会社設立補助金ドットコム 起業したての方にもわかりやすく解説

助成金と補助金を年間の計画に落とす|会社設立1年目の組み立て方

公開 文責 会社設立・設立後の補助金のプロ

この記事を読んでほしい方

会社設立の1年目に、助成金と補助金の両方を視野に入れている方に向けた記事です。二つは動き方の時間軸が違います。同じ表に並べて置かないと、片方の期限を落とします。1年をどう組み立てるかを具体的に示します。

助成金は取り組みの前後関係で動き、補助金は年度と公募回で動きます。この二つを別々に管理すると、必ずどこかで抜けます。会社設立の1年目を、一枚の予定表にまとめる方法を考えます。

会社設立1年目の支援の予定
会社設立1年目の支援に関わる予定

二つの支援は、時間軸が違う

二つの支援は、時間軸が違う|会社設立の補助金と支援
二つの支援は、時間軸が違う

助成金と補助金を同じ表に並べるとき、まず知っておきたいのが時間軸の違いです。ここを理解しないと、予定表が作れません。

雇用の助成金は、取り組みの前後関係で動きます。計画を出してから取り組み、終わってから支給申請をする。公募回という区切りはなく、自社の予定に合わせて動かせます。その代わり、順番を間違えると取り返せません。

補助金は年度と公募回で動きます。締切が決まっていて、そこに合わせて準備する必要があります。逃しても次の回がありますが、自社の都合では動かせません。

助成金と補助金の時間軸|会社設立の補助金
助成金と補助金の時間軸の違い

つまり、予定表では助成金を「自社の採用の予定」に紐づけ、補助金を「公募の締切」に紐づけることになります。二つの軸を一枚に描くのが、この記事の趣旨です。

会社設立の1年目は、この二つに加えて事業そのものの予定も走ります。三つの軸を頭の中だけで管理するのは無理があります。紙でも表計算でも構わないので、目に見える形にしてください。

会社設立の日を起点にすると、予定表は作りやすくなります。届出の期限も、創業期の枠の起算も、すべて会社設立の日から数えるからです。

出典雇用関係助成金一覧(厚生労働省/2026-09-04 確認)

最初の2か月は、期限のある手続きだけ

最初の2か月は、期限のある手続きだけ|会社設立の補助金と支援
最初の2か月は、期限のある手続きだけ

会社設立の直後は、期限の決まった手続きが集中します。この時期に支援の情報を追いかけると、本業も手続きも中途半端になります。

社会保険については、事業所が健康保険・厚生年金保険に適用されることになった場合、事実の発生から5日以内に新規適用届を提出します。労働保険については、厚生労働省の説明によれば保険関係成立の日から10日以内に保険関係成立届を提出し、概算保険料の申告・納付は成立の日から50日以内とされています。

税務署へは、法人設立届出書を設立の日以後2か月以内に提出します。この時期はここに集中してください。

並行して進められるのが、法人名義の口座の開設とGビズIDの取得です。どちらも補助金の申請に必要になりますが、制度を決める前から用意できます。GビズIDは書類を郵送する方式だと1〜2週間かかることがあります。

この時期に支援の情報を追いかけたくなりますが、会社設立の直後は手続きだけで手一杯になります。補助金の公募は年度を通じて出てきますので、焦る必要はありません。

都道府県と市区町村への法人設立の届出も必要です。地方税に関するもので、提出先と期限は自治体によって異なります。会社設立の直後は同時に多くの期限が来るので、一覧にして消し込んでいくのが確実です。

出典労働保険の成立手続(厚生労働省/2026-09-04 確認)

3か月目までは、本業と記録の仕組み

3か月目までは、本業と記録の仕組み|会社設立の補助金と支援
3か月目までは、本業と記録の仕組み

手続きが一段落したら、本業の立ち上げに集中する時期です。事業が動いていないと、補助金の計画書に書ける材料も集まりません。

並行して、記録の仕組みを作ってください。売上と経費を月ごとに集計できる形にし、人を雇うなら出勤簿と賃金台帳を整える。会社設立の直後は数字が小さくても、記録があれば後の申請で使えます。

就業規則や労働条件通知書の様式も、この時期に用意しておくと安心です。人数によっては届出の義務がありますし、雇用の助成金の要件としても求められます。

社会保険労務士に最初だけ見てもらうという使い方もあります。会社設立の直後は費用を抑えたい時期ですが、要件を満たせずに支給されないことを考えると、結果的に安く付くことがあります。

会社設立の直後に実際に売ってみると、想定と違うことが必ず出てきます。誰が買うのか、いくらなら払ってもらえるのか、どこで詰まるのか。この経験が、そのまま補助金の計画書の中身になります。記録として残しておいてください。

記録の仕組みは、支援を受けるためだけのものではありません。毎月の数字を見ていると、事業の状態が早く分かります。会社設立の直後は変化が大きい時期ですから、月ごとに振り返る習慣そのものが経営の助けになります。

出典キャリアアップ助成金(厚生労働省/2026-09-03 確認)

採用の予定が決まったら、助成金を先に置く

採用の予定が決まったら、助成金を先に置く|会社設立の補助金と支援
採用の予定が決まったら、助成金を先に置く

人を雇うと決めたら、そこが予定表の分岐点になります。募集をかける前に、都道府県労働局やハローワークへ相談してください。

キャリアアップ助成金では、各コースの実施日の前日までにキャリアアップ計画を提出することが求められます。トライアル雇用助成金の一般トライアルコースは、ハローワーク等の紹介を受けて雇い入れることが前提で、支給額は対象者1人あたり月額最大4万円(最長3か月)です。

どちらも、採用の前に手続きが要ります。予定表では「募集をかける日」の前に「窓口に相談する日」と「計画を提出する日」を置いてください。

助成金のために採用の人数を増やすのは避けてください。給与と社会保険料の会社負担分は毎月かかり続けます。事業に必要な人数で判断してください。

会社設立の直後は、採用そのものが難しい時期です。実績のない会社に来てもらう必要があるからです。ハローワークを使うと募集の書き方から相談に乗ってもらえるので、助成金を抜きにしても価値があります。

出典トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)(厚生労働省/2026-09-03 確認)

補助金は、公募の締切から逆算して置く

補助金は、公募の締切から逆算して置く|会社設立の補助金と支援
補助金は、公募の締切から逆算して置く

補助金は締切が決まっているので、そこから逆算します。会社設立の直後に取りかかりやすいのは、販路開拓の制度です。

小規模事業者持続化補助金は、自ら策定した経営計画にもとづく販路開拓等の取組を支援する制度で、申請にあたっては地域の商工会議所・商工会への相談と計画書の確認が必須とされています。この相談の時間を、予定表に先に置いてください。

補助金は締切から逆算して置く|会社設立の補助金
補助金を締切から逆算して置く

創業まもない時期を対象にした創業型もあります。中小企業庁の説明によれば、創業後1年以内の小規模事業者等(創業後、事業開始前の事業者も対象)を対象としています。会社設立の日が要件になるので、1年目のうちに検討してください。

会社設立の直後は、狙う制度を一本に絞るほうが確実です。複数に同時に申請すると準備が薄くなり、どれも通りにくくなります。一度採択されて実績報告まで通せば、二本目からは早くなります。

出典小規模事業者持続化補助金について(中小企業庁/2026-09-03 確認)

二つを同じ表に置くと、詰まりが見える

二つを同じ表に置くと、詰まりが見える|会社設立の補助金と支援
二つを同じ表に置くと、詰まりが見える

助成金と補助金を一枚の表に並べると、どの時期に作業が重なるかが見えます。会社設立の1年目は人手が限られるので、この見通しが判断の材料になります。

たとえば、補助金の申請の準備をしている時期に採用も進めると、計画書の執筆と労務の手続きが重なります。どちらかを後ろにずらせるなら、ずらしたほうが確実です。

補助金は次の公募回を待てますが、採用は待てないことが多いはずです。だから優先するのは助成金の側、というのが一般的な判断になります。

逆に、創業期を対象にした補助金の枠には期限があります。会社設立から1年以内という区切りがあるなら、そちらを優先する判断もあり得ます。表に置いてみないと、この比較はできません。

表を作るときは、会社設立の日を左端に置いて、そこからの経過月で並べると分かりやすくなります。届出の期限、創業期の枠の残り、公募の締切。すべてが同じ物差しの上に乗ります。

出典小規模事業者持続化補助金(中小企業庁/2026-09-03 確認)

重ねるなら、経費の割り振りを最初に決める

重ねるなら、経費の割り振りを最初に決める|会社設立の補助金と支援
重ねるなら、経費の割り振りを最初に決める

助成金と補助金は、目的と対象経費が重ならなければ両方受けられることがあります。ただし、同じ経費に二重に支援を受けることは認められません。

特に人件費は重なりやすい費目です。同じ人の同じ期間の人件費を、補助金と助成金の両方から受け取ることはできません。分け方の基本は、期間と対象者です。

申請書には他の制度への申請状況を書く欄があります。ここは正直に書いてください。隠して両方から受け取ると、あとで返還を求められます。

会社設立の直後は経理の体制もこれからという時期です。最初に経費の割り振りを決めて記録しておけば、実績報告のときに困りません。

会社設立の1年目に両方を狙う場合、報告の時期が重ならないように申請の時期をずらすという工夫もできます。表に置いてみると、この調整がしやすくなります。

出典キャリアアップ助成金(社会保険適用時処遇改善コース)(厚生労働省/2026-09-03 確認)

1年目の終わりに、次の年の計画を立てる

1年目の終わりに、次の年の計画を立てる|会社設立の補助金と支援
1年目の終わりに、次の年の計画を立てる

会社設立から1年が経つと、状況が変わります。最初の決算を通せば決算書が出せるようになり、決算書を求める制度に手が届きます。

創業期を対象にした枠からは外れますが、実績が積み上がるぶん計画書に書ける材料が増えます。金融機関との話も進めやすくなります。

Q. 1年目に何も申請できませんでした。

A. 珍しいことではありません。手続きと本業で手一杯になるのが普通です。2年目からは出せる書類が増えます。

Q. 創業期の枠を逃しました。

A. 同じ制度の一般の枠があります。自治体には創業から5年以内といった区切りの制度もあります。

Q. 2年目は何から始めればいいですか。

A. 1年目の記録を整理してください。売上と経費、雇用の記録が、そのまま申請の材料になります。

Q. 助成金と補助金、2年目はどちらを優先しますか。

A. 採用の予定があるなら助成金です。順番の縛りが強く、後から満たせないためです。

1年目にできなかったことを悔やむより、記録が残っているかを確かめてください。記録があれば、2年目から動けます。

2年目の計画を立てるときは、1年目に使った時間も振り返ってください。支援の準備にどれだけかかったか、本業をどれだけ削ったか。この実感があると、2年目にどこまで手を広げるかを現実的に決められます。

出典小規模事業者持続化補助金(創業型)について(中小企業庁/2026-09-03 確認)

まとめ|一枚の表に置けば、抜けが減る

まとめ|一枚の表に置けば、抜けが減る|会社設立の補助金と支援
まとめ|一枚の表に置けば、抜けが減る

助成金と補助金は時間軸が違います。だからこそ、同じ表に置いてください。別々に管理すると、片方の期限を必ず落とします。

この記事の要点

  • 1助成金は取り組みの前後関係、補助金は年度と公募回で動く
  • 2最初の2か月は、期限のある手続きに集中する
  • 33か月目までは本業と記録の仕組み。あとで効いてくる
  • 4採用を決めたら、募集の前に労働局へ相談し計画を提出する
  • 5補助金は締切から逆算し、商工会議所への相談時間を先に確保する

この記事の期限と要件は、執筆時点で厚生労働省や中小企業庁の公表内容にあたって確認したものです。制度の内容は年度ごとに変わります。会社設立の1年目の計画を立てる段階では、必ず所管の窓口でご確認ください。

出典労働保険料の申告・納付(厚生労働省/2026-09-04 確認)

1年目の計画を立てる方へ

会社設立の1年目は、想定どおりに進まないのが普通です。手続きに追われ、本業に追われ、気づけば締切を過ぎている。それでも、一枚の表に置いておけば「いま何が近いか」は見えます。完璧に回そうとせず、期限のあるものだけ落とさない。それで十分です。判断に迷ったら、都道府県労働局と商工会議所に一度ずつ顔を出しておいてください。両方の時間軸を教えてもらえます。

他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください

会社設立の補助金について調べるときに、あわせて見られているサイトです。掲載の順番は、おすすめの度合いや優劣を示すものではありません。内容は各サイトの運営者にご確認ください。

この記事は、会社設立の補助金を調べるうえで役に立ちましたか。

押した数はこの端末にも記録され、同じ記事では一度だけ数えます。

あわせて読みたい、会社設立と補助金の記事

会社設立の進め方や、設立後に出せる補助金の支援メニューを別の切り口でまとめた記事です。

補助金を自分で調べるのは時間がかかります

補助金のプロに相談

※ 弊社調べによるものです。