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建設業の財産的基礎500万円と、会社設立の資本金

公開 文責 会社設立・設立後の補助金のプロ

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建設業の許可を見据えて会社設立をする方に向けた記事です。資本金をいくらにするかは、許可の要件と税の扱いの両方に関わります。決める前に整理します。

建設業の許可には財産的基礎の要件があります。会社設立の資本金をどう決めるかは、そこから逆算することになります。

建設業許可の財産的基礎の要件
建設業許可の財産的基礎の要件

一般建設業なら、三つのうちいずれか

一般建設業なら、三つのうちいずれか|会社設立の補助金と支援
一般建設業なら、三つのうちいずれか

建設業の許可には、財産的基礎等という要件があります。法第7条第4号と第15条第3号に定められています。

一般建設業の場合、国土交通省が示す要件は三つのいずれかを満たすことです。自己資本が500万円以上あること、500万円以上の資金を調達する能力があること、または過去5年間許可を受けて継続して営業した実績があること。

会社設立をしたばかりなら、三つ目は使えません。実質的には最初の二つのどちらかになります。

自己資本というのは、資本金そのものではありません。貸借対照表の純資産の部の額です。会社設立の直後なら資本金とほぼ同じですが、赤字が出れば減ります。

資金調達能力については、金融機関の残高証明書などで示す形が一般的です。許可行政庁で確かめてください。

つまり、会社設立の資本金を500万円以上にするか、別の方法で示すかの選択になります。

補助金でこの500万円を用意することはできません。補助金は後払いで、しかも事業を伸ばす投資に使うものだからです。会社設立の段階では、自己資金と融資で組み立ててください。

自己資本は毎期の決算で動きます。会社設立の一期目が赤字になると、資本金500万円でも自己資本が500万円を割ることがあります。許可の更新は5年ごとなので、そのときに要件を満たしているかが問われます。会社設立のときに余裕を持たせておくほうが安全です。

出典建設産業・不動産業:許可の要件(国土交通省/2026-09-04 確認)

特定建設業は、水準がまったく違う

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特定建設業は、水準がまったく違う

特定建設業になると、要件の水準が上がります。しかも、いずれかではなくすべてを満たす必要があります。

国土交通省が示す内容では、欠損の額が資本金の20パーセント以下であること、流動比率が75パーセント以上であること、資本金が2,000万円以上かつ自己資本が4,000万円以上であることとされています。

会社設立の直後にこの水準を満たすのは、簡単ではありません。

特定建設業が必要になるのは、5,000万円、建築工事業は8,000万円以上となる下請契約を締結する場合です。

会社設立の直後にそこまでの規模の元請をするなら別ですが、多くの場合は一般建設業から始めることになります。

事業が育ってから特定建設業に進むという順番で構いません。

補助金の枠を気にして資本金を抑えると、特定建設業の道が遠のきます。会社設立の時点でどこまで伸ばすつもりかを決めておいてください。

出典建設産業・不動産業:許可の要件(国土交通省/2026-09-04 確認)

資本金を大きくすると、税と支援に響く

資本金を大きくすると、税と支援に響く|会社設立の補助金と支援
資本金を大きくすると、税と支援に響く

財産的基礎のために資本金を厚くすると、別のところに影響が出ます。

会社設立の登録免許税は、株式会社なら資本金の0.7パーセント、それが15万円に満たなければ15万円です。資本金500万円なら3万5,000円となり、下限の15万円のほうが効いてきます。

資本金が約2,143万円を超えると、0.7パーセントで計算した額が15万円を上回ります。特定建設業を見据えて2,000万円以上にするなら、この境目に近づきます。

特定創業支援等事業の証明を受けると、この税率が0.35パーセントに軽減されます。資本金が大きいほど、軽減の効果も大きくなります。

建設業で会社設立をして資本金を厚くする予定なら、この軽減は必ず使ってください。

証明を受けるには一定の期間がかかります。会社設立の日から逆算して動いてください。

補助金ではなく税の軽減なので、審査で落ちることがありません。会社設立の費用を確実に減らせる方法です。

合同会社なら登録免許税の下限が6万円になり、定款認証も要りません。建設業の許可は会社の形を問わないので、合同会社で会社設立をして許可を取ることもできます。元請が株式会社を求めるかどうかで判断してください。

出典産業競争力強化法、経済産業省関係産業競争力強化法施行規則(中小企業庁/2026-09-03 確認)

1,000万円という、別の境目

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1,000万円という、別の境目

資本金にはもうひとつ境目があります。消費税です。

国税庁は、基準期間がない法人のうち、その事業年度開始の日における資本金の額または出資の金額が1,000万円以上である法人については、消費税の納税義務は免除されないとしています。

会社設立の1期目と2期目には基準期間がありません。資本金を1,000万円未満にしておけば、原則としてこの期間は免除されます。

一般建設業の財産的基礎は500万円以上なので、1,000万円未満に抑えたまま要件を満たせます。ここは両立します。

特定建設業を目指して2,000万円以上にすると、この免除は受けられません。会社設立の当初からどちらを狙うかで、判断が変わります。

インボイスの登録をする場合は、免税かどうかの意味が変わります。税理士に相談してください。

建設業は外注の割合が高い業種です。補助金の対象経費にも外注費という区分がある制度があります。消費税の扱いとあわせて考えてください。

出典No.6503 基準期間がない法人の納税義務の免除の特例(国税庁/2026-09-04 確認)

補助金の枠にも、資本金が関わる

補助金の枠にも、資本金が関わる|会社設立の補助金と支援
補助金の枠にも、資本金が関わる

国の補助金の多くは、対象を中小企業者や小規模事業者と定めています。その線引きに資本金の額が使われます。

小規模事業者持続化補助金も、対象は小規模事業者です。従業員数の基準は業種によって分かれています。

建設業で会社設立をして資本金を厚くすると、この枠から外れることがあります。財産的基礎の要件と、支援の枠。両方を見て決めてください。

線引きの額は業種によって違います。狙う制度の公募要領で確かめてください。

許可の要件が優先です。支援の枠に収めるために許可が取れなくなっては本末転倒です。

どうしても両立しないなら、許可を取ってから増資するという順番も考えられます。

会社設立の直後に補助金を狙う予定がないなら、この点は気にしすぎなくて構いません。許可の要件を優先してください。

出典小規模事業者持続化補助金(中小企業庁/2026-09-03 確認)

資金は、融資で用意するのが現実的

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資金は、融資で用意するのが現実的

500万円という額を自己資金だけで用意するのは、簡単ではありません。融資を組み合わせることになります。

日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金は、新たに事業を始める方や事業開始後おおむね7年以内の方を対象とする制度です。会社設立の前から相談できます。

ただし、借りたお金は負債にもなります。自己資本という要件との関係を、許可行政庁と金融機関の両方で確かめてください。

資金調達能力で示す道もあります。この場合、残高証明書などで示す形になります。

建設業は、材料費や人件費を先に払って入金が後になる事業です。財産的基礎とは別に、運転資金も要ります。

会社設立の資金計画では、この立替えの期間を厚めに見込んでください。

補助金は後払いなので、運転資金の代わりにはなりません。会社設立の直後の資金繰りは、融資で組み立ててください。

入金までの期間は、元請との契約の条件で決まります。会社設立の直後は交渉力が弱いので、支払いのサイトが長くなりがちです。その分だけ運転資金が要ると考えてください。財産的基礎の500万円とは別に、手元に置いておく資金です。

出典新規開業・スタートアップ支援資金(日本政策金融公庫/2026-09-03 確認)

経営者保証を外せる制度もある

経営者保証を外せる制度もある|会社設立の補助金と支援
経営者保証を外せる制度もある

会社設立をして融資を受けるとき、経営者保証という論点が出てきます。

都道府県の制度融資には、経営者保証を外せる枠を用意しているものがあります。愛知県の創業等支援資金では、経営者保証免除という区分で担保も連帯保証人も不要とされています。

その代わり、保証料率が上乗せされる設計です。個人保証を外す対価だと考えてください。

建設業は工事の規模によって借入も大きくなります。会社設立の直後に個人保証をつけるかどうかは、慎重に判断してください。

制度は都道府県によって違います。会社設立の本店を置く都道府県の制度を確かめてください。

金融機関の窓口でも相談できます。

補助金と融資は併用できます。会社設立の直後は融資で土台を作り、事業が動き出してから補助金を狙ってください。

建設業では、工事が進むにつれて追加の資金が要る場面があります。会社設立の直後に借りられる枠を確保しておくと、そのときに動けます。必要になってから相談するより、先に枠を作っておくほうが確実です。

出典愛知県経済環境適応資金「創業等支援資金(創業)」(愛知県信用保証協会/2026-09-05 確認)

資本金を決めるときの見方

資本金を決めるときの見方|会社設立の補助金と支援
資本金を決めるときの見方

ここまでを、会社設立の資本金を決めるときの判断としてまとめます。

  • 許可の要件|一般建設業なら自己資本500万円以上などのいずれか
  • 消費税|1,000万円未満なら1期目・2期目は原則として免除
  • 登録免許税|資本金の0.7%。証明があれば0.35%
  • 補助金の枠|大きすぎると中小企業者の枠から外れることがある

特定建設業を目指すなら、資本金2,000万円以上かつ自己資本4,000万円以上という水準になります。一般建設業から始めるかどうかを先に決めてください。

Q. 資本金は500万円必要ですか。

A. 必要なのは自己資本または資金調達能力です。会社設立の直後は資本金がその基礎になります。

Q. 融資で用意してもよいですか。

A. 資金調達能力で示す道があります。許可行政庁で確かめてください。

Q. 1,000万円にすると何が変わりますか。

A. 設立1期目・2期目でも消費税の納税義務が免除されなくなります。

Q. 特定建設業はいつ必要ですか。

A. 5,000万円、建築工事業は8,000万円以上の下請契約を締結する場合です。

Q. 後から増資できますか。

A. できます。ただし登録免許税がかかります。

出典建設産業・不動産業:建設業の許可とは(国土交通省/2026-09-04 確認)

まとめ|許可の要件から逆算する

まとめ|許可の要件から逆算する|会社設立の補助金と支援
まとめ|許可の要件から逆算する

建設業で会社設立をするとき、資本金は許可の要件から逆算して決めます。支援の枠は、その後で確かめてください。

この記事の要点

  • 1一般建設業は、自己資本500万円以上・資金調達能力500万円以上・5年の営業実績のいずれか
  • 2特定建設業は、資本金2,000万円以上かつ自己資本4,000万円以上などをすべて満たす
  • 3資本金1,000万円未満なら、設立1期目・2期目は原則として消費税が免除される
  • 4500万円なら、許可の要件と消費税の免除を両立できる
  • 5資本金が大きすぎると、補助金の中小企業者の枠から外れることがある

制度を横断して探すなら、J-Net21のような支援情報のサイトも使えます。会社設立の準備の段階で一度見ておいてください。

この記事は2026年9月時点で国土交通省や国税庁、中小企業庁、日本政策金融公庫、愛知県信用保証協会の公表内容にあたって確認した内容です。要件は改正されます。会社設立を進める前に、必ず最新の情報と許可行政庁でご確認ください。

出典J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト(中小機構/2026-09-03 確認)

資本金をいくらにするか迷っている方へ

建設業の会社設立では、資本金が三つの制度に同時に効いてきます。許可の要件、消費税、補助金の枠。ばらばらに考えると答えが出ません。500万円という数字は、許可の要件を満たしつつ消費税の免除も残せる位置にあります。まずここを起点に、事業の規模に合わせて調整してください。

他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください

会社設立の補助金について調べるときに、あわせて見られているサイトです。掲載の順番は、おすすめの度合いや優劣を示すものではありません。内容は各サイトの運営者にご確認ください。

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