会社設立時のIT環境をどう揃えるか|買う・借りる・待つ
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会社設立にあたって、パソコンやソフトをどう揃えるかを考えている方に向けた記事です。買う、借りる、補助金を待つ。それぞれの向き不向きを整理します。
会社設立の直後は資金が限られます。すべてを買い揃える必要はありません。選択肢を並べて考えます。

01会社設立の直後に、すべてを買う必要はない

会社設立の直後は、何もかもを揃えたくなります。ただ、手元の資金は限られています。
パソコン、ソフト、通信、プリンター、周辺機器。一式そろえると、それだけでまとまった額になります。
しかも、そのほとんどが補助金の対象外です。汎用性が高いという理由で弾かれます。
日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金は、新たに事業を始める方や事業開始後おおむね7年以内の方を対象とする制度です。設備の資金も相談できます。
それでも、借りたお金は返す必要があります。買わずに済ませられるものは、買わない判断も要ります。
会社設立の直後は、事業の形が固まっていない時期でもあります。後から要らなくなるものを先に買わないでください。
支援の窓口でも、会社設立の直後は買いすぎないよう勧められることが多いはずです。事業が動き出すと、必要なものが変わるからです。
出典:新規開業・スタートアップ支援資金(日本政策金融公庫/2026-09-03 確認)
02買うと、補助金の対象になりにくい

買う場合、補助金の対象になるかどうかで判断が変わります。
小規模事業者持続化補助金の公募要領では、機械装置等費の対象外としてパソコン、事務用プリンター、複合機、タブレット端末、WEBカメラ、PC周辺機器などが挙げられています。
PC周辺機器としては、ハードディスク、LAN、Wi-Fi、サーバー、モニター、スキャナー、ルーター、ヘッドセット、イヤホン等が具体的に列挙されています。
つまり、会社設立の直後に揃えるIT機器のほとんどが、この制度では対象外だということです。
単価50万円以上の機械装置等を買うと、処分制限財産に該当します。補助事業が終わって補助金を受けた後でも、一定の期間は処分が制限されます。
買うという判断には、この制限も付いてきます。
会社設立の直後にこの一覧を読んでおくと、計画を立て直す手間が省けます。買いたいものが列挙されていたら、その制度は諦めてください。
処分制限がかかると、事業の方針を変えたときに動かしにくくなります。会社設立から数年で使わなくなるかもしれない設備なら、単価の線を意識してください。制限の期間は財産の種類ごとに定められていて、処分するには事務局の承認が要ります。
出典:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第19回公募 公募要領(小規模事業者持続化補助金事務局/2026-09-05 確認)
03借りるという選択肢がある

買わずに借りるという道もあります。リースやレンタル、クラウドのサービスです。
小規模事業者持続化補助金の補助対象経費には、借料という区分があります。機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費の八つのうちのひとつです。
何がこの区分に当てはまるかは公募要領で確かめてください。買えば対象外でも、借りれば別の扱いになることがあります。
会社設立の直後は、毎月の支出に置き換えるほうが資金繰りが楽になることもあります。初期の支出を抑えられるからです。
ただし、長く使うなら買うほうが安く済むこともあります。使う期間で計算してみてください。
クラウドのサービスは、使わなくなったらやめられるという利点もあります。
会社設立の直後は、事業の規模が読めません。借りる形なら、増やすことも減らすことも後からできます。
借りる場合、支払いの期間が補助事業の実施期間に収まるかどうかも見られます。何年分もまとめて対象になるとは限りません。会社設立の直後に長期の契約を結ぶ前に、その点も確かめてください。
出典:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第19回公募 公募要領(小規模事業者持続化補助金事務局/2026-09-05 確認)
04仕組みなら、補助金が届く

機器は対象外でも、仕組みには補助金が届きます。デジタル化・AI導入補助金です。
旧IT導入補助金の名称で覚えている方も多い制度です。通常枠のほか、インボイス枠やセキュリティ対策推進枠などが用意されています。
申請は、登録されたIT導入支援事業者と共同でおこないます。使える製品も、登録されたITツールに限られます。
会社設立と同時に業務の型を作るなら、この制度が噛み合います。会計、請求、受発注、顧客の管理。
インボイス枠なら、ソフトとあわせる形でパソコンも一部が対象になります。ハードウェアのみの申請は不可とされています。
支援事業者との協議には時間がかかります。会社設立の準備と並行して動くなら、早めに声をかけてください。
会社設立の直後に仕組みを入れておくと、人を増やしたときの引き継ぎが楽になります。支援があるうちに整えるという考え方もできます。
インボイス枠では、PC・タブレット等が補助率2分の1以内・上限10万円以下、レジ・券売機等が補助率2分の1以内・上限20万円以下とされています。会社設立の直後に機器も一緒に揃えたいなら、この枠が唯一に近い道です。
出典:デジタル化・AI導入補助金2026(旧 IT導入補助金)(中小機構/2026-09-03 確認)
05待つという判断もある

補助金を使うなら、待つ必要があります。多くの制度は交付決定より前の発注や支払いを対象外としています。
公募から交付決定まで、数か月かかることも珍しくありません。会社設立の直後にその期間を待てるかどうかが、判断の分かれ目です。
仕事が始まっているのに機器がない、という状態では事業になりません。急ぐものは先に買ってください。
逆に、いまでなくてもよいものは待てます。二台目のパソコン、業務を効率化するためのソフト、サイトの作り直し。
小規模事業者持続化補助金も、自ら策定した経営計画にもとづく販路開拓等の取組を支援する制度です。急ぎの支出とは相性がよくありません。
急ぐものと待てるものを分ける。これが会社設立の直後にいちばん役に立つ整理です。
会社設立の日から逆算して、いつまでに何が要るのかを書き出してください。支援を待てるかどうかは、その表を見れば分かります。
待つと決めたなら、その間の代わりをどうするかも考えてください。既存の機器で凌ぐのか、短期で借りるのか。会社設立の直後に仕事が止まると、補助金どころではなくなります。
出典:小規模事業者持続化補助金(中小企業庁/2026-09-03 確認)
06サイトの制作は、別の区分で考える

IT関連の支出のなかでも、サイトの制作は扱いが違います。
小規模事業者持続化補助金には、ウェブサイト関連費という区分があります。機器ではなく取組として見られるからです。
この制度は、自ら策定した経営計画にもとづく販路開拓等の取組を支援するものです。申請にあたっては、地域の商工会議所・商工会への相談と計画書の確認が必須とされています。
会社設立の直後に、知ってもらうためのサイトを作る。これは販路開拓として説明しやすい支出です。
同じIT関連でも、パソコンは対象外でサイトは対象になり得る。この違いを知っておいてください。
区分ごとに上限が設けられていることがあります。公募要領で確かめてください。
会社設立の直後は、サイトを作る余裕がないこともあります。まず簡単なものを作り、支援を使って作り直すという順番でも構いません。
出典:小規模事業者持続化補助金について(中小企業庁/2026-09-03 確認)
07資金は、融資で土台を作る

どの選択肢を選ぶにしても、資金の土台が要ります。補助金は後払いなので、先に払うお金が必要です。
日本政策金融公庫は創業を支援する制度をまとめて案内しています。会社設立の前から相談できます。
都道府県や市区町村の制度融資もあります。自治体と金融機関と信用保証協会が連携する仕組みです。
設備資金として借りる場合は、見積書または契約書が求められることが一般的です。会社設立の準備で取った見積もりが使えます。
借りた資金でまず必要なものを揃え、余裕が出てから補助金で仕組みを入れる。この順番が現実的です。
補助金が入ったら、繰上げ返済に充てるという使い方もできます。
支援の窓口では、資金の相談も一緒にできます。会社設立の直後に一度足を運んでおいてください。
融資の審査には時間がかかります。会社設立の登記を済ませてから相談を始めると、開業の資金が間に合わないことがあります。準備と並行して進めてください。
出典:あなたの創業は、どこから? START 政策金融公庫の創業支援(日本政策金融公庫/2026-09-03 確認)
08会社設立時のIT環境を決める順番

ここまでを、会社設立の実務としてまとめます。要るものを三つに分けてください。
- すぐ要るもの|自前で買う、または借りる(補助金は諦める)
- 仕組みにするもの|デジタル化・AI導入補助金を検討する
- 知ってもらうためのもの|持続化補助金のウェブサイト関連費で考える
国の補助金の申請はJグランツという電子申請システムを使うものが増えています。gBizIDプライムの取得には日数がかかるので、会社設立の登記が済んだら申し込んでおいてください。
補助金を狙う分については、交付決定を受けるまで発注しないでください。
Q. リースなら補助金の対象になりますか。
A. 借料という区分がある制度もあります。公募要領で確かめてください。
Q. 会社設立の直後にパソコンを買っても大丈夫ですか。
A. 必要なら買ってください。補助金は諦める前提で判断してください。
Q. サイトの制作は対象になりますか。
A. ウェブサイト関連費という区分があります。販路開拓の取組として説明してください。
Q. 単価50万円以上のものを買うとどうなりますか。
A. 処分制限財産に該当し、一定期間は処分が制限されます。
Q. 何から始めればよいですか。
A. 要るものを、すぐ要るものと待てるものに分けることです。
出典:Jグランツ ネットで簡単!補助金申請(デジタル庁/2026-09-03 確認)
09まとめ|急ぐものと待てるものを分ける

会社設立の直後にIT環境を揃えるとき、補助金が使えるかどうかで悩む必要はありません。急ぐかどうかで分ければ、答えは出ます。
この記事の要点
- 1パソコンや周辺機器は、汎用性が高いとして対象外とされることが多い
- 2借料という区分がある制度もある。買うか借りるかで扱いが変わる
- 3仕組みにする投資は、デジタル化・AI導入補助金で考える
- 4サイトの制作は、ウェブサイト関連費という別の区分
- 5急ぐものは自前で。待てるものだけ補助金を狙う
制度を横断して探すなら、J-Net21のような支援情報のサイトも使えます。会社設立の直後に一度見ておいてください。
この記事は2026年9月時点で小規模事業者持続化補助金事務局や中小企業庁、日本政策金融公庫の公表内容にあたって確認した内容です。要件は公募回ごとに変わります。申し込む前に、必ず最新の公募要領でご確認ください。
出典:J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト(中小機構/2026-09-03 確認)
何から揃えるか迷っている方へ
会社設立の直後は、揃えたいものが次々に出てきます。全部を一度に買う必要はありません。いま仕事が回るだけの最小限から始めて、足りないものが分かってから足していく。そのほうが、無駄な買い物を減らせます。補助金を狙うのは、その足していく段階です。
99他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください
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