建設業で会社設立した後に狙う補助金|設備とITと販路
この記事を読んでほしい方
建設業で会社設立をして許可も取り、事業を伸ばす段階に入った方に向けた記事です。設備、IT、販路。それぞれに当てはまる制度を整理します。
許可を取って人も揃ったら、次は事業を伸ばす段階です。ここからが補助金の出番になります。

設備の補助金は、交付決定を待てるかどうか

建設業では、機械や車両への投資が大きな比重を占めます。この費用に補助金が使えるかどうかは、時期で決まります。
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金は、革新的な製品・サービスの開発や生産プロセスの改善のための設備投資等を支援する制度です。
多くの制度は、交付決定より前の発注や支払いを対象外としています。会社設立の直後にすぐ機械が要るなら、待っていられません。
その場合は順番を変えてください。開業前の設備は融資で用意し、開業後の追加の投資に補助金を当てるという形です。
金額の規模が大きいぶん、求められる計画の中身も重くなります。会社設立の直後に実績のない状態で書くのは簡単ではありません。
一期目の決算が出ると、計画が書きやすくなります。設備の補助金はそこから狙うほうが現実的です。
会社設立の直後に必要な機械は、自前で用意する前提で計画してください。補助金を待つのは、二台目からです。
出典:ものづくり補助金(中小企業庁/2026-09-03 確認)
事務の仕組みには、別の制度が近い

建設業は書類の多い仕事です。見積、契約、工程、請求。ここを仕組みにすると効きます。
デジタル化・AI導入補助金は、業務の仕組みへの投資を支援する制度です。旧IT導入補助金の名称で覚えている方も多いはずです。
通常枠のほか、インボイス枠やセキュリティ対策推進枠などが用意されています。申請は、登録されたIT導入支援事業者と共同でおこないます。
使える製品は、登録されたITツールに限られます。建設業向けの製品も登録されています。
事務用のパソコンを一台買うといった支出は対象外とされるのが一般的です。仕組みとして入れる形が前提です。
会社設立の直後に型を作っておくと、人が増えたときの引き継ぎが楽になります。
会社設立の直後は、紙とやり取りで回している会社がほとんどです。人数が少ないうちに仕組みを入れておくほうが、定着します。
建設業では、時間外労働の管理も課題になっています。工程と人の配置を記録に残す仕組みがあると、その把握が楽になります。会社設立の直後にここを整えておくと、人が増えてからの負担が変わります。
出典:デジタル化・AI導入補助金2026(旧 IT導入補助金)(中小機構/2026-09-03 確認)
販路を開くなら、持続化補助金

元請を増やしたい、直接の受注を取りたい。そういう段階なら販路開拓の制度です。
小規模事業者持続化補助金は、自ら策定した経営計画にもとづく販路開拓等の取組を支援する制度です。申請にあたっては、地域の商工会議所・商工会への相談と計画書の確認が必須とされています。
サイトの制作、会社案内、展示会への出展。建設業でも使える取組があります。
補助対象経費は、機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費の八つとされています。
ただし、汎用性が高く目的外使用になりえるものは対象外です。自動車等車両も、機械及び装置の区分に該当するものを除いて対象外とされています。
建設業では車両の扱いが問題になりやすいので、公募要領をよく読んでください。
会社設立の直後は、元請からの紹介で仕事が回ることが多いはずです。それでも、自分で取れる経路を作っておくと、景気が変わったときに効きます。
建設業では、施工の実績を写真や図面で示せることが強みになります。会社設立の直後から、現場の記録を残しておいてください。サイトに載せる材料にもなりますし、補助金の計画書で自社の力を説明するときにも使えます。
出典:小規模事業者持続化補助金について(中小企業庁/2026-09-03 確認)
車両が対象になるかは、区分による

建設業でいちばん相談が多いのが、車両や重機の扱いです。
小規模事業者持続化補助金の公募要領では、自動車等車両は原則として対象外とされています。ただし、減価償却資産の耐用年数等に関する省令の機械及び装置の区分に該当するものは別です。
具体例として、ブルドーザー、パワーショベルその他の自走式作業用機械設備が挙げられています。
つまり、現場で作業をする機械なら対象になり得ますが、移動のための車両は対象外という考え方です。
また、単なる取替え更新であって新たな販路開拓につながらない機械装置等も対象外とされています。
買い替えではなく、新しい取組につながる投資かどうか。ここが判断の軸になります。
会社設立の準備で買った車両は、時期の面でも対象外になります。開業に間に合わせる必要があるなら、補助金は諦める前提で判断してください。
判断がつかないときは、買う前に事務局へ確かめてください。買ってから対象外だと分かっても、後戻りができません。会社設立の直後は資金に余裕がないので、この確認を省かないでください。
出典:小規模事業者持続化補助金について(中小企業庁/2026-09-03 確認)
買った設備には、処分の制限がかかる

補助金で設備を買うと、後の扱いに制限がかかります。
小規模事業者持続化補助金の公募要領では、単価50万円(税抜き)以上の機械装置等の購入は処分制限財産に該当するとされています。
補助事業が終了し、補助金の支払を受けた後であっても、一定の期間において処分が制限されます。処分とは、補助事業の目的外での使用、譲渡、担保提供、廃棄等です。
処分制限期間内に処分する場合には、必ず補助金事務局へ承認を申請し、承認を受けた後でなければ処分できないとされています。
建設業の機械は、担保に入れて資金を調達する場面もあります。その道が制限されるということです。
会社設立から数年で方針が変わるかもしれないなら、この点も判断に入れてください。
会社設立から数年で事業の方向が変わることは珍しくありません。制限がかかる期間を確かめてから、申請するかどうかを決めてください。
出典:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第19回公募 公募要領(小規模事業者持続化補助金事務局/2026-09-05 確認)
公募の暦を押さえておく

国の補助金は年度で予算が組まれるので、公募も年度に沿って動きます。中小機構が補助金のスケジュールを一覧で公開しています。
2026年度の内容では、小規模事業者持続化補助金の通常枠第19回と創業型第3回がいずれも2026年4月30日締切、採択発表が7月29日とされています。
ものづくり補助金は23次が2026年5月8日締切で採択発表8月7日。申請から採択まで3か月ほどかかっています。
建設業は工期に縛られる仕事です。この待ち時間と工事の予定が合うかどうかを確かめてください。
ほかにも中小企業省力化投資補助金や新事業進出補助金といった制度が並んでいます。事業が育ってきたときの選択肢です。
公募の告知は中小企業庁の補助金公募情報のページに出ます。月に一度は見ておいてください。
会社設立の直後は、公募の情報を追う余裕がないものです。月に一度と決めて見る習慣を作ってください。
年度の初めに動きが集まります。会社設立の時期によっては、その年度の回に間に合わないこともあります。次の年度に照準を合わせるという判断でも構いません。
出典:2026年度(R8年度)最新の小規模事業者・中小企業向け補助金スケジュール(中小機構 補助金活用ナビ/2026-09-05 確認)
申請の入口は、電子申請システム

国の補助金の申請は、Jグランツという電子申請システムを使うものが増えています。公募の検索もこの画面からできます。
利用にはgBizIDプライムというアカウントが要ります。会社設立の登記が済んだら申し込んでください。
マイナンバーカードを使ったオンライン申請なら速やかに処理されるとされています。書類による申請は最大1か月とされています。
申請には法人番号が要ります。法人番号は会社設立の登記の後に指定されます。
添付するファイルの形式や容量が決められていることがあります。会社設立の書類はデータでも持っておいてください。
締切の直前はシステムが混み合います。余裕を持って出してください。
会社設立の登記が完了しないと、法人番号が指定されません。アカウントの申込みも、そこからです。
申請の画面には入力の項目が並んでいます。締切の直前に初めて開くと、必要な情報の多さに驚きます。会社設立の直後に一度ログインして、どんな項目があるかを見ておいてください。
出典:Jグランツ ネットで簡単!補助金申請(デジタル庁/2026-09-03 確認)
人の支援も、忘れずに並べる

設備とITと販路。ここまでは補助金の話です。建設業には、それとは別に人の支援があります。
厚生労働省は建設事業主等に対する助成金を用意しています。トライアル雇用助成金の若年・女性建設労働者トライアルコース、人材確保等支援助成金、人材開発支援助成金の建設分野のコースなどです。
- 設備|ものづくり補助金。交付決定を待てるかどうか
- 事務の仕組み|デジタル化・AI導入補助金。支援事業者と共同で申請
- 販路|小規模事業者持続化補助金。商工会議所・商工会の確認が必須
- 人|建設事業主等に対する助成金。雇う前の段取りが要る
同じ経費に二重に支援を受けることは認められません。分けた根拠を残してください。
Q. 重機は補助金の対象になりますか。
A. 機械及び装置の区分に該当するものは対象になり得ます。移動のための車両は対象外とされています。
Q. 買い替えでも対象ですか。
A. 単なる取替え更新は対象外とされています。
Q. 会社設立の直後でも申し込めますか。
A. 制度によります。創業期を対象にした区分もあります。
Q. 設備を後で売れますか。
A. 単価50万円以上なら処分制限財産に該当し、事務局の承認が要ります。
Q. 何から始めればよいですか。
A. gBizIDプライムの取得と、商工会議所への相談です。
出典:建設事業主等に対する助成金(厚生労働省/2026-09-07 確認)
まとめ|許可の後に、事業を伸ばす

建設業で会社設立をして許可を取ったら、次は事業を伸ばす段階です。ここからが補助金の出番になります。
この記事の要点
- 1設備の補助金は交付決定より前の発注が対象外。待てるかどうかで判断する
- 2事務の仕組みはデジタル化・AI導入補助金。支援事業者と共同で申請する
- 3販路開拓は持続化補助金。商工会議所・商工会の確認が必須
- 4車両は原則として対象外。自走式作業用機械設備などは対象になり得る
- 5単価50万円以上の機械装置等は処分制限財産に該当する
制度を横断して探すなら、J-Net21のような支援情報のサイトも使えます。会社設立の後に一度見ておいてください。
この記事は2026年9月時点で中小企業庁や中小機構、小規模事業者持続化補助金事務局、厚生労働省の公表内容にあたって確認した内容です。要件は公募回ごとに変わります。申し込む前に、必ず最新の公募要領でご確認ください。
出典:J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト(中小機構/2026-09-03 確認)
事業を伸ばす段階に入った方へ
建設業の会社設立では、許可の要件を満たすまでが山場です。そこを越えると、ようやく補助金の話ができるようになります。ただ、建設業ならではの落とし穴もあります。車両の扱い、処分の制限、工期との兼ね合い。買いたいものが決まったら、公募要領の対象経費の欄を自分の目で読んでください。
他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください
会社設立の補助金について調べるときに、あわせて見られているサイトです。掲載の順番は、おすすめの度合いや優劣を示すものではありません。内容は各サイトの運営者にご確認ください。
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- いえらぶ|不動産会社設立の流れと必要な費用
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