A. 増やせます。ただし登録免許税がかかり、補助金の枠から外れることがあります。

Q. 誰に相談すればよいですか。

A. 登記は司法書士、税は税理士、支援は商工会議所・商工会が入口です。

出典株式会社設立登記申請書(取締役会を設置しない会社の発起設立)(法務局/2026-09-03 確認)

まとめ|会社設立時の判断が、後の選択肢を決める

まとめ|会社設立時の判断が、後の選択肢を決める|会社設立の補助金と支援
まとめ|会社設立時の判断が、後の選択肢を決める

会社設立時に決める資本金と事業目的は、その後に使える補助金の範囲を静かに決めています。決めたときには見えませんが、後で効いてきます。

この記事の要点

  • 1資本金が大きすぎると、補助金の中小企業者の枠から外れることがある
  • 2資本金1,000万円以上だと、設立1期目・2期目でも消費税は免除されない
  • 3資本金は登録免許税にも跳ね返る。証明書があれば税率が半分になる
  • 4事業目的に書いていない事業は、許認可でも補助金でもつまずく
  • 5どちらも後から変えられるが、登記の費用と手間がかかる

合同会社という選択肢もあります。定款認証が要らないぶん、会社設立時の費用は抑えられます。補助金の対象という点では、株式会社と合同会社で差が付くことはほとんどありません。

この記事は執筆時点で国税庁や中小企業庁、国土交通省、日本公証人連合会、法務局などの公表内容にあたって確認した内容です。制度は改正されます。会社設立を進める前に、必ず最新の情報と専門家にご確認ください。

出典合同会社の設立手続き(起業支援)(中小機構 J-Net21/2026-09-04 確認)

定款を作る前に

資本金と事業目的は、会社設立の書類のなかでは小さな欄です。けれども、この2か所が後の数年を決めます。数字を大きくしたい気持ちも、事業を広く書いておきたい気持ちも分かります。ただ、補助金の枠は静かに引かれています。会社設立時に一度だけ、税理士と支援の窓口に「この額で外れませんか」と聞いてみてください。

他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください

会社設立の補助金について調べるときに、あわせて見られているサイトです。掲載の順番は、おすすめの度合いや優劣を示すものではありません。内容は各サイトの運営者にご確認ください。

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