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雇用の助成金でつまずく場面|会社設立の直後に多い五つの誤解

公開 文責 会社設立・設立後の補助金のプロ

この記事を読んでほしい方

会社設立をして人を雇おうとしている方に向けた記事です。先に知っておけば防げるつまずきを並べます。

どれも後から取り返せません。雇う前に読んでください。

会社設立の直後に多いつまずき
会社設立の直後に多いつまずき

知り合いを雇ってから、申し込もうとする

知り合いを雇ってから、申し込もうとする|会社設立の補助金と支援
知り合いを雇ってから、申し込もうとする

いちばん多いのが、入口の間違いです。

会社設立の直後は、身近なつながりで人を探しがちです。前の職場の後輩、知り合いの紹介。自然な流れです。

ですが、トライアル雇用助成金の利用には、ハローワークや職業紹介事業者等の紹介によることが前提とされています。

特定求職者雇用開発助成金の特定就職困難者コースでも、ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により雇い入れることが必須とされています。

つまり、自分で見つけた方を雇ってから申し込むことはできません。

後から書類を整えても、経路そのものが違うので認められません。

支援を使うつもりなら、まずハローワークに求人を出すところから始めてください。

求人を出すこと自体に費用はかかりません。

結果として知り合いを雇うことになっても、入口を通しておけば違います。

会社設立の補助金では経路が問われることはあまりありません。だからこそ、同じ感覚で助成金に当たると外します。支援ごとに要件の性格が違うと考えてください。

会社設立の直後は人脈が頼りです。それでも、補助金や助成金を使うなら公の入口を通してください。

出典トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)(厚生労働省/2026-09-03 確認)

正社員にしてから、相談する

正社員にしてから、相談する|会社設立の補助金と支援
正社員にしてから、相談する

二つ目が、順番の間違いです。

有期で雇っていた方を正社員にした。良いことをしたのだから支援があるはずだ。そう考えて相談に行く方がいます。

キャリアアップ助成金では、あらかじめキャリアアップ計画を作成して、管轄の労働局長の受給資格の認定を受けることが必要とされています。

つまり、転換の前どころか、雇い入れる前に計画を出しておく必要があります。

認定を受けていなければ、どれだけ良い転換をしても対象になりません。

会社設立の直後は、そこまで先を見て動くのが難しい時期です。

ですが、計画は後から変えられます。まず出しておくという考え方で構いません。

人材開発支援助成金でも、計画に沿って実施することが前提とされています。

雇用の助成金は、どれも計画が先です。

補助金の交付決定より前の支出が対象外になるのと同じ構図です。会社設立の支援では、この順番の話が繰り返し出てきます。

計画を出すこと自体に費用はかかりません。会社設立の直後に、使うかどうか分からない段階でも出しておいて構いません。使わなければそれまでですが、出していなければ選択肢そのものがありません。数時間の作業で、後の可能性が残ります。

認定を受けるまでにも日数がかかります。会社設立の採用の日程に、その時間も入れておいてください。

出典キャリアアップ助成金(厚生労働省/2026-09-03 確認)

労働保険料を、納めていなかった

労働保険料を、納めていなかった|会社設立の補助金と支援
労働保険料を、納めていなかった

三つ目が、事務の抜けです。

厚生労働省の共通の要件では、支給申請日の属する年度の前年度より前のいずれかの保険年度の労働保険料を納入していない事業主は、支給されないとされています。

つまり、要件を満たす取組をしていても、納付が抜けていれば支給されません。

会社設立の直後は、労働保険の手続きそのものを知らないことがあります。

労働者を1人でも雇用したら労働保険の適用事業となり、保険関係が成立した日の翌日から10日以内に保険関係成立届を提出することとされています。

あわせて、労働保険料の申告と納付も必要です。

さらに、支給申請日の前日から起算して1年前の日から支給申請日の前日までの間に労働関係法令の違反があった場合も支給されないとされています。

日々の労務が、支給の前提になっているということです。

会社設立の直後こそ、ここを整えてください。

会社設立の直後は事務が後回しになりがちです。ですが、補助金でも助成金でも、事務が支援の土台になります。

会社設立の補助金の申請でも、税や保険の状況が問われることがあります。まとめて整えてください。

出典雇用関係助成金の申請にあたって(厚生労働省/2026-09-09 確認)

書類が、整っていなかった

書類が、整っていなかった|会社設立の補助金と支援
書類が、整っていなかった

四つ目が、書類の不備です。

共通の要件には、支給または不支給の決定のための審査に必要な書類等を整備・保管していることが含まれます。

あわせて、管轄の労働局等から提出を求められた場合に応じることも必要とされています。

賃金台帳、出勤簿、労働者名簿。これらが揃っていなければ、そこで止まります。

会社設立の直後は、給与を手計算で払っていることもあります。

記録が残っていなければ、実際に払っていても証明できません。

後から作った書類は説得力を持ちません。

最初の一人を雇うときから、記録の仕組みを作ってください。

就業規則も、雛形が古いままだと要件を外すことがあります。

補助金の実績報告でも、領収書や契約書の保存が求められます。会社設立の直後から記録を残す習慣をつけてください。

就業規則は、雛形をそのまま使うと古い内容のままになることがあります。育児・介護休業法のように、数年で改正が入る分野もあります。会社設立の直後に最新のものを使ってください。補助金の申請でも、規程が見られることがあります。

給与を手計算で払っていると、記録が残りません。会社設立の直後に会計や勤怠の仕組みを決めてください。

出典雇用関係助成金の申請にあたって(厚生労働省/2026-09-09 確認)

毎月の人件費を、埋めようとする

毎月の人件費を、埋めようとする|会社設立の補助金と支援
毎月の人件費を、埋めようとする

五つ目が、時期の誤解です。

雇用の助成金は後払いです。要件を満たす事実が積み上がってから、支給の申請をする形です。

キャリアアップ助成金なら、計画を出し、雇い入れ、一定の期間を経て取組をおこない、さらに一定の期間の後に申請します。

特定求職者雇用開発助成金では、支給対象期ごとに支給される仕組みです。

つまり、雇い入れた月の給与を助成金で埋めることはできません。

支給までに年単位の時間がかかることもあります。

会社設立の資金計画には入れず、後から戻るものとして扱ってください。

給与も社会保険料も、毎月出ていきます。

事業から出せる額で採用を決めてください。

補助金も同じく後払いです。会社設立の資金は、融資と自己資金で組んでください。

会社設立の直後に補助金と助成金を両方狙うと、立て替えが重なります。資金繰りを先に見てください。

出典雇用関係助成金支給要領(厚生労働省/2026-09-09 確認)

不正受給は、三年間の重い扱い

不正受給は、三年間の重い扱い|会社設立の補助金と支援
不正受給は、三年間の重い扱い

もう一つ、知っておくべき定めがあります。

不正受給とは、偽りその他不正の行為により、本来受けることのできない助成金の支給を受けることを指すとされています。

不正受給があった場合、支給前なら不支給となり、支給後に発覚した場合は返還が必要になります。

さらに、支給前でも支給後でも、不正受給の処分決定日から起算して3年間は、その事業所に対して雇用関係助成金が支給されないとされています。

三年間という期間は、会社設立からの数年とほぼ重なります。

創業期にいちばん支援が要る時期に、その道がふさがるということです。

意図的でなくても、事実と違う書類を出せば同じ扱いになり得ます。

分からないことは、書く前に窓口で確かめてください。

聞くこと自体は、何も減りません。

補助金の側でも、返還には加算金や延滞金が付くことがあります。会社設立の直後にこの事態は避けたいところです。

三年間という期間の重さは、会社設立の直後ほど効いてきます。雇用の助成金は、人を増やす場面で繰り返し使うものだからです。一度の不正で、その後の採用の選択肢が狭まります。支援を受ける以上、事実のとおりに書くことが最低限の前提です。

返還を求められると、会社設立の直後の資金繰りが一気に苦しくなります。慎重に進めてください。

出典雇用関係助成金の申請にあたって(厚生労働省/2026-09-09 確認)

複数を使うときの、併給調整

複数を使うときの、併給調整|会社設立の補助金と支援
複数を使うときの、併給調整

複数の助成金を狙うときにも、つまずきがあります。

厚生労働省は、複数の助成金を申請するときの併給調整を確認するツールを提供しています。

申請の前に管轄の労働局へ相談することが勧められています。

つまり、二つ以上を同時に使おうとすると、組み合わせに制限があるということです。

補助金の側でも、同じ経費に二重に補助を受けることは認められません。

どちらも重ねられないという点は同じですが、判断の仕方が違います。

会社設立の直後に複数の制度を使うなら、先に窓口で確かめてください。

後から分かると、返還の話になることもあります。

自己判断で進めないでください。

会社設立の直後に複数の支援を組み合わせるなら、経費と要件の両方を整理してください。

会社設立の直後は判断することが多く、自己判断で進めがちです。補助金でも助成金でも、窓口に聞くのが早道です。

出典雇用関係助成金の申請にあたって(厚生労働省/2026-09-09 確認)

つまずかないための順番

つまずかないための順番|会社設立の補助金と支援
つまずかないための順番

会社設立をして人を雇うなら、次の順番で動いてください。

  1. 求人を出す前に、労働局・ハローワークで使える制度を確かめる
  2. 事前の計画の届出や認定が要るものは、この段階で手続きする
  3. 就業規則と賃金の規程を整え、記録の仕組みを作る
  4. 労働保険の手続きと保険料の納付を済ませる
  5. 複数を使うなら、併給の可否を先に窓口で確かめる

厚生労働省の雇用関係助成金の一覧には、共通の要件を確認するようにという注記があります。個別の制度を見る前に読んでください。

Q. 知り合いを雇うと使えませんか。

A. 紹介が前提の制度では、経路そのものが要件です。求人を先に出してください。

Q. 正社員にした後でも申し込めますか。

A. 事前の計画の認定が必要な制度は、後から遡れません。

Q. 労働保険料の未納があると。

A. 共通の要件で支給されないとされています。

Q. 書類がなくても実態があれば大丈夫ですか。

A. 審査に必要な書類の整備・保管が要件です。記録がないと証明できません。

Q. 複数の助成金を使えますか。

A. 併給調整の仕組みがあります。申請の前に労働局へ相談してください。

この五つのうち、一番目を最初にやってください。会社設立の採用の入口が、そこで決まります。

出典雇用関係助成金一覧(厚生労働省/2026-09-04 確認)

まとめ|どれも、雇う前に防げる

まとめ|どれも、雇う前に防げる|会社設立の補助金と支援
まとめ|どれも、雇う前に防げる

雇用の助成金のつまずきは、どれも雇う前に防げるものです。

この記事の要点

  • 1ハローワーク等の紹介が前提の制度がある。自分で見つけてからでは遅い
  • 2キャリアアップ助成金は、あらかじめ計画を出して認定を受ける必要がある
  • 3労働保険料の未納や労働関係法令の違反があると支給されない
  • 4審査に必要な書類の整備・保管が共通の要件になっている
  • 5後払いなので、毎月の人件費を助成金で埋めることはできない

制度を横断して探すなら、J-Net21のような支援情報のサイトも使えます。会社設立の準備のうちに一度見ておいてください。

この記事は2026年9月時点で厚生労働省の公表内容にあたって確認した内容です。要件は年度で変わります。人を雇う前に、必ず管轄の労働局でご確認ください。

出典J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト(中小機構/2026-09-03 確認)

もう雇ってしまった方へ

この記事を読んで、順番を間違えたと気づいた方もいるかもしれません。残念ながら、紹介の経路や事前の計画は後から取り返せません。ただ、次の採用では間に合います。会社設立の後、人を増やす場面は一度きりではありません。今回は使えなくても、二人目のときに使えるよう、いま計画を出しておいてください。労働局への電話一本から始まります。

他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください

会社設立の補助金について調べるときに、あわせて見られているサイトです。掲載の順番は、おすすめの度合いや優劣を示すものではありません。内容は各サイトの運営者にご確認ください。

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