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東京都で会社設立した後の一年|都・区・国の支援を時期で並べる

公開 文責 会社設立・設立後の補助金のプロ

この記事を読んでほしい方

東京都で会社設立の登記を終えた方に向けた記事です。都・区・国と支援の層が多いぶん、何をいつやるのかが分かりにくくなります。会社設立から一年を、時期の並びで整理しました。抜けを防ぐ手引きとしてお使いください。

東京都は支援の層が厚い地域です。ただ、層が多いということは、期限の管理も複雑になるということでもあります。会社設立から一年の予定を、一枚に並べておきましょう。

東京都で会社設立してから一年の流れ
東京都で会社設立してから一年の流れ

01最初の2か月は、期限のある手続きだけ

最初の2か月は、期限のある手続きだけ|会社設立の補助金と支援
最初の2か月は、期限のある手続きだけ

会社設立の登記が終わると、期限の決まった手続きが集中します。この時期に支援の情報を追いかけると、本業も手続きも中途半端になります。

社会保険については、事業所が健康保険・厚生年金保険に適用されることになった場合、事実の発生から5日以内に新規適用届を提出します。人を雇うなら、労働保険の保険関係成立届を保険関係成立の日から10日以内に、概算保険料の申告・納付を成立の日から50日以内におこないます。

税務署へは、法人設立届出書を設立の日以後2か月以内に提出します。都と区市町村への法人設立の届出も必要です。地方税に関するもので、提出先と期限は自治体によって異なります。

並行して進められるのが、登記事項証明書の取得、法人名義の口座の開設、GビズIDの申請です。どれも補助金の申請で必要になりますが、制度を決める前から用意できます。

この時期に支援の情報を追いかけたくなりますが、会社設立の直後は手続きだけで手一杯になります。国の補助金の公募は年度を通じて出てきますし、東京都の創業助成事業も創業後5年未満が対象です。焦る必要はありません。

期限のあるものを一覧にして、印刷して手で消し込んでいくのが確実です。会社設立の直後は同時に多くの期限が来るので、画面で見比べるより漏れが減ります。

出典新規適用の手続き(日本年金機構/2026-09-03 確認)

02GビズIDは、公募を待たずに申請する

GビズIDは、公募を待たずに申請する|会社設立の補助金と支援
GビズIDは、公募を待たずに申請する

国の補助金の多くは、電子申請システムのJグランツから申し込みます。Jグランツを使うにはGビズIDのアカウントが必要で、これが会社設立の直後にいちばん時間を食う手続きになります。

補助金の申請に使えるのはプライムとメンバーです。プライムの取得は、オンラインで進めれば短く済むこともありますが、書類を郵送する方式では1〜2週間かかることがあります。

会社設立の登記が済んだら、どの補助金に申し込むかを決める前でも申請しておいてください。締切の直前に気づくと間に合いません。

あわせて、法人番号を控えておいてください。会社設立の登記後に指定され、国税庁の法人番号公表サイトで確認できます。申請書に記入する場面があります。

取得したら、一度ログインして画面を見ておくことをおすすめします。二要素認証に使う電話番号が受け取れる状態かも、あわせて確かめてください。会社設立の直後は連絡先が変わりやすい時期です。

出典Jグランツ ネットで簡単!補助金申請(デジタル庁/2026-09-03 確認)

033か月目までは、本業と記録の仕組み

3か月目までは、本業と記録の仕組み|会社設立の補助金と支援
3か月目までは、本業と記録の仕組み

手続きが一段落したら、本業の立ち上げに集中する時期です。事業が動いていないと、補助金の計画書に書ける材料も集まりません。

並行して、記録の仕組みを作ってください。売上と経費を月ごとに集計できる形にし、領収書と請求書を整理して保管する。会社設立の直後は数字が小さくても、記録があれば後の申請で使えます。

東京都の創業助成事業では、賃借料や広告費、従業員人件費などが対象経費に挙げられています。実際に何にいくら使ったのかを説明できる記録が要るので、この段階から整えておいてください。

人を雇うなら、出勤簿と賃金台帳も必要です。雇用の助成金では支給申請でこれらの提出を求められます。あとからさかのぼって作れません。

会社設立の直後に実際に売ってみると、想定と違うことが必ず出てきます。誰が買うのか、いくらなら払ってもらえるのか、どこで詰まるのか。この経験が、そのまま補助金の計画書の中身になります。記録として残しておいてください。

記録の仕組みは、支援を受けるためだけのものではありません。毎月の数字を見ていると、事業の状態が早く分かります。会社設立の直後は変化が大きい時期ですから、月ごとに振り返る習慣そのものが経営の助けになります。

出典小規模事業者持続化補助金(中小企業庁/2026-09-03 確認)

04国の補助金は、商工会議所に相談してから

国の補助金は、商工会議所に相談してから|会社設立の補助金と支援
国の補助金は、商工会議所に相談してから

本業がある程度回り始めたら、国の補助金の準備に入れます。会社設立の直後に取りかかりやすいのは、小規模事業者持続化補助金です。

自ら策定した経営計画にもとづく販路開拓等の取組を支援する制度で、申請にあたっては地域の商工会議所・商工会への相談と計画書の確認が必須とされています。東京都内では、区によって管轄が変わります。

創業まもない時期を対象にした創業型もあります。中小企業庁の説明によれば、創業後1年以内の小規模事業者等(創業後、事業開始前の事業者も対象)を対象としています。会社設立の日が要件そのものになる枠です。

締切前は相談が混み合います。締切の1か月前には一度目の相談を済ませておくのが安全です。

計画書を書くときは、審査の観点に沿って書くことが何より効きます。公募要領には何を評価するかが書かれているので、そこに並んだ言葉を自分の計画のどこで受けるかを決めてから書き始めてください。

出典小規模事業者持続化補助金について(中小企業庁/2026-09-03 確認)

05東京都の創業助成事業は、募集を待ち構える

東京都の創業助成事業は、募集を待ち構える|会社設立の補助金と支援
東京都の創業助成事業は、募集を待ち構える

東京都の創業助成事業は、会社設立の後も狙えます。対象は都内で創業を予定している方または創業後5年未満の中小企業者等のうち、一定の要件を満たす方とされています。

助成限度額は上限400万円・下限100万円、助成率は助成対象と認められる経費の3分の2以内、助成対象期間は交付決定日から6か月以上2年以下です。賃借料や人件費まで対象に含む点が特徴です。

ただし、指定された創業支援の利用が申請の前提になっています。募集が始まってから動いても間に合いません。会社設立の直後に、要件を満たしているかを東京都中小企業振興公社に確かめてください。

募集の期間が短いことにも注意が要ります。告知が出る場所を押さえ、書類を先に用意しておいてください。

東京都は令和8年度の創業助成事業の募集についても案内を出しています。年度ごとに複数回の募集がある形なので、告知が出る場所を押さえておくと取りこぼしません。会社設立の直後にブックマークしておいてください。

出典創業助成金(東京都中小企業振興公社)(東京都創業NET/2026-09-04 確認)

06採用を決めたら、東京労働局が先

採用を決めたら、東京労働局が先|会社設立の補助金と支援
採用を決めたら、東京労働局が先

人を雇うと決めたら、そこが予定表の分岐点になります。募集をかける前に、東京労働局やハローワークへ相談してください。

キャリアアップ助成金では、各コースの実施日の前日までにキャリアアップ計画を提出することが求められます。トライアル雇用助成金の一般トライアルコースは、ハローワーク等の紹介を受けて雇い入れることが前提で、支給額は対象者1人あたり月額最大4万円(最長3か月)です。

どちらも採用の前に手続きが要ります。予定表では「募集をかける日」の前に「窓口に相談する日」と「計画を提出する日」を置いてください。

補助金は次の公募回を待てますが、採用は待てないことが多いはずです。だから優先するのは助成金の側、というのが一般的な判断になります。

採用の前に整えるものもあります。労働保険と社会保険の加入手続き、就業規則、労働条件通知書の様式。会社設立の直後にこれらが済んでいないと、どのコースにも進めません。

出典キャリアアップ助成金(厚生労働省/2026-09-03 確認)

07一年目の終わりに、次の年の計画を立てる

一年目の終わりに、次の年の計画を立てる|会社設立の補助金と支援
一年目の終わりに、次の年の計画を立てる

会社設立から一年が経つと、状況が変わります。最初の決算を通せば決算書が出せるようになり、決算書を求める制度に手が届きます。

国の創業型の枠からは外れますが、東京都の創業助成事業は創業後5年未満が対象です。まだ期間が残っているので、二年目以降も狙えます。

事業が軌道に乗ってきたら、経営革新計画という選択肢もあります。東京都産業労働局が案内しているもので、承認を受けると低利の融資や信用保証の特例、国の補助制度を利用するときの加点措置といった支援につながるとされています。

補助金の採択率を考えるうえで、この加点は見逃せません。会社設立から数年の節目で検討する価値があります。

二年目の計画を立てるときは、一年目に使った時間も振り返ってください。支援の準備にどれだけかかったか、本業をどれだけ削ったか。この実感があると、二年目にどこまで手を広げるかを現実的に決められます。

出典経営革新計画|経営支援(東京都産業労働局/2026-09-03 確認)

08一年目にやらなくてよいこと

一年目にやらなくてよいこと|会社設立の補助金と支援
一年目にやらなくてよいこと

やることを並べてきましたが、一年目にやらなくてよいこともあります。東京都は支援の層が厚いぶん、全部を追いかけると本業が止まります。

Q. 使えそうな支援すべてに申請すべきですか。

A. いいえ。一本に絞って確実に通すほうが、結果的に得です。準備が薄くなると、どれも通りにくくなります。

Q. 都と国、どちらを優先しますか。

A. 期限の短いほうです。国の創業型の枠は創業後1年以内、都の創業助成事業は創業後5年未満です。

Q. 一年目に何も申請できませんでした。

A. 珍しいことではありません。手続きと本業で手一杯になるのが普通です。二年目からは出せる書類が増えます。

Q. 情報は毎日チェックすべきですか。

A. 月に一度で足ります。見る場所を決めておけば、募集の波は追えます。

支援は事業を助けるためのものです。準備に何十時間もかけて本業が止まるなら、見送る判断も正しい判断です。

手を広げるかどうかの目安として、いま抱えている申請と報告の件数を数えてみてください。会社設立の直後に三件以上を同時に走らせるのは、専任の担当者がいない限り無理があります。二件までに抑えるという線引きは現実的です。

出典助成金(東京都中小企業振興公社/2026-09-03 確認)

09まとめ|層が多いからこそ、一枚の表に置く

まとめ|層が多いからこそ、一枚の表に置く|会社設立の補助金と支援
まとめ|層が多いからこそ、一枚の表に置く

東京都は都・区・国と支援の層が多い地域です。それぞれ窓口も時間軸も違うので、別々に管理すると必ずどこかを落とします。会社設立から一年の予定を、一枚の表に置いてください。

この記事の要点

  • 1最初の2か月は、期限のある手続きに集中する
  • 2GビズIDは公募を待たずに申請する。郵送だと1〜2週間かかることがある
  • 33か月目までは本業と記録の仕組み。あとで効いてくる
  • 4国の補助金は商工会議所への相談が前提。締切の1か月前に一度目を
  • 5東京都の創業助成事業は創業後5年未満。要件を先に満たしておく

この記事の期限と要件は、執筆時点で厚生労働省・国税庁・東京都などの公表内容にあたって確認したものです。制度の内容は年度ごとに変わります。会社設立から一年の計画を立てる段階では、必ず所管の窓口でご確認ください。

表を作るときは、会社設立の日を左端に置いて、そこからの経過月で並べると分かりやすくなります。届出の期限、創業期の枠の残り、公募の締切。すべてが同じ物差しの上に乗ります。

出典東京都中小企業制度融資(東京都産業労働局/2026-09-04 確認)

一年目を走り出す方へ

東京都で会社設立をすると、使える支援の数に驚くと思います。ただ、数が多いことは必ずしも良いことばかりではありません。追いかけすぎて本業が止まっては本末転倒です。期限のあるものだけ落とさない。それで十分です。判断に迷ったら、区市町村の産業振興の担当課と、地域の商工会議所に一度ずつ顔を出しておいてください。何を優先すべきかを教えてもらえます。

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