対象になるもの、ならないもの|会社設立時の買い物の見分け方
この記事を読んでほしい方
会社設立の直後に買うものが、補助金の対象になるか判断できない方に向けた記事です。見分けるための考え方を、公募要領の記載に沿って整理します。
公募要領を読んでも、自分が買いたいものが対象か分からない。よくあることです。判断の軸を三つに絞って考えます。

軸その一|私用にも使えるかどうか

最初の軸が汎用性です。事業だけでなく私用にも使えるものは、対象外とされやすくなります。
小規模事業者持続化補助金の公募要領では、機械装置等費の対象外として次のものが挙げられています。自転車、文房具等、パソコン、事務用プリンター、複合機、タブレット端末、WEBカメラ、ウェアラブル端末、PC周辺機器、電話機、家庭用電気機械器具。
最後に、その他汎用性が高く目的外使用になりえるものと書かれています。列挙されていなくても、この考え方に当てはまれば対象外です。
自動車等の車両も対象外とされています。ただし、機械及び装置の区分に該当するもの、たとえばブルドーザーやパワーショベルのような自走式作業用機械設備は別扱いです。
会社設立の直後に買うものの多くが、この軸で弾かれます。まずここを確かめてください。
迷ったら、家でも使えるかどうかを自問してみてください。
会社設立の直後に揃えるIT機器の多くが、この一覧に入っています。支援を当てにして計画を立てる前に、まず対象外の欄を読んでください。
公募要領には、ほかにも対象外となるものが並んでいます。ある機械装置等を商品として販売・賃貸する事業者が、その機械装置等を購入・仕入れる場合は、デモ品や見本品とする場合でも対象外とされています。古い機械装置等の撤去・廃棄費用も対象外です。船舶や動植物も挙げられています。会社設立の業種によっては、思わぬところで引っかかります。
出典:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第19回公募 公募要領(小規模事業者持続化補助金事務局/2026-09-05 確認)
軸その二|計画と結びついているかどうか

二つ目の軸が、計画との結びつきです。
小規模事業者持続化補助金は、自ら策定した経営計画にもとづく販路開拓等の取組を支援する制度です。計画に書いていない支出は対象になりません。
公募要領には、通常の事業活動のための費用や、単なる取替え更新の機械装置等の購入は補助対象外と記されています。
つまり、同じものを買うのでも、新たな販路開拓につながるかどうかで扱いが変わるということです。
会社設立の直後は、何を買っても新規の投資に見えます。ただ、制度が見ているのは新しい取組につながるかどうかです。
申請にあたっては、地域の商工会議所・商工会への相談と計画書の確認が必須とされています。判断に迷うなら、そこで聞いてください。
会社設立の直後は、何もかもが新しい取組に見えます。ただ、制度が支援したいのは、いままでやっていなかったことに踏み出す部分です。計画を書くときに、その視点で説明してください。
出典:小規模事業者持続化補助金について(中小企業庁/2026-09-03 確認)
軸その三|いつ発注したか

三つ目の軸が時期です。中身が対象でも、買った時期が悪いと外れます。
多くの制度は、交付決定より前の発注や支払いを対象外としています。会社設立の準備で先に買ったものは、後から申請しても認められません。
採択の連絡を受けてから交付決定までにも段階があります。この間に発注してしまう例が後を絶ちません。
どこからが発注に当たるかは判断が難しい場面があります。契約書を交わす前に事務局へ確かめてください。
見積もりを取るだけなら問題ありません。準備として有効です。
会社設立の直後にすぐ要るものは、この軸で必ず外れます。自前で用意する前提にしてください。
会社設立の日と、補助金の交付決定の日。この二つの前後関係で、使えるかどうかが決まります。急ぐ支出は支援の対象にならないと割り切ってください。
出典:小規模事業者持続化補助金(中小企業庁/2026-09-03 確認)
金額によって、後の制限がかかる

対象になった場合でも、金額によって後の扱いが変わります。
小規模事業者持続化補助金の公募要領では、単価50万円(税抜き)以上の機械装置等の購入は処分制限財産に該当するとされています。
補助事業が終了し、補助金の支払を受けた後であっても、一定の期間において処分が制限されます。処分とは、補助事業の目的外での使用、譲渡、担保提供、廃棄等です。
処分制限期間内に処分する場合には、必ず補助金事務局へ承認を申請し、承認を受けた後でなければ処分できないとされています。
承認に際して、残存簿価等から算出される金額の返還を求められることもあります。
会社設立から数年で方針が変わるかもしれないなら、この点も判断に入れてください。
会社設立の直後に大きな設備を入れるなら、その設備を何年使うつもりかを考えてください。数年で手放す可能性があるなら、支援を使わないほうが身軽です。
顧客に貸与する事業運営における機械装置等も対象外とされています。駐車場経営、貸倉庫経営、コインランドリー事業などが例として挙げられています。有償で貸与することを目的とした機械装置等も同じです。会社設立でこうした事業を始めるなら、設備の支援は期待しないでください。
出典:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第19回公募 公募要領(小規模事業者持続化補助金事務局/2026-09-05 確認)
経費の区分を間違えない

同じものでも、どの区分に入れるかで扱いが変わることがあります。
小規模事業者持続化補助金の補助対象経費は、機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費の八つとされています。
パソコンが弾かれるのは機械装置等費の区分です。一方で、サイトの制作ならウェブサイト関連費という区分があります。
買うか借りるかでも変わります。借料という区分があるからです。
会社設立の直後は、この区分に慣れていません。計画を書く前に、八つの区分を一度読んでください。
区分ごとに上限が設けられていることもあります。公募要領で確かめてください。
会社設立の直後は、この八つの区分そのものが馴染みません。商工会議所・商工会の担当者に、自分の買い物がどこに入るかを聞いてみてください。支援の窓口はそのためにあります。
出典:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第19回公募 公募要領(小規模事業者持続化補助金事務局/2026-09-05 確認)
制度が違えば、判断も変わる

ここまでは持続化補助金の考え方です。制度が違えば、判断も変わります。
デジタル化・AI導入補助金のインボイス枠では、PC・タブレット等が補助率2分の1以内、補助上限額10万円以下で対象とされています。レジ・券売機等は補助率2分の1以内、補助上限額20万円以下です。
ただし、ハードウェアのみの申請は不可とされています。そのハードウェアがソフトウェアの使用に資するものであることが条件です。
つまり、パソコンは一律で対象外というわけではありません。制度と買い方によります。
会社設立の直後に何を買うか決めるとき、複数の制度を並べて見てください。
ひとつの制度で外れても、別の制度なら通ることがあります。
会社設立の直後にどの制度を狙うかは、買いたいものから逆算しても構いません。支援の形が制度ごとに違うので、当てはまるほうを選んでください。
出典:インボイス枠(インボイス対応類型)(デジタル化・AI導入補助金2026 事務局/2026-09-05 確認)
判断がつかないときは、聞く

読んでも判断がつかないことは必ず出てきます。そのときは自己判断で進めないでください。
事務局はよくある質問をまとめたページを設けています。まずそこを見てください。
載っていなければ、直接問い合わせてください。会社設立の直後で分からないことが多いのは当然です。
商工会議所・商工会の担当者も、同じような相談を数多く受けています。
自己判断で申請して、後から対象外と分かるのがいちばん惜しい結果です。書類を作る時間が無駄になります。
実績報告の段階で外れると、金額が減ります。手遅れになる前に確かめてください。
会社設立の直後に聞くことを恥ずかしがらないでください。支援の窓口は、分からない人が来る前提で設けられています。
問い合わせの記録は残しておいてください。担当者の回答をもとに進めたことが分かれば、後の確認でも説明できます。会社設立の直後は口頭のやりとりが増えますが、大事な判断はメールで残すほうが安全です。
出典:申請時によくあるご質問(FAQ)(小規模事業者持続化補助金事務局/2026-09-05 確認)
判断の手順をまとめる

ここまでを、買い物を判断する手順としてまとめます。
- 私用にも使えるものかどうかを確かめる(汎用性)
- 計画に書いた取組と結びつくかを確かめる
- 交付決定より後に発注できるかを確かめる(時期)
- どの経費の区分に入るかを確かめる
- 単価50万円以上なら、処分制限がかかることを確かめる
- 判断がつかなければ、事務局か商工会議所に聞く
国の補助金の申請はJグランツという電子申請システムを使うものが増えています。gBizIDプライムの取得には日数がかかるので、会社設立の登記が済んだら申し込んでおいてください。
Q. パソコンは絶対に対象外ですか。
A. 制度によります。インボイス枠ではソフトとあわせる形で対象になり得ます。
Q. 列挙されていないものはどう判断しますか。
A. 汎用性が高く目的外使用になりえるかどうかで考えてください。
Q. 取替えのための購入は対象ですか。
A. 単なる取替え更新は対象外とされています。
Q. 50万円以上のものを買うとどうなりますか。
A. 処分制限財産に該当し、処分には事務局の承認が要ります。
Q. 迷ったらどうすればよいですか。
A. 事務局か商工会議所・商工会に確かめてください。
出典:Jグランツ ネットで簡単!補助金申請(デジタル庁/2026-09-03 確認)
まとめ|汎用性・計画・時期

会社設立の直後に買うものが対象になるかどうかは、三つの軸でほとんど決まります。
この記事の要点
- 1私用にも使えるものは、汎用性が高いとして対象外になりやすい
- 2計画と結びつかない支出、単なる取替え更新は対象外
- 3交付決定より前の発注・支払いは対象外とされるのが一般的
- 4単価50万円以上の機械装置等は処分制限財産に該当する
- 5制度が違えば判断も変わる。複数を並べて見る
制度を横断して探すなら、J-Net21のような支援情報のサイトも使えます。会社設立の直後に一度見ておいてください。
この記事は2026年9月時点で小規模事業者持続化補助金事務局やデジタル化・AI導入補助金の事務局、中小企業庁の公表内容にあたって確認した内容です。要件は公募回ごとに変わります。申し込む前に、必ず最新の公募要領でご確認ください。
出典:J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト(中小機構/2026-09-03 確認)
買うかどうか迷っている方へ
補助金の対象になるかどうかで、買う物を決めてしまう方がいます。順番が逆です。事業に必要なものを決めてから、それが対象になるかを確かめる。この順番なら、対象外だと分かっても事業は前に進みます。会社設立の直後は判断することが多い時期です。制度に振り回されないでください。
他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください
会社設立の補助金について調べるときに、あわせて見られているサイトです。掲載の順番は、おすすめの度合いや優劣を示すものではありません。内容は各サイトの運営者にご確認ください。
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