会社設立補助金ドットコム 起業したての方にもわかりやすく解説

神奈川県に本店を置くか、東京に置くか|会社設立と支援の関係

公開 文責 会社設立・設立後の補助金のプロ

この記事を読んでほしい方

首都圏で会社設立を考えていて、本店を神奈川県に置くか東京に置くかで迷っている方に向けた記事です。支援の面で何が変わるかを整理します。

通勤圏としては地続きでも、支援の制度は都県で分かれます。会社設立の本店をどちらに置くかで、使える制度が変わります。

本店所在地による支援の違い
本店所在地による支援の違い

本店の所在地は、登記で決まる

本店の所在地は、登記で決まる|会社設立の補助金と支援
本店の所在地は、登記で決まる

会社設立の登記では、本店の所在地を定めます。設立の登記の申請は、本店の所在地を管轄する法務局におこないます。

この住所が、以後の支援の対象を決めます。都県の制度も市区町村の制度も、事業所の場所で線を引くからです。

後から移すこともできますが、変更の登記に登録免許税がかかります。管轄の法務局をまたぐと手続きも重くなります。

神奈川県と東京都は隣り合っていて、通勤圏としては地続きです。それでも制度は都県で分かれます。

会社設立の前に、どちらに置くかを一度考えておいてください。

補助金の一覧を眺めていると、この違いは見えてきません。国の制度ばかりが載っているからです。会社設立の本店を決めるときは、都県と市区町村のページを自分で開いてください。

自宅を本店にする方も多くいます。その場合も、住所地の自治体に支援があるかどうかは変わりません。会社設立の前に一度確かめてください。

事業所を移すかどうかは、支援だけの話ではありません。取引先への通知、契約書の住所、名刺やウェブサイトの表記。会社設立のときに決めた住所は、思っているより多くの場所に残ります。移す手間を先に見積もっておいてください。

出典商業・法人登記申請手続(法務局/2026-09-03 確認)

国の補助金は、どちらでも同じ

国の補助金は、どちらでも同じ|会社設立の補助金と支援
国の補助金は、どちらでも同じ

まず、変わらないものから確かめます。国の補助金は全国共通の要件で判断されます。

小規模事業者持続化補助金も、対象は全国の小規模事業者です。申請にあたって地域の商工会議所・商工会への相談と計画書の確認が必須という点も、どちらでも変わりません。

会社設立の法定費用も同じです。登録免許税も定款認証の手数料も、全国共通で決まっています。

つまり、国の補助金を狙うために本店の場所を選ぶ意味はありません。

変わるのは、都県と市区町村の制度です。

逆に言えば、国の補助金だけを狙うなら本店の場所は事業の都合で自由に決められます。会社設立の判断が一つ減るということです。

創業型のように創業期を対象にした区分も、全国共通の要件です。会社設立の場所ではなく、登記からの日数で対象が決まります。首都圏のどこで会社設立をしても、この時計は同じように進みます。

出典小規模事業者持続化補助金(中小企業庁/2026-09-03 確認)

雇用の助成金も、場所では変わらない

雇用の助成金も、場所では変わらない|会社設立の補助金と支援
雇用の助成金も、場所では変わらない

人を雇うときの支援も、原則として全国共通です。厚生労働省は雇用関係助成金の一覧を公開しています。

雇用開発関係、人材確保・処遇改善関係、人材開発関係といった分類で並んでいます。会社設立の場所によって使える制度が変わるわけではありません。

ただし例外もあります。地域雇用開発助成金のように、事業所を置く地域を条件にする制度です。

窓口は管轄の労働局とハローワークになります。本店を置いた場所によって、通う先が変わるという意味では影響します。

補助金と違い、公募の期間がなく要件を満たしたときに申請するものが多くあります。その代わり事前の手続きが要ります。

会社設立の直後に人を雇う予定があるなら、労働局の場所も確かめておいてください。手続きで何度か足を運ぶことになります。

キャリアアップ助成金のように、あらかじめ計画を作って労働局長の認定を受ける制度もあります。会社設立の直後に人を雇う予定があるなら、本店を決めた時点で管轄の労働局を調べておいてください。後から遡って整えることはできません。

出典雇用関係助成金一覧(厚生労働省/2026-09-04 確認)

県の制度融資は、県内であることが前提

県の制度融資は、県内であることが前提|会社設立の補助金と支援
県の制度融資は、県内であることが前提

変わるものの筆頭が制度融資です。神奈川県中小企業制度融資は、中小企業者が県内でおこなう事業活動に必要な資金を対象としています。

神奈川県、神奈川県信用保証協会、金融機関の三者が連携して支援する仕組みです。県内で事業をおこなうことが前提になります。

本店を東京に置くと、この制度の対象から外れることになります。逆もまた同じです。

会社設立の資金を制度融資で組む予定なら、本店の場所は先に決めておいてください。

日本政策金融公庫は全国の制度なので、こちらは場所を問いません。両方を比べて決めてください。

補助金は後払いですが、融資は必要なときに手元へ入ります。会社設立の資金計画では、こちらを軸に組み立ててください。

本店を県外に置いて、事業所だけを県内に構えるという形もあり得ます。ただし、制度によって「主たる事務所」を見るのか「事業所」を見るのかが違います。会社設立の前に、狙う制度の要件を読んでおいてください。窓口で確かめるのがいちばん確実です。

出典神奈川県中小企業制度融資(神奈川県/2026-09-05 確認)

神奈川県の創業支援融資には、特例がある

神奈川県の創業支援融資には、特例がある|会社設立の補助金と支援
神奈川県の創業支援融資には、特例がある

神奈川県の創業支援融資には、創業特例という枠があります。会社設立の資金を考えるなら、知っておく価値があります。

公表されている内容では、通常の利率が年2.2パーセント以内のところ、創業特例では年2.0パーセント以内。保証料率は通常の0.40パーセントに対して0.00パーセント、経営者保証を不要とする場合でも0.20パーセントとされています。

融資限度額は3,500万円、返済期間は1年を超え10年以内で据置1年以内を含むとされています。

特例を受けるには、起業・ベンチャー支援拠点での経営指導と融資実行後2回以上の継続指導、または国が認定した市町村の特定創業支援等事業の利用が条件とされています。

利率も料率も改定されます。申し込む前に、必ず神奈川県のページで確かめてください。

保証料は借入のときにまとめて払うのが一般的です。会社設立の直後にこの負担がなくなるのは、手元の資金という点で意味があります。

創業特例の条件のうち、支援拠点での経営指導は融資の実行後にも2回以上の継続指導が求められます。借りて終わりではなく、会社設立の後もしばらく伴走してもらえるということです。相談相手が少ない時期に、これは金利の差とは別の意味を持ちます。

出典起業・ベンチャー支援拠点における創業支援融資(創業特例)(神奈川県 産業振興課/2026-09-05 確認)

市区町村の証明は、住所地の自治体で受ける

市区町村の証明は、住所地の自治体で受ける|会社設立の補助金と支援
市区町村の証明は、住所地の自治体で受ける

会社設立の登録免許税の軽減は、産業競争力強化法にもとづく市区町村の支援を受けることで使えます。

認定を受けていない市区町村では、この証明が受けられません。会社設立の本店をどこに置くかで、軽減が使えるかどうかが決まります。

どの市区町村が認定を受けているかは、中小企業庁が一覧を公表しています。候補が二つあるなら、両方を調べてみてください。

支援の内容も自治体によって違います。回数や期間、講座の中身が同じとは限りません。

証明書は会社設立の登記のときに法務局へ提出します。登記が済んでからでは間に合いません。

支援を受ける過程で事業計画が形になります。会社設立の後の補助金や融資の申請でも、同じ資料が使えます。

隣り合う自治体でも、認定の有無や支援の内容が違うことがあります。会社設立の候補地が二つあるなら、両方の窓口に電話して同じ質問をしてみてください。答えの違いが判断の材料になります。

出典産業競争力強化法に基づく認定を受けた市区町村別の創業支援等事業計画の概要(中小企業庁/2026-09-03 確認)

町村の上乗せは、探さないと出てこない

町村の上乗せは、探さないと出てこない|会社設立の補助金と支援
町村の上乗せは、探さないと出てこない

市区町村のなかには、軽減された後の登録免許税をさらに補助するところがあります。神奈川県内では箱根町の新規創業促進補助金がその例です。

補助限度額は株式会社の設立が7万5,000円、合同会社・合名会社・合資会社の設立が3万円とされています。軽減後の最低税額と同じ額です。

要件には、箱根町から特定創業支援等事業による支援の証明を受けていること、新たに設立する会社の本社が箱根町内にあることなどが挙げられています。

こうした制度はまとめ記事に載らないことが多くあります。会社設立の本店の候補が決まったら、その自治体のページを自分で見てください。

金額は大きくありませんが、知っているかどうかだけの差です。

補助金は後払いなので、会社設立のときには登録免許税を全額納める必要があります。上乗せがあるからといって、資金計画に入れないでください。

箱根町には、登録免許税の補助とは別に創業支援補助金という枠もあります。店舗等の賃借料や工事費、広報費が対象で、補助率は2分の1以内、補助限度額は10万円とされています。国の補助金では対象になりにくい費目が入っているのが特徴です。

出典箱根町新規創業促進補助金(箱根町 企画観光部観光課/2026-09-05 確認)

場所を決めるときに見るもの

場所を決めるときに見るもの|会社設立の補助金と支援
場所を決めるときに見るもの

支援の差を並べましたが、会社設立の本店は事業の都合で決めるのが本筋です。支援は判断の材料のひとつにすぎません。

  • お客さまがどこにいるか
  • 人を雇えるか(採用のしやすさ、通勤の便)
  • 家賃と物件の条件
  • その市区町村が特定創業支援等事業の認定を受けているか
  • 都県の制度融資と、市区町村の上乗せの有無

神奈川県には公益財団法人神奈川産業振興センターがあり、県の中小企業支援の窓口として相談を受けています。迷ったら聞いてみてください。

Q. 本店を後から移せますか。

A. 移せますが、変更の登記に登録免許税がかかります。

Q. 国の補助金は場所で変わりますか。

A. 変わりません。全国共通の要件です。

Q. 県の制度融資は東京に本店があると使えませんか。

A. 県内での事業活動が前提です。窓口で確かめてください。

Q. 支援だけで場所を決めてよいですか。

A. お勧めしません。事業の都合を優先してください。

Q. 支店を出す場合はどうなりますか。

A. 制度によって扱いが違います。窓口で確かめてください。

どちらに置いても、会社設立の後にやることは変わりません。税務署への届出、社会保険と労働保険の手続き、銀行口座の開設。場所が変わるのは、通う先だけです。

出典公益財団法人 神奈川産業振興センター(神奈川産業振興センター/2026-09-05 確認)

まとめ|変わるのは、都県と市区町村の制度

まとめ|変わるのは、都県と市区町村の制度|会社設立の補助金と支援
まとめ|変わるのは、都県と市区町村の制度

会社設立の本店をどこに置くかで変わるのは、都県と市区町村の制度です。国の制度は変わりません。

この記事の要点

  • 1国の補助金と会社設立の法定費用は、場所で変わらない
  • 2都県の制度融資は、その都県内での事業活動が前提
  • 3神奈川県の創業支援融資には保証料率0.00%の創業特例がある
  • 4市区町村の証明は、認定を受けた自治体でしか受けられない
  • 5町村によっては登録免許税の上乗せ補助がある

制度を横断して探すなら、J-Net21のような支援情報のサイトも使えます。会社設立の場所を決める前に一度見ておいてください。

この記事は2026年9月時点で法務局や中小企業庁、神奈川県、箱根町、厚生労働省の公表内容にあたって確認した内容です。制度や要件は変わります。会社設立を進める前に、必ず最新の情報と窓口でご確認ください。

出典J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト(中小機構/2026-09-03 確認)

本店の場所を迷っている方へ

首都圏で会社設立をするとき、住所をどこにするかは軽く決めてしまいがちです。自宅がそこにあるから、という理由も多いでしょう。ただ、その住所が数年分の支援の範囲を決めます。事業の都合で候補が二つに絞れたら、それぞれの自治体のページを開いて、証明の有無と上乗せの有無だけ見てください。数分で終わります。

他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください

会社設立の補助金について調べるときに、あわせて見られているサイトです。掲載の順番は、おすすめの度合いや優劣を示すものではありません。内容は各サイトの運営者にご確認ください。

この記事は、会社設立の補助金を調べるうえで役に立ちましたか。

押した数はこの端末にも記録され、同じ記事では一度だけ数えます。

あわせて読みたい、会社設立と補助金の記事

会社設立の進め方や、設立後に出せる補助金の支援メニューを別の切り口でまとめた記事です。

補助金を自分で調べるのは時間がかかります

補助金のプロに相談

※ 弊社調べによるものです。