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人材派遣会社を設立して人を雇う|教育訓練が要件にも支援にもなる

公開 更新 文責 会社設立・設立後の補助金のプロ

この記事を読んでほしい方

人材派遣の会社設立をして、これから派遣労働者を雇う方に向けた記事です。教育訓練は許可の要件でもあり、支援の対象にもなり得るものです。その重なりを整理します。

人材派遣は人が商品の事業です。だからこそ、雇用に関する支援との距離が近くなります。ただし順番があります。

人材派遣で人を雇うまでの順番
人材派遣で人を雇うまでの順番

教育訓練は、まず許可の要件

教育訓練は、まず許可の要件|会社設立の補助金と支援
教育訓練は、まず許可の要件

人材派遣の会社設立では、教育訓練をやるかどうかを選べません。許可の要件だからです。

派遣元事業主は、派遣労働者のキャリア形成を行うための制度を有していなければなりません。段階的かつ体系的な教育訓練の実施計画を定めることが求められます。

実施する教育訓練は、雇用するすべての派遣労働者を対象としたものであることが必要です。有給かつ無償でおこなわれるものであることともされています。

受講時間を労働時間として扱い、相当する賃金を支払うのが原則です。少なくとも最初の3年間は、毎年おおむね8時間以上の教育訓練の機会の提供が求められます。

つまり、人材派遣の会社設立をした時点で、教育訓練にかかる費用と時間が固定の負担として乗ってきます。

教育訓練の費用に補助金が使えないかと考える方もいますが、国の補助金は販路開拓や設備投資を狙ったものが中心です。人を育てる費用は、厚生労働省の助成金の側で探すことになります。人材派遣の会社設立では、この棚の違いを最初に覚えてください。

出典許可基準(労働者派遣事業 許可・更新等手続マニュアル)(厚生労働省/2026-09-05 確認)

その負担に、支援が届くことがある

その負担に、支援が届くことがある|会社設立の補助金と支援
その負担に、支援が届くことがある

許可の要件としてやらなければならないことに、支援が届くなら助かります。厚生労働省は雇用関係助成金の一覧を公開しています。

分類のなかには人材開発関係があり、人材開発支援助成金が挙げられています。教育訓練に関わる制度です。

ただし、派遣労働者が対象になるかどうかは制度ごとに異なります。要件を自分で読んで判断せず、労働局に確かめてください。

一覧の冒頭には、申請にあたっては共通の要件や申請方法等を確認するようにという注記があります。個別の制度を見る前にここを読んでください。

人材派遣の会社設立の直後は、許可の準備で手一杯になります。それでも、この確認だけは早めにしておいてください。

補助金と助成金は言葉が似ていますが、探す場所も申し込み方も違います。補助金は公募に応じて申請し、助成金は要件を満たしたときに申請する。人材派遣の会社設立では、後者の出番のほうが多くなります。

国の補助金にも、業務の仕組みに投資する制度があります。人材派遣では、勤怠の管理や請求の処理を仕組みにすると効きます。会社設立の直後に型を作っておくと、人数が増えたときの手戻りが減ります。

出典雇用関係助成金一覧(厚生労働省/2026-09-04 確認)

雇う前に、保険の手続きを済ませる

雇う前に、保険の手続きを済ませる|会社設立の補助金と支援
雇う前に、保険の手続きを済ませる

雇用関係助成金は、労働保険の適用事業所であることを前提にするものがほとんどです。人材派遣の会社設立では、ここが出発点になります。

労働者を1人でも雇用したら労働保険の適用事業となり、保険関係が成立した日の翌日から10日以内に保険関係成立届を提出することとされています。

あわせて、労働保険料の申告と納付も必要になります。年度ごとの手続きなので、会社設立の時期によっては初年度が短くなります。

人材派遣では、派遣労働者の人数が増えると保険料も増えます。会社設立の資金計画では、この負担を見込んでください。

賃金台帳、出勤簿、労働者名簿。支給の申請では、これらの記録が確認されます。最初から形を作ってください。

手続きが済んでいないと、要件を満たしていても支給されません。会社設立の直後は書類が多いので、期限の短いものから順に片づけてください。

出典労働保険の成立手続(厚生労働省/2026-09-04 確認)

社会保険は、期限がいちばん短い

社会保険は、期限がいちばん短い|会社設立の補助金と支援
社会保険は、期限がいちばん短い

会社設立の直後に来る期限のうち、いちばん短いのが社会保険です。事業所が健康保険・厚生年金保険に適用されることになった場合、事実の発生から5日以内に新規適用届を日本年金機構へ提出します。

法人の事業所は、常時従業員を使用する場合に適用事業所となります。役員だけの会社設立でも、報酬を支払うなら対象になります。

この届出には登記事項証明書の添付が求められます。会社設立の登記の完了を待ってから5日というのは、かなり慌ただしい日程です。

人材派遣では、派遣労働者の社会保険の加入状況が許可の申請でも見られます。未加入者がいる場合には、別の様式の提出が求められます。

必要な届書は会社設立の規模によって変わります。日本年金機構の案内で確かめてください。

補助金の申請でも、従業員数を示す資料として社会保険の加入状況が求められることがあります。人材派遣の会社設立では、この手続きが許可と支援の両方に効きます。

出典新規適用の手続き(日本年金機構/2026-09-03 確認)

正社員化を考えるなら、先に計画を出す

正社員化を考えるなら、先に計画を出す|会社設立の補助金と支援
正社員化を考えるなら、先に計画を出す

キャリアアップ助成金は、有期雇用労働者等の企業内でのキャリアアップを促進する事業主を支援する制度です。正社員化などの取組が対象になります。

この制度では、あらかじめキャリアアップ計画を作成して管轄の労働局長の受給資格の認定を受けることが必要とされています。正社員にしてから相談しても間に合いません。

人材派遣では、有期で雇い入れてから無期に転換するという流れが起こります。その予定があるなら、会社設立の直後に計画を出しておいてください。

コースは複数あり、年度で内容が変わります。派遣労働者が対象になるかどうかも含めて、労働局で確かめてください。

支給までには時間がかかります。会社設立の資金計画には入れず、後から戻るものとして扱ってください。

会社設立の直後は、雇う人数も働き方も固まっていないことが多くあります。計画は後から変えられるので、まず出しておくという考え方で構いません。

出典キャリアアップ助成金(厚生労働省/2026-09-03 確認)

社会保険の加入と、処遇の改善

社会保険の加入と、処遇の改善|会社設立の補助金と支援
社会保険の加入と、処遇の改善

短時間で働く方を社会保険に加入させると、本人の手取りが減ることがあります。人材派遣では、この場面がよく起こります。

キャリアアップ助成金の社会保険適用時処遇改善コースは、短時間労働者に社会保険を適用させるにあたって、手取りの減少を踏まえた処遇の改善をおこなう事業主を支援する制度です。

会社設立の直後から短時間の働き方を扱う予定があるなら、名前を知っておく価値があります。

この制度も事前の計画が要ります。加入させてから調べ始めると間に合いません。

要件や支給の額は年度で変わります。厚生労働省のページで最新の内容を確かめてください。

人材派遣の会社設立では、短時間の働き方を希望する方を多く扱うことになります。加入の説明を丁寧にできるかどうかが、定着に効いてきます。

出典キャリアアップ助成金(社会保険適用時処遇改善コース)(厚生労働省/2026-09-03 確認)

試しに雇うという形もある

試しに雇うという形もある|会社設立の補助金と支援
試しに雇うという形もある

人材派遣の会社設立の直後は、社内のスタッフを雇う場面もあります。営業や労務の担当です。

トライアル雇用助成金は、職業経験の不足などから就職が困難な求職者を、一定期間試行雇用した事業主に対する助成の制度です。一般トライアルコースがその基本になります。

利用には、ハローワークや職業紹介事業者等の紹介によることが前提とされています。自分で見つけた人を後から当てはめることはできません。

派遣労働者と社内のスタッフでは、使える制度が違うことがあります。どちらの話をしているのかを明確にして相談してください。

支給の額や対象者の要件は年度で変わります。求人を出す前に確かめてください。

会社設立の直後は、社内の体制づくりが後回しになりがちです。営業だけでは回りません。労務を見る人を早めに確保してください。

補助金は後払いなので、立て替えの資金が要ります。教育訓練の費用も同じです。

出典トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)(厚生労働省/2026-09-03 確認)

教育訓練の記録は、更新でも見られる

教育訓練の記録は、更新でも見られる|会社設立の補助金と支援
教育訓練の記録は、更新でも見られる

教育訓練は、やって終わりではありません。許可の更新のときに、実施の状況が確認されます。

厚生労働省は、更新申請の直前の有効期間内において、キャリア形成支援制度を有することについて許可の基準を満たす実施状況であったかを確認するとしています。

計画はあっても実施されておらず、指導しても是正されないような義務違反がみられた場合は、許可基準を満たしていないとして許可を更新しないこととなるとされています。

人材派遣の会社設立の直後から、実施の記録を残してください。誰にいつ何時間の訓練をおこなったか。これが3年後の材料になります。

Q. 教育訓練は何時間必要ですか。

A. 少なくとも最初の3年間は、毎年おおむね8時間以上の機会の提供が求められます。

Q. 教育訓練は無給でよいですか。

A. 有給かつ無償でおこなわれるものであることとされています。

Q. 派遣労働者も助成金の対象ですか。

A. 制度によります。労働局で確かめてください。

Q. 雇ってから助成金を申し込めますか。

A. 事前の計画が必要な制度は、後から遡れません。

Q. どこに相談すればよいですか。

A. 管轄の労働局とハローワークです。社会保険労務士も相談先になります。

雇用安定措置についても、更新申請の直前の有効期間内において許可基準を満たす実施状況であったかが確認されます。それでも実施されないような義務違反が見られた場合、許可を更新しないこととなるとされています。会社設立の直後から、記録を残す習慣をつけてください。

補助金と助成金は所管も動き方も違います。会社設立の後は、両方の棚を分けて見てください。

出典派遣事業開始以後の手続等は(労働者派遣事業 許可・更新等手続マニュアル)(厚生労働省/2026-09-05 確認)

まとめ|要件と支援は、同じ場所にある

まとめ|要件と支援は、同じ場所にある|会社設立の補助金と支援
まとめ|要件と支援は、同じ場所にある

人材派遣の会社設立では、教育訓練も労務の整備も避けて通れません。どうせやるなら、支援につながる形で整えてください。

この記事の要点

  • 1教育訓練は許可の要件。有給かつ無償で、最初の3年間は毎年おおむね8時間以上
  • 2その負担に人材開発関係の助成が届くことがある。労働局で確かめる
  • 3労働保険の成立届は雇った日の翌日から10日以内、社会保険は5日以内
  • 4キャリアアップ助成金は、あらかじめ計画を作り労働局長の認定を受ける
  • 5教育訓練の実施状況は、3年後の許可の更新でも確認される

補助金と助成金の両方を視野に入れておくと、人材派遣の会社設立の後で選べる支援が増えます。どちらも、先に手を打つかどうかで結果が変わります。

制度を横断して探すなら、J-Net21のような支援情報のサイトも使えます。会社設立の直後に一度見ておいてください。

この記事は2026年9月時点で厚生労働省や日本年金機構の公表内容にあたって確認した内容です。要件や支給の額は年度で変わります。人を雇う前に、必ず管轄の労働局でご確認ください。

出典J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト(中小機構/2026-09-03 確認)

最初の派遣労働者を雇う方へ

人材派遣の会社設立では、教育訓練が義務として先に来ます。負担に感じるかもしれません。ただ、その義務は同時に支援の入口でもあります。計画を作り、記録を残す。それが許可の維持にも、助成の申請にも効きます。同じ作業を二度しないために、会社設立の直後に一度だけ、労働局と社会保険労務士に相談しておいてください。

他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください

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