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会社設立費用は、いつ・いくら現金が要るか|支払いの順番で見る

公開 文責 会社設立・設立後の補助金のプロ

この記事を読んでほしい方

会社設立の総額は調べたが、いつ払うのかが分からない方に向けた記事です。

総額が分かっても、資金繰りは組めません。要るのは、日付ごとの額です。

会社設立費用が出ていく順番
会社設立費用が出ていく順番

01総額ではなく、日付で見る

総額ではなく、日付で見る|会社設立の補助金と支援
総額ではなく、日付で見る

会社設立費用を調べると、総額が出てきます。

株式会社なら25万円ほど、合同会社なら10万円ほど、といった具合です。

ただ、その数字だけでは資金繰りが組めません。

いつ、いくら出ていくかが分からないからです。

会社設立の手続きは、数週間にわたって進みます。

設立の登記の申請は、本店の所在地を管轄する法務局におこないます。

その前に、定款の認証と資本金の払込みがあります。

それぞれの場面で、支払いが発生します。

順番に沿って並べると、手元にいくら要るかが見えてきます。

補助金を当てにして会社設立の資金を組むのは危険です。補助金は後払いで、そもそも会社設立の費用は対象外であることがほとんどです。支援を受けられるのは、もっと先の段階になります。

会社設立の準備は、思い立った日から登記の完了まで一か月から二か月かかることが珍しくありません。証明を取るなら、そこにさらに数か月が乗ります。その間ずっと、支出だけが続きます。売上はまだ立ちません。この形を先に頭に入れておいてください。

出典商業・法人登記申請手続(法務局/2026-09-03 確認)

02最初に出るのは、印鑑と証明書

最初に出るのは、印鑑と証明書|会社設立の補助金と支援
最初に出るのは、印鑑と証明書

最初の支出は、思ったより早く来ます。

会社の実印を作る費用です。

あわせて、銀行印や角印を作る方もいます。

次に、発起人と役員の印鑑証明書を取ります。

これは市区町村で取るもので、一通あたりの手数料がかかります。

人数が多ければ、その分だけ増えます。

金額としては小さいのですが、会社設立の準備を始めた最初の週に出ていきます。

この時点では、まだ法人の口座はありません。

個人の財布から出すことになります。

印鑑証明書は、会社設立の後も何度か求められます。補助金や融資の申請でも使う場面があるので、有効期限を意識して取ってください。支援の窓口では発行から3か月以内といった条件が付くこともあります。

共同で会社設立をするなら、人数分の印鑑証明書が要ります。誰が取りに行くか、費用を誰が立て替えるかも決めておいてください。細かい話ですが、こういうところから食い違いが始まります。

出典よくあるご質問等<商業・法人登記関係>(法務局/2026-09-03 確認)

03定款の認証で、まとまった額が動く

定款の認証で、まとまった額が動く|会社設立の補助金と支援
定款の認証で、まとまった額が動く

次が、定款の認証です。

株式会社の場合、定款は公証人の認証を受けなければ効力を生じないとされています。

日本公証人連合会は、公証事務の手数料を公表しています。

定款の認証の手数料は、資本金の額によって段階が分かれる形になっています。

あわせて、定款の謄本の交付手数料もかかります。

紙の定款で進める場合は、ここに印紙税が加わります。

電子定款であれば、この負担は生じません。

合同会社の場合、定款の認証そのものが不要です。

つまり、会社の形によってこの日の支払いが大きく変わります。

最新の額は、必ず公証人連合会のページで確かめてください。

合同会社を選べば、この日の支払いが丸ごとなくなります。会社設立費用を抑えたいなら、いちばん効く選択です。補助金の対象という点では、株式会社と合同会社で差は付きません。支援の受けやすさで形を選ぶ必要はないということです。

公証役場へは、事前に定款の案を送って確認してもらうのが通例です。当日いきなり持ち込んでも、その場で直しが入れば戻されます。会社設立の日程を守りたいなら、ここは余裕を持ってください。

出典手数料(日本公証人連合会/2026-09-03 確認)

04資本金は、費用ではない

資本金は、費用ではない|会社設立の補助金と支援
資本金は、費用ではない

ここで一度、整理しておきます。

資本金の払込みは、費用ではありません。

会社の資金として、そのまま会社に残ります。

ただし、払い込んだ時点では手元から動かせなくなります。

払込みがあったことを証する書面が、登記の添付書類になるからです。

つまり、資本金の額だけ現金が拘束される期間ができます。

会社設立の資金計画では、この点を見落としがちです。

日本政策金融公庫の創業計画書には、必要な資金と調達の方法を書く欄があります。

会社設立費用と資本金を分けて書き込んでみてください。

手元に残る額が見えてきます。

資本金を大きくすると、見た目は整いますが手元が薄くなります。会社設立の直後は、補助金も融資も入ってこない時期です。支援が届くまでを自力で持ちこたえられる額を残してください。

資本金は、登記が済めば会社の資金として使えます。ただし、それは口座ができてからです。払い込んでから使えるようになるまでの期間を、必ず見込んでください。会社設立の資金計画でいちばん見落とされる部分です。

出典創業計画の書き方|START 政策金融公庫の創業支援(日本政策金融公庫/2026-09-08 確認)

05登記の申請で、いちばん大きい額が出る

登記の申請で、いちばん大きい額が出る|会社設立の補助金と支援
登記の申請で、いちばん大きい額が出る

会社設立費用のうち、最も大きいのが登録免許税です。

株式会社なら資本金の0.7パーセントと15万円のうち高いほう、合同会社なら6万円が下限です。

この額を、登記の申請のときに納めます。

市区町村の特定創業支援等事業の証明を受けていれば、この税率が軽減されます。

ただし、証明は登記の前に取っておく必要があります。

登記が済んでから取っても、遡って戻ることはありません。

会社設立の日程を組むうえで、いちばん重い制約になります。

数か月前から動く必要があるということです。

手元の現金が少ないほど、この軽減の意味は大きくなります。

この証明は、補助金の側にも効きます。小規模事業者持続化補助金の創業型は、特定創業支援等事業の支援を受けていることが前提とされています。一つの証明で、税の軽減と補助金の入口の両方が開くということです。

登録免許税は、収入印紙で納める形が一般的です。申請の当日に用意することになるので、その日に現金が要ります。会社設立の支出の中で、日付がはっきりしている数少ない項目です。

出典産業競争力強化法、経済産業省関係産業競争力強化法施行規則(中小企業庁/2026-09-03 確認)

06登記の後にも、支払いは続く

登記の後にも、支払いは続く|会社設立の補助金と支援
登記の後にも、支払いは続く

登記が完了しても、支出は止まりません。

登記事項証明書と印鑑証明書を取ることになります。

これらは、その後の手続きで何度も求められます。

銀行の口座の開設、税務署への届出、補助金や融資の申請。

一通ずつ取っていると、そのたびに法務局へ行くことになります。

会社設立の直後に、複数枚まとめて取っておくほうが手間も費用も抑えられます。

申請の様式は法務局が公開しているので、何が必要かは事前に分かります。

あわせて、法人の印鑑カードの交付も受けます。

ここまでで、会社設立の手続きが一区切りします。

登記事項証明書は、補助金の申請でも求められます。会社設立の直後にまとめて取っておくと、支援の申請のたびに走らずに済みます。

印鑑カードがないと、法人の印鑑証明書は取れません。登記の完了後に交付を受ける手続きが要ります。会社設立の直後にまとめて片づけておいてください。

出典商業・法人登記の申請書様式(法務局/2026-09-03 確認)

07口座ができるまでの空白

口座ができるまでの空白|会社設立の補助金と支援
口座ができるまでの空白

実務でつまずくのが、この空白の期間です。

登記の申請から完了までに、日数がかかります。

完了してから登記事項証明書を取り、それを持って銀行へ行きます。

口座の開設にも、審査と日数がかかります。

つまり、会社設立の日から法人としてお金を動かせるまでに、数週間の空白が生じます。

その間の仕入れや家賃も、個人が立て替えることになります。

税務署への届出も、この時期に期限が来ます。

法人設立届出書をはじめ、出すべき書類が決まっています。

会社設立の直後は、手続きと支出が重なる時期だと考えてください。

この空白の期間に補助金の公募が締め切られることもあります。会社設立の日程を組むときは、支援の暦も並べて見てください。

口座の開設では、事業の実体を確認されることがあります。会社設立の目的や取引の見込みを説明できるようにしておいてください。断られると、さらに時間がかかります。

届出には、それぞれ期限があります。税務署だけでなく、都道府県と市区町村にも出すものがあり、人を雇うなら年金事務所と労働基準監督署も加わります。会社設立の直後に一覧を作って、片づけた順に消していってください。手続きが遅れると、後の支援の申請にも響きます。

出典C1-4 内国普通法人等の設立の届出(国税庁/2026-09-03 確認)

08手元にいくら残すか

手元にいくら残すか|会社設立の補助金と支援
手元にいくら残すか

ここまでを踏まえて、必要な現金を出してみてください。

  1. 会社設立費用(印鑑・証明書・認証・登録免許税・報酬)
  2. 資本金として払い込む額
  3. 口座ができるまでの数週間分の運転資金
  4. 事業を始めてから入金があるまでの運転資金
  5. その間の生活費

合計が自己資金を超えるなら、融資の相談が要ります。

創業関連保証は事業を営む前であっても利用可能な制度とされ、創業計画段階にあり今後創業する者も保証対象者に含まれます。

信用保証協会による100パーセント保証で、最大3,500万円の資金調達が可能とされています。

Q. 会社設立費用はいつ払いますか。

A. 印鑑と証明書、定款の認証、登記の申請、証明書の取得と、数週間にわたって順に出ていきます。

Q. 資本金は費用ですか。

A. 費用ではありません。ただし払い込んだ時点で手元から動かせなくなります。

Q. いちばん大きい支出は何ですか。

A. 登録免許税です。証明による軽減を受けられるかを先に確かめてください。

Q. 証明はいつ取りますか。

A. 登記の前です。済んでから取っても遡りません。

Q. 口座はいつ開けますか。

A. 登記が完了し、登記事項証明書を取ってからです。数週間の空白が生じます。

補助金は後払いなので、資金繰りの計算には入れないでください。支援が入るのは、事業を終えて報告した後です。

融資は、会社設立の前から相談できます。登記を待たずに動けるので、資金の目処を立ててから登記へ進むという順番も取れます。

出典創業期に利用可能な信用保証制度について(経済産業省/2026-09-08 確認)

09まとめ|日付ごとに並べると、必要額が見える

まとめ|日付ごとに並べると、必要額が見える|会社設立の補助金と支援
まとめ|日付ごとに並べると、必要額が見える

会社設立費用は、一度に出ていくものではありません。

この記事の要点

  • 1印鑑と印鑑証明書が最初。準備を始めた週から出ていく
  • 2定款の認証でまとまった額。紙の定款なら印紙税も加わる
  • 3資本金は費用ではないが、払込みの時点で手元から動かせなくなる
  • 4登記の申請で登録免許税。証明による軽減は登記の前でないと効かない
  • 5登記の完了から法人の口座ができるまで、数週間の空白がある

会社設立の資金は、余裕を見て組んでください。想定どおりに進まないことのほうが多いからです。

支援の情報は、J-Net21のようなサイトからも探せます。会社設立の資金の計画とあわせて見ておいてください。

この記事は2026年9月時点で法務局、日本公証人連合会、中小企業庁、経済産業省、日本政策金融公庫の公表内容にあたって確認した内容です。金額と順番は状況で変わります。必ず各窓口でご確認ください。

出典J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト(中小機構/2026-09-03 確認)

総額だけ調べて安心している方へ

会社設立費用を調べて、これなら払えると判断した方は多いはずです。ただ、その総額は一日で出ていくものではありません。数週間にわたって、少しずつ、しかも法人の口座がない状態で出ていきます。必要なのは総額ではなく、日付ごとの額です。カレンダーに書き込んでみてください。思っていたより長い期間、自分の財布が会社の財布になることが分かります。

99他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください

会社設立の補助金について調べるときに、あわせて見られているサイトです。掲載の順番は、おすすめの度合いや優劣を示すものではありません。内容は各サイトの運営者にご確認ください。

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