会社設立の後、不採択だったら|次の回に向けて積み直すもの
この記事を読んでほしい方
補助金に申し込んで、不採択の通知が届いた方に向けた記事です。次があります。
理由は教えてもらえません。それでも、直せるところは公募要領に書いてあります。

不採択は、珍しいことではない

会社設立の後、初めて補助金に申し込んで落ちると、こたえます。
何週間もかけて書いたものが、一行の通知で終わります。
ただ、これは制度の前提として書かれていることでもあります。
持続化補助金の公募要領には、本補助金は審査があり、不採択になる場合があると明記されています。
あわせて、審査の結果次第では申請している補助金申請額から減額または全額対象外となる場合もあるとされています。
つまり、出せば通るものではないということです。
会社設立の直後は実績がないので、計画の書き方だけで勝負することになります。
最初の一回で通らなくても、おかしなことではありません。
問題は、次にどう直すかです。
会社設立の直後は、時間の使い方が読めません。申請に何十時間もかけたことを、無駄だったと感じる方もいます。ただ、書いた計画そのものは残ります。会社設立の後の事業を言葉にした一枚として、融資の相談でもそのまま使えます。
出典:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第19回公募 公募要領(小規模事業者持続化補助金事務局/2026-09-05 確認)
理由は教えてもらえない

まず知っておくべきことがあります。
公募要領には、採択審査結果の内容についての問い合わせには応じかねると書かれています。
つまり、なぜ落ちたかは教えてもらえません。
採択審査は非公開で、提出資料により行われるとされています。
提案内容に関するヒアリングは実施しないとも明記されています。
審査委員会は、有識者等により構成されるとされています。
会社設立の直後で相談相手が少ないと、ここで手が止まります。
それでも、手がかりはあります。
公募要領に審査の観点が書かれているからです。
落ちた計画を、その観点で自分で読み直すことはできます。
会社設立の後で相談相手が少ないうちは、落ちた理由を自分の中だけで探しがちです。それでは同じところを回るだけになります。公募要領という共通のものさしを使ってください。
出典:小規模事業者持続化補助金【一般型・通常枠】(小規模事業者持続化補助金事務局(商工会地区)/2026-09-08 確認)
自分の言葉になっているかを疑う

見直すとき、最初に疑うべき点があります。
公募要領には、この補助金は小規模事業者が自ら自社の経営を見つめ直し、経営計画を策定したうえでおこなう販路開拓の取組を支援するものとされています。
そのため、事業者自らが検討しているような記載が見られない場合や、自らが検討していなかったことが発覚した場合、評価に関わらず不採択・交付決定取消となると明記されています。
評価に関わらず、という言い方です。
どれだけ整った文章でも、借り物だと判断されれば通りません。
会社設立の後で忙しく、雛形をそのまま使った覚えがあるなら、そこを疑ってください。
自分の店の話、自分の客の話が書いてあるか。
数字の裏に、自分で数えた根拠があるか。
そこが薄いと、読めば分かるものです。
会社設立の後に補助金の代行を持ちかけられることもあります。公募要領には、提供するサービスの内容と乖離した高額なアドバイス料金を請求される業者への注意も書かれています。落ちた直後は判断が鈍るので、ここは気をつけてください。
第三者の支援を受けている場合は、支援料金の支払いの有無にかかわらず、様式2の確認事項でその旨を入力することとされています。隠しても意味がありません。会社設立の後の支援の受け方として、正直に書いたうえで中身は自分で持つ、という形にしてください。
出典:申請時によくあるご質問(FAQ)(小規模事業者持続化補助金事務局/2026-09-05 確認)
重複と、過去の回数を確かめる

計画の中身とは別の理由で落ちることもあります。
公募要領には、同一事業者が同一内容で本制度以外の国の補助事業や委託事業等と併願している場合には、不合理な重複および過度な集中を排除するため、重複して採択しないとされています。
複数の制度に同じ計画で出していると、ここで外れます。
また、より多くの事業者に補助事業を実施してもらうため、過去の補助事業の実施回数等に応じて段階的に減点調整をおこなうとされています。
過去に採択されている場合は、全体を通してそれぞれ実施回の事業実施結果を踏まえた補助事業計画を作成できているか、過去の補助事業と比較して明確に異なる新たな事業であるかという観点からも審査されるとされています。
会社設立の直後で初めての申請なら、この点は関係ありません。
二回目、三回目のときに効いてきます。
同じ内容の使い回しは通らないということです。
会社設立の後に複数の制度を並行して調べていると、同じ計画を使い回しがちです。似た内容でも、制度ごとに趣旨が違います。どの制度の何に応えるのかを、書き分けてください。
出典:小規模事業者持続化補助金(商工会議所地区)(小規模事業者持続化補助金事務局/2026-09-05 確認)
加点の選び方を、要領どおりにする

加点の扱いも、確かめておいてください。
公募要領では、政策的観点から加点審査をおこなうとされ、重点政策加点と政策加点からそれぞれ1種類、合計2種類まで選択できるとされています。
2種類以上を選択した場合には加点審査の対象とならないと明記されています。
つまり、欲張って選ぶと加点が丸ごと消えます。
落ちた申請で、ここを間違えていないか見てください。
また、賃上げの要件を申請して達成できなかった場合の扱いもあります。
未達が報告されてから18か月の間、中小企業庁が所管する補助金への申請にあたって、正当な理由が認められない限り大幅に減点するとされています。
会社設立の直後に無理な賃上げを約束すると、後の申請まで重くなります。
できる範囲で組み直してください。
会社設立の一年目に無理な数字を置くと、翌年以降ずっと引きずります。届かなかったときの扱いまで含めて、要領に書かれているとおりです。
出典:小規模事業者持続化補助金【一般型・通常枠】(小規模事業者持続化補助金事務局(商工会地区)/2026-09-08 確認)
落ちた計画を、人に見てもらう

同じ人が同じ視点で直しても、大きくは変わりません。
落ちた計画をそのまま持って、窓口へ行ってください。
よろず支援拠点は、国が全国に設置している経営相談所です。相談は無料で、回数の定めは設けられていません。
分野の専門家が配置されているので、業種に近い相手に当たることもあります。
商工会・商工会議所も、事業支援計画書を発行する立場から見てくれます。
どこが伝わらないかを、外から言ってもらうのがいちばん早い直し方です。
会社設立の直後は、自分の事業を説明する練習の量が足りません。
回数を重ねると、書き方も変わってきます。
ただし、中身を考える部分は手放さないでください。
自ら検討していないと判断されれば、次も通りません。
会社設立の後、事業の説明を人にする機会は思ったより少ないものです。窓口はその練習の場にもなります。
落ちた計画を持ち込むと、相手も具体的に指摘できます。白紙で相談に行くより、はるかに実のある時間になります。会社設立の後の相談は、この形がいちばん効率的です。
出典:よろず支援拠点(中小機構 よろず支援拠点全国本部/2026-09-05 確認)
次の回まで待つ間にできること

次の公募まで、数か月あくことがあります。
その間、計画を寝かせておくだけではもったいない話です。
認定を受ける仕組みを使うという手があります。
経営革新計画は、中小企業等経営強化法にもとづき都道府県知事等が承認する計画です。
承認を受けると、融資や信用保証の面で支援が用意されています。
計画を作る過程そのものが、補助金の申請書を書く練習にもなります。
会社設立の後に一度整理しておくと、次の申請が早く進みます。
また、特定創業支援等事業の証明をまだ取っていないなら、この期間に取る手もあります。
創業型の対象になるなら、狙う枠が増えます。
待つ時間を、材料を増やす時間に変えてください。
会社設立の後に認定を一つ持っておくと、融資の場面でも話が早くなります。補助金だけを目的にせず、材料として積んでください。
出典:経営革新支援(中小企業庁/2026-09-03 確認)
補助金以外の道も、並べて見る

最後に、視野を広げる話をします。
補助金は資金を得る手段の一つにすぎません。
経済産業省の案内では、創業関連保証は事業を営む前であっても利用可能な制度とされ、創業後5年未満の者も保証対象者に含まれます。
信用保証協会による100パーセント保証で、最大3,500万円の資金調達が可能とされています。
補助金は後払いですが、融資は必要なときに手元へ入ります。
落ちたことで予定が止まるなら、こちらで動かす選択もあります。
- 設備を今すぐ入れる必要があるか、来期でもよいかを分ける
- 急ぐものは融資、待てるものは次の公募に回す
- 雇用に関わるものは、助成金の棚を別に見る
- 自治体の制度も、国とは別に確かめる
Q. 落ちた理由を聞けますか。
A. 採択審査結果の内容についての問い合わせには応じかねるとされています。
Q. 同じ計画で再申請できますか。
A. 公募回ごとに申請できますが、同じ内容の使い回しは評価されにくい作りになっています。
Q. 複数の制度に同時に出せますか。
A. 同一内容での併願は、重複して採択しないとされています。
Q. 加点は多いほうがいいですか。
A. 2種類までです。それ以上選ぶと加点審査の対象になりません。
Q. 次まで何をすればいいですか。
A. 認定計画の取得や証明の取得など、材料を増やす時間に充ててください。
会社設立の後の資金の手当ては、一本に頼らないほうが安全です。補助金が落ちても事業が止まらない形にしておいてください。
出典:創業期に利用可能な信用保証制度について(経済産業省/2026-09-08 確認)
まとめ|落ちた一回を、材料にする

会社設立の後の一回目で落ちるのは、よくあることです。
この記事の要点
- 1不採択になる場合があると公募要領に明記されている。落ちること自体は前提
- 2審査結果の内容は問い合わせできない。公募要領の審査の観点で自分で読み直す
- 3自ら検討していないと判断されると、評価に関わらず不採択・交付決定取消
- 4同一内容の併願は重複して採択されない。過去の実施回数で減点調整もある
- 5加点は重点政策加点・政策加点からそれぞれ1種類、合計2種類まで
一回目で落ちた方の多くが、二回目、三回目で通っています。会社設立の後の支援は、続けた人のところへ回ってきます。
次の公募や他の制度を探すなら、J-Net21のような支援情報のサイトが使えます。会社設立の後は、定期的に見ておいてください。
この記事は2026年9月時点で小規模事業者持続化補助金の公募要領と経済産業省、中小企業庁の公表内容にあたって確認した内容です。審査の観点は公募回ごとに示されます。必ずその回の公募要領でご確認ください。
出典:J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト(中小機構/2026-09-03 確認)
通知を見て、手が止まっている方へ
不採択の通知には、理由が書かれていません。何が悪かったのかも分からないまま、次を書く気力が出ない。会社設立の後の一年目なら、なおさらです。ただ、審査の観点は公募要領に公開されています。採点表が配られているのに、それを見ずに落ち込んでいる状態かもしれません。まずは要領を開いて、自分の計画と並べてください。直せるところは、たいてい見つかります。
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