法人の形と支援|株式会社と合同会社で差はあるか
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会社設立で、株式会社にするか合同会社にするかで迷っている方に向けた記事です。支援の面で差が出るところと、出ないところを整理します。
会社の形で補助金の扱いが変わるのか。ほとんど変わりません。変わるのは、会社設立の費用のほうです。

01補助金の対象という点では、差がない

まず結論から言うと、補助金の対象という点で株式会社と合同会社に大きな差はありません。
国の補助金の多くは、対象を中小企業者や小規模事業者と定めています。その線引きに使われるのは資本金の額と従業員数、そして業種です。会社の形ではありません。
小規模事業者持続化補助金も、自ら策定した経営計画にもとづく販路開拓等の取組を支援する制度です。どちらの形でも申し込めます。
申請にあたっては、地域の商工会議所・商工会への相談と計画書の確認が必須とされています。この手続きも同じです。
つまり、補助金を理由に株式会社を選ぶ必要はありません。
では何が違うのか。会社設立の費用と、外から見たときの印象です。
雇用の助成金でも同じです。労働保険の適用事業所であることが前提なので、会社設立の形は問われません。人を雇えばどちらも対象になります。
出典:小規模事業者持続化補助金(中小企業庁/2026-09-03 確認)
02定款認証の有無が、いちばん大きな差

会社設立の費用でいちばん差が出るのが、定款認証です。
株式会社の会社設立では、定款について公証人の認証を受けます。日本公証人連合会が手数料を公表しています。
資本金の額等により、100万円未満が3万円、100万円以上300万円未満が4万円、その他が5万円という三段階です。
令和6年12月1日からは、発起人の全員が自然人でその数が3人以下であること、発起人が設立時発行株式の全部を引き受ける旨が定款に記載されていること、取締役会を置く旨の記載がないこと。この3つすべてに該当する資本金100万円未満の会社設立は1万5,000円とされています。
合同会社には、この認証が要りません。丸ごとかからないということです。
小さく始める会社設立なら、この差は無視できません。
電子定款にすれば、紙の定款に貼る収入印紙が不要になります。これは会社設立の形にかかわらず使える工夫です。
合同会社でも定款は作ります。認証が要らないだけで、書く内容は同じように考えなければなりません。事業目的、本店、資本金、事業年度。会社設立の判断が要る部分は変わらないということです。手続きが一つ減るだけだと考えてください。
出典:会社の定款手数料の改定(日本公証人連合会/2026-09-03 確認)
03登録免許税の下限も違う

もうひとつの差が、登録免許税の下限です。
株式会社なら資本金の0.7パーセント、それが15万円に満たなければ15万円。合同会社なら同じく0.7パーセントで、下限は6万円です。
多くの会社設立ではこの下限が効いてきます。9万円の差ということです。
特定創業支援等事業の証明を受けると、税率が0.35パーセントに軽減されます。最低税額で見ると、株式会社が7万5,000円、合同会社が3万円になります。
軽減の効果はどちらにも及びます。会社の形にかかわらず使える支援です。
自治体によっては、軽減後の額を補助する制度もあります。その場合、補助額も会社の形で分かれます。
資本金が大きい会社設立では、下限ではなく0.7パーセントで計算した額が効いてきます。その場合、形による差は小さくなります。
資本金がおよそ2,143万円を超えると、株式会社では0.7パーセントで計算した額が15万円を上回ります。合同会社ではもっと低い水準で下限を超えます。会社設立のときに資本金をいくらにするかで、形による差の出方が変わるということです。許認可の要件で資本金を厚くする業種では、この点も計算に入れてください。
出典:産業競争力強化法、経済産業省関係産業競争力強化法施行規則(中小企業庁/2026-09-03 確認)
04自治体の補助金では、額が分かれる

会社設立の費用を補助する自治体の制度では、会社の形で補助額が分かれます。
札幌市の新規創業促進補助金では、補助額が株式会社の設立で7万5,000円、合同会社の設立で3万円とされています。
福岡市の新規創業促進補助金でも、株式会社の設立で7万5,000円、合同会社の設立で3万円とされています。
箱根町の新規創業促進補助金では、株式会社の設立が7万5,000円、合同会社・合名会社・合資会社の設立が3万円を限度額としています。
どれも軽減後の登録免許税の最低税額に合わせた額です。つまり、負担が大きいほうを厚く補助する設計になっています。
結果として、実質の負担はどちらの形でも同じくらいになります。
補助金の要件には、会社設立の本店がその自治体にあることが含まれるのが一般的です。形より場所のほうが効いてきます。
どの自治体でも、証明を受けた後に登録免許税を支払うという順番が要件になっています。会社設立の形をどちらにするか決めるより先に、この順番を守れるかどうかを確かめてください。順番を間違えると、どちらの形でも受け取れません。
出典:さっぽろ新規創業促進補助金(札幌市/2026-09-05 確認)
05外から見たときの印象は、まだ差がある

制度の面では差が小さくても、外から見たときの印象には差が残っています。
株式会社という形のほうが知られているので、取引先や採用の場面で説明が要らないという利点があります。
合同会社の設立手続きについては、J-Net21のような支援情報のサイトでも解説されています。仕組みを知っている相手なら問題になりません。
取引先が法人であればよいという条件なら、合同会社でも通ります。株式会社に限るという条件を出す先は多くありません。
会社設立の前に、想定している取引先に確かめられるなら聞いてみてください。
後から株式会社に変えることもできます。ただし手続きと費用がかかります。
補助金の審査で会社の形が見られることはありません。会社設立の形は、事業の外側の話だと考えてください。
金融機関の側も、会社の形で扱いを変えることは基本的にありません。見られるのは事業の中身と返せる見込みです。会社設立の形を気にするより、事業計画を丁寧に作るほうが結果につながります。
出典:合同会社の設立手続き(起業支援)(中小機構 J-Net21/2026-09-04 確認)
06機関設計の違いが、後の手間に効く

会社設立の後の手間にも差があります。株式会社には役員の任期があるからです。
任期が満了すると、重任の登記が必要になります。忘れていると過料の対象になることがあります。
法務局は、取締役会を設置しない会社の発起設立と、取締役会設置会社の発起設立とで別の申請書の様式を公開しています。機関設計によって手続きが変わるということです。
合同会社には役員の任期という考え方がありません。そのぶん、登記の回数が少なくて済みます。
会社設立のときに定款で任期をどう定めるかで、この頻度が変わります。
手続きの手間も、毎年の負担として見込んでください。
会社設立の直後は登記の回数など気にならないかもしれません。ただ、数年続けると差になります。
株式会社では、株主総会の招集や議事録の作成といった手続きも発生します。会社設立の直後は自分ひとりでも、形式は踏む必要があります。合同会社はこの部分が簡素です。事務にかけられる時間で選ぶという考え方もできます。
出典:株式会社設立登記申請書(取締役会を設置しない会社の発起設立)(法務局/2026-09-03 確認)
07税の扱いは、どちらも法人

税の面では、株式会社と合同会社に差がありません。どちらも法人として扱われます。
国税庁は、基準期間がない法人のうち、その事業年度開始の日における資本金の額または出資の金額が1,000万円以上である法人については、消費税の納税義務は免除されないとしています。
会社設立の1期目と2期目には基準期間がありません。資本金を1,000万円未満にしておけば、原則としてこの期間は免除されます。これも形によらず同じです。
法人市民税の均等割も、どちらの形でもかかります。資本金等の額と従業者数で決まります。
社会保険の適用も同じです。役員報酬を支払うなら対象になります。
つまり、会社設立の後の固定費は、形を選んでも変わりません。
補助金を受け取ったときの処理も同じです。原則として収益に計上されます。会社設立の形で変わりません。
社会保険の新規適用届は、事実の発生から5日以内に提出することとされています。会社設立の形にかかわらず、この期限は同じです。登記の完了を待ってから5日というのは、どちらの形でも慌ただしい日程になります。
出典:No.6503 基準期間がない法人の納税義務の免除の特例(国税庁/2026-09-04 確認)
08どちらを選ぶかの判断材料

ここまでを、判断の材料としてまとめます。
- 補助金・助成金の対象|差はほとんどない
- 会社設立の費用|合同会社のほうが安い(定款認証が不要、登録免許税の下限が低い)
- 自治体の補助金の額|税額に合わせて分かれる。実質の負担は同程度
- 外からの印象|株式会社のほうが説明が要らない場面がある
- 会社設立の後の手間|株式会社は役員の任期に伴う登記がある
設立の登記の申請は、いずれも本店の所在地を管轄する法務局におこないます。手続きの窓口は同じです。
Q. 合同会社だと補助金で不利ですか。
A. 不利になりません。中小企業者・小規模事業者として対象になります。
Q. 会社設立の費用はどれくらい違いますか。
A. 定款認証の有無と、登録免許税の下限の差が出ます。
Q. 自治体の補助金の額が違うのはなぜですか。
A. 軽減後の登録免許税の最低税額に合わせているためです。
Q. 後から株式会社に変えられますか。
A. 変えられます。ただし手続きと費用がかかります。
Q. 税の扱いは違いますか。
A. どちらも法人です。差はありません。
どちらを選んでも、会社設立の後にやることは同じです。届出を出し、帳簿を付け、決算を出す。形の違いに時間をかけすぎないでください。
出典:商業・法人登記申請手続(法務局/2026-09-03 確認)
09まとめ|支援では選ばない

会社設立の形を選ぶとき、補助金の有利不利は判断材料になりません。差がほとんどないからです。
この記事の要点
- 1補助金の対象という点で、株式会社と合同会社に差はほとんどない
- 2合同会社は定款認証が不要。登録免許税の下限も6万円と低い
- 3自治体の補助金は税額に合わせて分かれる。実質の負担は同程度
- 4外からの印象には、まだ差が残っている場面がある
- 5税の扱いと会社設立後の固定費は、どちらも同じ
制度を横断して探すなら、J-Net21のような支援情報のサイトも使えます。会社設立の形を決める前に一度見ておいてください。
この記事は2026年9月時点で日本公証人連合会や中小企業庁、法務局、国税庁、札幌市、福岡市、箱根町の公表内容にあたって確認した内容です。金額や要件は変わります。会社設立を進める前に、必ず最新の情報と専門家にご確認ください。
出典:J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト(中小機構/2026-09-03 確認)
会社の形を迷っている方へ
株式会社と合同会社。どちらにすべきかという質問に、支援の面から答えるなら「どちらでも同じ」です。変わるのは会社設立の費用と、外から見たときの印象だけ。取引先が気にしないなら、費用の安いほうを選んで構いません。浮いたお金は、事業のほうに回してください。
99他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください
会社設立の補助金について調べるときに、あわせて見られているサイトです。掲載の順番は、おすすめの度合いや優劣を示すものではありません。内容は各サイトの運営者にご確認ください。
- マネーフォワード|合同会社の設立前後に使える補助金・助成金10選
合同会社という形に絞って、設立の前後で使える支援を10件並べています。
- ソヴァグループ|合同会社を設立するメリット・デメリット
株式会社との違いを、費用と運営の両面から比べています。
- LEAPAL|会社設立の必要書類リスト
株式会社と合同会社に分けた必要書類のチェックリストと、入手方法をまとめています。
- マネーフォワード|会社設立時の必要書類は?
株式会社と合同会社で必要書類がどう違うかを、提出方法まで含めて解説しています。
- 補助金の広場|合同会社の仕組みと設立の流れ
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- LEAPAL|会社設立の費用総額はいくら?
税理士監修で、株式会社と合同会社の設立費用を項目別に解説しています。
- いえらぶ|不動産会社設立の流れと必要な費用
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- 税理士法人FLAGS|会社設立の補助金・助成金ガイド
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